7.パントン
パントンとはマレーシアやインドネシアに古くからある4行詩のことで、これについてはマレーシアにいる

ときは聞いた事が無かったのだが、伴美貴子さんのHPによれば今もとても盛んで、パントンの朗読など

も良く行われているとのこと。私達が訳しているお話の中にもパントンがいくつも出てくる。原文ではちゃ

んと韻が踏んであり、それは世界各国にある詩の形とよく似ている。きっと、いろんなルールがあるに

違いないのだが残念ながら手持ちの資料がないので、わからないことが多すぎる。

友人のインドネシア人のアネスさんによれば、インドネシアでは小学校の頃からパントンを習い、節をつ

けて歌うのだという。そういってちょっと歌ってくれた事があった。

だいぶ前だったのでどんな節だか思い出すことは出来ないのだが、聞いたときなにか懐かしい感じがし

た。日本で言ったらさしずめ、百人一首の和歌のようなものか。百人一首も抑揚をつけて読むけれどパ

ントンもそんな感じだ。メロディーというよりは抑揚をつけて読む感じなのだが、百人一首よりメロディが

あったような気がした。マレーシアとインドネシアではちがうのだろうか。節はひとつなのかしら。などと

思いは膨らむが、、アネスさんは帰国されたのでもう聞くことが出来ない。残念。また機会があったら是

非聞いてみたいものだ。そうそう、意味の方だが、いつも意味不明なことが多く、パントンが出てくるとお

手上げになってしまう事が多かったのだが、アネスさんによれば最初の2行は余り意味が無く本当に言

いたいことは後の2行にあると言われ、なるほどと腑に落ちたものだ。そういえば、日本の和歌でも枕詞

と言うものは意味不明のものが多く、そのまま覚えざるをえないものがあった。「アワンベド」はパントン

の名手という事になっているのに、その感じが伝えられなかったのが残念だ。                                                    (2002/4/13)

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