8.カンポンボーイ
「カンポンボーイ」というのは「いなかっぺ大将」とでも訳したらいいのだろうか。マレーシアの偉大な漫画家ラット氏の代表作である。

たぶん子供の頃のラットさんの思い出だろう。このマンガの主人公はマットと言う。マレーシアにいた頃 私が初めて買ったマンガである。

それ以来ラット氏の魅力のとりこになり、彼のマンガと見れば手当たり次第に集めはじめた。カンポンボーイはマット少年が過ごしたマレーシアの田舎

が舞台で、マット少年がそこでのびのびと育っていく様子がユーモアと共に描かれている。そこにはマレーシアの文化がよく現われていて私のマレーシ

アへの理解を深めてくれた。はじめは英語版で読んでいた。そのうち日本語版も出たから、日本でも売られたのだろう。シンガポールの紀伊国屋で見

つけた。日本ではどんな反響だったのか気になる。もちろんマレー語版もあり、後にマレー語を習いはじめて、1年くらいたったとき先生が何をしたい?

と聞かれた時、迷わずカンポンボーイ!と叫んでそれは私たちのテキストとなった。

それからカンポンボーイのマレー語版をテキストにしながら、マレーシアの文化の話なども聞きながら、とても楽しい勉強時間をすごした。

カンポンボーイは大きくなってイポーという都会に引越しをする。そこでまたマットの中学校生活の話が始まるのだ。

この2冊は自伝風だが、その他にも短編でマットのような少年が出てくるお話はたくさんある。短編もあるし、一こまマンガもある。

ラットは新聞に社会戯評的な一こま漫画も描いていてそれを一冊に纏めたマンガも何冊も出ている。これを見ると現代(だいぶ前になっているけど)の

マレーシアの社会がみえるというわけだ。

カンポンボーイのアニメのCDが発売されていると言う情報を知ったのは1年くらい前だが、どうしても観たい!と思っていたらとうとう先その機会に

 めぐり逢う事が出来た。日のMANDIの会に顔を出したところ、これを持っている方に遭遇。思い切って貸してくれませんかとお願いしたところ快く

貸してくださったのだ。念願のカンポンボーイのアニメがみられたというわけ。感謝。感激。アニメの主人公の動くマットはとてもかわいらしかった。

舞台は現代のマレーシアが舞台になっていて、とてもよく出来たアニメだった。これは第2部ということだったが、第1部は昔風だったのだろうかと言う

気持ちがよぎる。

こっちは余談だが、同時に「Puteihプテ」というマレーシアの昔話のような長編アニメ(ちょっとディズニー風)も、民話を訳している我々の参考になるか

と思いお借りしてきた。このお話の方はいくつかのお話を合体させて作ったのかなと思わせるような、このサイトに出てくるお話と似ていなくもない箇所

があちこちに見られ興味深かった。

これを見て、もう一度マレーシアに行きたくなった。行ったらCDを買ってこよう。。夢は彼のマンガの翻訳なんだけどなあ。

                                                                                     ( 2002/5/27)

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