9. マレーシアの民話はいつごろ?

民話を訳しながら、これはいつ頃の話だろう?といつも漠然と考えていた。

日本の民話ならだいたいいつ頃の頃ってわかるんじゃないだろうか。地名とか人名とかで見当がつくのではないだろうか。

ところがマレーシアはやはり、日本に居ては何の手がかりもない。地名を引いても辞書には載っていないし。西マレーシアか東マレーシアかでも

ずいぶん違うのだろうけれど、どちらかすら分からない。マレーシアの歴史も習ったのはマラッカ海峡やマラッカ王国くらい。

フランシスコザビエルが寄ったというマラッカには行った事があるのだが。。。

民話というのは、童話ではないから全くの創作というわけでもないのだけれど、悪い妖精が出てきたり火の鳥が出てきたり、魔法が出てきたり、

動物がしゃべったりと、そこには昔のマレー人の言い伝えと想像力とが生み出したマレー人の心のありよう

が見てとれてとても面白い。でてくる神や魔物からどんな文化の影響下にあったかも見て取れるはずなのだ。民話は一人の人が作った、

というわけでもないだろう。年月が流れる間にいろんな人が話を足していっているだろう。どう考えても、付け足したなあと思われるお話もある。

マレーシアの歴史の本が読みたい・・古い地図などもみたい。などと思っていて、ふと、思いついた事があった。 そう、最近のインターネットの恩恵を

受けないなんてもったいないことはない。マレーシアはインターネットの先進国だ。それに英語も公用語だから、英語のマレーシアのサイトを探したら

いいじゃないか?!この思いつきにすっかりうれしくなって、「Ancient Malaysia」とキーワードを入れてみる。やった!マレーシアのサイトがずらりと

出てきた。もちろん英語のサイトもいっぱいだ。辞書など引きながら見るのももどかしく、とりあえず目にとまったサイトをざーっと読んでみて興奮する。

マレーシアの歴史はあまり記述として残ってないため13世紀ごろからしかはっきりわからない。初めは中国大陸の方から人間が南下してきたらし

い。その後、インドから金をもとめてインド人がたくさんやってくる。そして、それまでのマレーシアの王国の人たちは、ヒンズーにすっかり魅了され

何もかもヒンズー式にしたヒンズー王国が栄える。そして、王様のこともラジャと呼ぶことにしたのだ。これはインドの王様の呼び方と同じ。

王様の呼び方が変るのは15世紀ごろで、その頃イスラム教が入ってきて、マラッカ王国の統治者が自分達をイスラムの影響でサルタンと呼んだのが

始まりらしい。そうだったのか。民話を訳していると王様はラジャというけれど、マレーシアに居た頃はサルタンと聞いていたのだ。なんの疑問も持って

いなかったけど、こんな発見もとても嬉しい。マレーシアの見方がまた少し深くなったようで勝手に喜んでいる。もう少しちゃんと読んだら、またここに

アップしたいと思う。

                                                                                    ( 2003/3/1 )

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