映画

ノルウェイの森が映画化!

シネマトゥデイという映画のニュースサイトで「松山ケンイチと菊地凛子の出演で『ノルウェイの森』始動!主要キャスト発表」という記事を見つけてしまいました。映画化の話はちょろちょろ聞いていましたが、なるほどこういうキャスティングできましたか。

監督はトラン・アン・ユン…「青いパパイヤの香り」が有名でかなり冗長な、というか空気感のある作品作りをする人です。リアリズムという意味ではノルウェイの森に似合っているような気もしますが、癖が強いので突拍子もない作品になりそうで若干心配です。とりあえず最新作品の「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン(公式サイト)」は観ておいた方が良さそうですね。
で、肝心のキャストです。主人公のワタナベ君は松山ケンイチでした。うーん、実は加瀬亮がイメージ近いかなと思っていましたが、松山ケンイチの程よい暗さはいい感じに出るかもしれませんね。菊地凛子の直子は正直イメージと全く違うんですがどうなんだろう…むしろレイコさん役の霧島れいかのほうが直子のイメージ近いんですけどねぇ…でも大人っぽ過ぎるか。他の玉山哲二の永沢さんと水原希子の小林緑は良さそうですね。いずれにしても自分のイメージより若い俳優が多いです。これは小説の設定に忠実だとそうなってしまうんでしょうね。
それと気になるのは時代設定です。やっぱり原作通り1970年くらいになるんでしょうか、それとも現代にアレンジされたりするんでしょうか。自分的には原作どおりにいっていただきたいと思うんですけどね。

思い入れが強い作品だけにその出来がイマイチだとかなりゲンナリしてしまいそうですが、過去の映画化作品「トニー滝谷」や「風の歌を聴け」くらいの完成度にしてくれれば満足できそうです。映画の公開は来年だそうで、1Q84の発表も考えると最近停滞気味だった村上春樹ネタが多くて楽しみです。とりあえず小説版ノルウェイの森、久しぶりに読み直してみようと思います。

紀里谷監督のGOEMONを見た

GOEMON
5年くらい前にCASSHERNを発表してからあまり動きのなかった紀里谷監督ですが、ついこのあいだGOEMON(公式サイト)が公開されました。公式サイトの予告編は実に紀里谷テイストが溢れており、いろんな意味で強く惹かれたので近所のシネコンに観に行ってきました。
タイトルのGOEMONというのは義賊で有名な石川五右衛門の事で、豊臣秀吉が天下を治め関ヶ原の戦いに至るまでの期間の活躍を描いています。この安土桃山時代はどっちかと言うと派手な感じの文化と学校で習った気がしますが、出てくる風景はそんなレベルをはるかに超越した極彩色の紀里谷ワールドで、個人的には嫌いではないんですが一般的には悪趣味かも…という感じの世界観でした。
その極彩色の世界の中で、GOEMONが(文字通り)金庫破りをしたときに見つけた南蛮の箱から、もとの主君である信長暗殺にかかわる重大な秘密に触れてしまう、というのが大まかなストーリーです。

CASSHERNの時もそうですが、この紀里谷和明作品はどういうわけだかキャストが豪華で、若干引っ掛かる人はいるものの演技は問題ないレベルでした。ただ人物の掘り下げは浅い感じで、物語を通して絡む猿飛左助と小平太のエピソードでさえもイマイチ感情移入しづらかったです。全体で2時間超の長い映画なのでもっと人物の背景を語っても良さそうな感じですが、後半から急に駆け足になり関が原のエピソードにいたっては最大の見せ場のはずなのに「まだあるの?」って気分にさせられたりと、詰め込みすぎで尺不足になったんじゃないかなと思いました。
あと自分的には「平民から大名、おそらく才蔵やGOEMONでさえも乱世に翻弄されて大事なものを見失ってしまい、それに気がつく頃には大切なものを沢山失ってしまう」という事がテーマだったように感じたんですが、相変わらず表現がストレートすぎるので若干陳腐な印象を受けてしまいました。この辺はCASSHERNと似てましたね。
他に気になったのは、エフェクトバリバリのせいか顔の描写が粗く、所々低解像度の動画を引き延ばして見ているような感じになったところです。CASSHERNの時は暗い色使いが多かったせいかほとんど気になりませんでしたが、地デジの高解像度の動画に慣れてしまうと「ちょっと画質悪いんじゃないの?」と思ってしまいました。

エンタテイメントとしては、独特の破天荒なアクションと極彩色の紀里谷ワールドがCG技術の進歩で前作品より格段にグレードアップしているので、CASSHERNがイケる人なら間違いなく満足できる気がします。
でも物語を十分に書ききれていないという部分では、やっぱりプロモーションビデオの監督なんだなぁと思っちゃいましたね。

カンヌ国際映画祭とEUREKA(ユリイカ)

カンヌ映画祭で受賞した映画というと日本では商業的に上手くいっていないイメージがあり、その年はメディアを賑わすにもかかわらずその後さっぱり見かけなくなってしまう印象があります。そうすると受賞作品をかなり見逃してる事になるわけで、ちょっと前に弟とカンヌ映画の話をした時に気になってWebで調べてみました。すると意外と観ていることが判明。パルムドールをとっている作品だけでも、パルプフィクション、さらばわが愛/覇王別姫、ダンサーインザダークなどは既に見ていました。

EUREKAパッケージ
とは言えまだ見ていない作品で結構気になるものもあり、とりあえず「EUREKA(ユリイカ)」を観ることにしました。主演のバスの運転手に役所広司、そのバスに乗っていた兄妹に宮崎あおいと宮崎将(…実の兄妹だそうで)という配役で、2000年の作品なんで宮崎あおいが完全に子供でしたね。で、偶然居合わせた彼らがバスジャックに会い、生き残ってしまうところからお話が始まります。
その後役所広司は放浪の旅に出てしまい、宮崎兄妹も家とお金はあるものの言葉を失って生活しているんですが、偶然再開した彼らが同居をはじめ、いきなりやってきた従兄弟を含め4人でバスの旅に出ることになります。

物語は冒頭から最後まで淡々と進み、音楽といえば劇中でかかっているラジオくらいしかなく、絵もほぼ全編モノクロというかなり単調な雰囲気の映画です。さらに宮崎兄妹は失語状態なのでほぼまったく喋らずどの人物の内省も語られないので、無口な役所広司が誰かとしゃべる会話でしかストーリーを知りえない構造になっています。さらに恐るべきことに上映時間が3時間40分もあり、眠気と戦うにはかなり長期戦を覚悟しないといけない作品でした。ただ僕の場合、何回かの当直の合間に途切れ途切れに観たので、気がくじけることはありませんでした。

感想は、淡々とした描写しかないがゆえに登場人物の気持ちをアレコレ想像せざるを得ない、という点で結構面白く観れました。一見無駄にしか見えない描写が山盛りあるんですが、ないと素っ気無くて逆に眠くなってしまうんだろうなって思いました。途中で起こる残虐な事件については、そこに至る犯人の心理過程に同意する事は全然できないんですが、もしかしたらそういう不条理こそが現実なんだよ!と言っているようにも感じました。
なんだか突拍子もない出来事を並べた映画でしたが、意外とリアリティ高いのかもしれません。自分は結構好きなタイプの作品でしたね。

10年ぶりにスワロウテイルを観た。

スワロウテイルのDVDパッケージ
岩井俊二の映画をちょこちょこ観ているうちに、どうしても観たい映画が出てきました。それは僕が邦画にはまるきっかけになった映画「スワロウテイル」です。公開は1996年でしたが、1998年頃に勧められてレンタルビデオ屋で借りてみたのが出会いでした。昔から映画を観るのは好きだったんですが、スワロウテイルを観たのをきっかけにちょっとマイナーなアジア映画や邦画、OVAなんかも観るようになったんですね。
随分昔の作品のせいかTSUTAYA DISCASのラインナップにもなく、加入してからずっとリクエストしていたんですが全く借りられるようになる気配もないので、結局Amazonで買うことにしました。

届いてからすぐ見たかったので、大学病院の当直中に鑑賞する事にしました。
で感想。やっぱり何度観ても面白かったです。随分昔の映画ですが、色褪せた感じをほとんど感じさせず物語りに引き込まれ、気がついたら150分近い長編を観終わっていました。まぁかなり昔だったので、ストーリーをあんまり覚えていなかったのが良かったのかもしれませんけどね。
お話としてはやっぱりアゲハ(伊藤歩)の成長物語って感じでしたが、グリコ(CHARA)やフェイフォン(三上博史)とのからみも面白かったです。ストーリーも演出も切ない雰囲気が漂っていて、ハッピーエンドとは言い難い終わり方をするにもかかわらず、なんだか救われたような気持ちになる、なんとも不思議な作品でした。唯一違和感を感じたのは、山口智子のぶっ飛びぶりくらいですかね。これはさすがに今観るとイタいですね。
あと余談ですが、先日観た「TOKYO!」に出てた伊藤歩がまさにアゲハ役だったことにようやく気がつき、今更ビックリしました。というのもスワロウテイルのアゲハってあんまり可愛いとは言えない印象なんですが、TOKYO!では普通の女の子になってたわけで、しかるべき年齢になると女性は変わるもんだと思いました。

10年前の映画を観て、もう一度感動するってのも何だか感慨深いですね。

TOKYO!という映画

TOKYO!
とある休日。妻がエステに行っている間時間を潰さなくてはならず、マニアックそうな映画を観に行くことにしました。でWebをさまよっていたところ、ちょうどマイナーで面白そうな映画が公開されていました。「TOKYO!」というオムニバス映画で、監督はフランス人だったり韓国人だったりするんですが、舞台と役者は日本人が多いという作品です。レオス・カラックスとかは結構有名な監督だった気がするんですが、観に行く頃には東京だとほぼ短館上映みたいな状態になっており、公開終了直前に渋谷のシネマライズという小さい映画館で観てきました。一応公式サイトはここ

オムニバス映画なので以下の3つの小さなお話で構成されています。
「インテリアデザイン」
映画監督を目指して上京してきた男(加瀬亮)とその彼女(藤谷文子)が、東京の友人(伊藤歩)の家に寝泊りしながら東京で生活をしていこうとするお話。世慣れない若者のコミカルなお話だと思って観ていると、途中からちょっとメルヘンな展開になっていきます。ミュージックビデオを手がけている監督と言うことですが、加瀬亮と彼女の掛け合いとか伊藤歩とその彼氏(妻夫木聡)の話を見ているとごく普通に日本のマイナー映画みたいな印象でした。公式サイトのプロダクションノートを信じるならば、ミシェルゴンドリーは編集であって、実際の演出は出演者たちのアドリブで持っているようなのでそんな印象を受けたのかもしれません。

「メルド」
緑色のスーツ?を着た奇妙な言葉を喋る怪人メルドが、突如都心に現れ人のタバコを取ったり手榴弾をばら撒いたりするというお話。緑の怪人はぶっ飛んでましたがストーリー自体はそれほど奇抜ではなく、メルドを崇める人が出てきたりメルドグッズが売れたりする展開は、昔深夜番組で見たような印象でした。そう言えばメルド君の話す(ポポスってよく言う)言葉と前歯やほっぺたを叩く仕草って、どっかで見たことあるんですよね。どうしても思い出せないんですが、元になった作品でもあるんでしょうか…。
それともう一つ気になったのは、メルド君が捕まってしまうシーンで思いっきりお○ん○ん出てました。これって日本の映画館で上映して良い内容なんでしょうか?。海外の映画をWebで観たりすることはあるのであんまり違和感はないんですが、さすがにおち○ち○丸出しは初めてでした。DVD化が心配です。

「シェイキング東京」
これは最も不条理なお話でした。いわばセカイ系みたいな感じでした。
10年間引きこもりを続けた男(香川照之)の前に、電源ボタンのついたピザ配達の女の子(青井優)が現れます。この女の子が引きこもりになったということを聞き、男は彼女に会いに行くため10年ぶりに外出を試みます。と、実は日本は引きこもりだらけになっており、謎の地震は頻発するわピザの宅配もロボットがするようになっていたりとかするわけです。設定だけみると短編SFみたいな感じですが、蒼井優の存在が主で世界設定に関しての回答が全くでないところがもう完璧にセカイ系です。韓国の監督さんのようですが、日本の漫画文化の影響受けまくりな感じでしたね。

いずれも敢えて映画館に観に行かなくてはならないような作品ではありませんでしたが、自分的には結構楽しめました。たまにはこういう脱力な映画を観るのも面白いもんです。