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1Q84〜book1とbook2を読了しました

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話題の村上春樹最新作1Q84ですが、なぜか発売日数日前にして買うことができました。出版社の煽りっぽい増刷報道を尻目に淡々と読み進めたところ、やっと先日読み終えたので感想を書いてみたいと思います。
ちなみに事前に内容告知を全くしないというのが著者の方針のようなので、Webのレビューなんかは全く見ずに読んでます。都合ネタバレしますんで読みたくない方はこの下は見ないようにお願いします。

物語は天吾という青年と青豆という女性(ともに30歳くらい)が、過去を書き換えられた世界…1Q84を舞台に展開します。天吾の方はふかえりという女子高生の書いた「空気さなぎ」を小説化して世の中に出し、また青豆は女性に暴力を振るう男性を非合法に抹殺する、その過程で「さきがけ」という宗教団体と関わり、そしてお互いに関わっていくというお話です。

各章は青豆と天吾の物語が交互に記されており、book1までは二人は全くと言って良いほど交わりません…というか同じ世界にいるかどうかも疑わしい感じです。物語は非常にゆっくり進み人物描写がとても丁寧なので、大事なことを見落とさないようにじっくり読んでみました。この巻では登場人物達は誰一人として損なわれず、天吾はふかえりと出会う事で自分の中にわずかな変化が訪れ、青豆は婦人警官のあゆみと出会い人生で2人目の親友になれそうな予感を感じます。物語の核心への兆しは最後にちょっとしかないので、book2で広げたお話を回収しきれるのか心配になります。
ところがbook2に入ると、様々な人が損なわれはじめます。それに伴い物語はダイナミックに展開しはじめ、天吾は自分の生い立ちと父親とに正面から向き合い、青豆はさきがけのリーダーとのやりとりからパラダイムシフトに至ります。そしてお互いの存在を強く意識しますが、せつない終局を迎えます。この展開のためにbook1はあったのね、というくらい物語に疾走感がありました。そのせいかbook1に1週間近くかけたのにbook2は2日間で読み終えてしまいました。

感想として、実に村上春樹的なモチーフと展開があり面白かったです。過去の作品を超える強烈な衝撃はありませんでしたが、book1で登場人物の生い立ちと内面を細かく書いているので、book2で起こる大きな変化にしっかり感情移入できました。特に天吾は生い立ちや価値観に感情移入するところもあり、他人事ではない気持ちになりました。最初は世界との対立みたいな話かと思っていましたが、意外に恋愛小説だったというのも面白かったです。
ただ終局を迎えるにあたって謎が残りすぎですし、青豆の最後はアレで良いのか?と思うところもあり、book2は煮詰めが足りない感じが残りました。なのでbook2はまた読み返す必要がありそうですが、実はbook3が出てもう少しすっきりした終局があるんじゃいないかなぁ〜と予想をしています。