No.142の記事

他人を見下す若者たち

他人を見下す若者たち表紙
講談社新書の装丁が変わってしまってからあまり購読していなかったんですが、先日本屋で表紙を見かけて買ってしまったのが「他人を見下す若者たち」です。「THE3名様」というかなり微妙なテイストの漫画(でもわりと好き)が帯に書いてあり、「自分以外はバカ」の時代!という煽り文句にすっかりやられてしまいました。

ここから先は内容を書いてしまいますんで、まだ読んでいない人は読んでから見た方が良いと思います。
結論から言うと「仮想的有能感」、平たく言えば根拠の無い自己肯定が蔓延しているという話でした。その理由は劣等感に対する極端な恐怖からくる防御反応で、劣等感を感じたくないから仮想的有能感に浸り、やる気が低下したりしているみたいだとの事。切り口としては非常に面白く、なんとなく感じていたけど明文化できなかった違和感をうまく表現していました。感情が減少しているとかの下りは自分にも心当たりがあったので、そういう自覚を持つことは大切かもしれないとさえ思いました。今の若者(自分はそろそろ外れていますが)を含め、世間の変容を説明するにはすごく便利な考えだと思います。
ただ、その理論の実証に関してはかなり弱く、ともすると若干強引な印象もありました。本文中にも実証が困難であるということは書かれており、よく見ると本文中の語尾の多くが「だと思われる」や「かもしれない」という表現になっていました。なのであくまで一つの切り口として捉えた方が良いのかもしれません。

売れているだけあって考え方はとても面白かったです。今後この世の中で生きていくためには、こういう心理傾向が存在するかもしれないという認識は持っておいたほうが良いですね。