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虹の女神

虹の女神パッケージ
世間が邦画ブームのせいか自分も良く邦画を観る事が多いです。特にここ数年はイマイチなのも含めて作品が沢山出ているので、いくら観てもまだ観たい作品があるという状態で、ちょっと楽しいです。観た邦画の中で特に面白かった作品「虹の女神」(公式サイト)の感想を書いてみたいと思います。

お話は、市原隼人演じる岸田智也が、上野樹里演じる佐藤あおいが亡くなった事を知り葬儀に参加するところで始まります。途中から二人の大学生時代にお話が飛び、共通の友人を岸田智也がストーカーして二人が出会います。その後は二人の不器用な淡い恋愛を、もどかしくて切ない感じで追っていきます。
観てて良いなと思ったのは、上野樹里の演技です。最近はすっかりのだめカンタービレの天然な演技のイメージですが、この作品では真逆の等身大でリアルな演技をしています。観る人によって違うのかもしれませんが、すごく自然で本気な感じが心にグサっときました。また市原隼人の不器用な感じも、観ていてイライラするところもありますが、20代の自分も同じように不器用だった事を想像して、途中から感情移入してしまいました。上野樹里がいなくなってから、市原隼人が相田翔子演じる年齢詐称の女性と同棲するくだりがあるんですが、若干不自然に感じるこのエピソードでさえ心にぐっときてしまいました。感情移入とは恐ろしいもんです。
あと全体的に淡々とお話が進んでいくんですが、見直してみると意外に音楽が入っていて、それが逆に独特の雰囲気を出している印象でした(特に劇中劇のTHE END OF THE WORLDは良いです)。この空気感は非常に岩井俊二的でしたね。

恋愛話としては展開がストレートで陳腐すぎるところもありますが、自分的にはそれが良かったです。逆に市原隼人がストーカーとか、佐藤あおいの妹で蒼井優演じる佐藤かながが全盲とか、あとは前述の相田翔子の出るエピソードとか、それなりに独特な設定はあるんですが、特別面白みを感じることはできませんでした。なので、お話そのものに感情移入する人にとっては良い作品なんじゃないかなと思いました。自分的には大満足でしたね。

あと蛇足ですが、タイトルは「虹の女神」より「水平な虹」の方が岩井俊二的な気がしました。