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ナンバー2が会社をダメにする

ナンバー2が会社をダメにする
講談社新書が昔から好きでよく読んでいますが、最近ちょっと面白いなと思っているのがPHP新書です。自分以内の位置づけとしては、岩波新書が人文系で重めな内容が多くちょっと苦手で、講談社新書は比較的心理や医療系が多く、PHP新書が若干経済よりの印象です(あくまで私見)。
そのPHP新書で面白そうなものがあったので、幾つか読んでみました。最近読んだのが「ナンバー2が会社をダメにする」っていう本です。タイトルに反してナンバー2が何をすべきかというよりは、会社をダメにするのは「権威主義」と「属人志向」なので、社内をまとめる立場にあるナンバー2の人はそれに注意しなさい!という内容でした。

構成は全8章で第1章の「組織不祥事は意識決定プロセス(会議など)の障害による」という問題提起から始まります。以後第3章からは組織風土の中に権威主義と属人思考が芽生えると意思決定プロセスに障害が発生する、という事を実例を挙げて解説しています。属人思考や権威主義の徴候の実例を挙げているので、翌日からでも使える実用性が良いです。また読み進めて行くと権威主義と属人思考は表裏一体の概念のようで、総じて「検証をサボり実態のない何かに盲従する事」を表しているようです。
最後の6〜7章はナンバー2としてどうすべきかという事が書いてあり、タイトル的にはこれが最も大事なところのはずですが、残念ながらまとまりが弱く前半部に比べると主張が弱い感じでした。

で自分の周囲でこういう視点が役立ちそうなところを考えると、自分以内では権威主義は大丈夫そうかな…まだ若輩のくせに「何とかの権威」なんて聞くとつい疑ってしまうタイプなもんで。それよりむしろ教授を頂点とした医局組織や私立の病院の意思決定システムが、属人的に物事が進みやすそうな気がします。当然その中に身をおいている僕自身の意思決定にも、属人的要素が入り込んでいるんでしょうね。ただ確たる根拠なんてのは存在しないことの多い医療の現場では、判断がやや属人的にならざるを得ない部分もあるとは思います。だからこそ可能な限りそこに陥らない努力が必要なんでしょうね。

仮説として高いレベルまで昇華されてはいませんが、問題点を絞って事例を示しながらしつこいくらいに解説しているので、わりと臨場感を持って頭に入って来る気がしました。そういう意味で実用性の高い文書でしたね。ナンバー2でなくとも人に指示を出す立場にあれば役立つ事請け合いと思いました。久々に興味深い本でした。