No.446の記事

ウォッチメン(映画)は随分大人向けですな。

ウォッチメン
アメコミ原作の映画も結構好きでちょこちょこ観てましたが、アクションものって感想を書くのが難しい気がして割烹よしをではほとんど取り上げてきませんでした。ところが先日観た映画「ウォッチメン」(公式サイト)は従来のダークヒーローものをしのぐ暗さとドラマがあり、自分的にはすごく面白かったので感想でも書いてみようと思います。

そもそもウォッチメンは1980年代のコミックが原作で、その頃のアメリカが舞台です。ただ米ソ冷戦の緊張は史実よりかなり高く、核戦争一歩手前のパラレルワールドになってます。この世界ではマスクをつけたヒーローが超法規的に悪者を退治していたんですが、覆面自警団禁止法が施行された後、一部を除いて各ヒーローたちは引退生活を送っています。そんな最中、ヒーローの1人コメディアンが何者かに殺されるところからお話が始まります。
このコメディアンの死の真相を追っていく過程で各ヒーローたちが邂逅するわけですが、これが全然明るくない。そもそも初代ヒーローはだいぶ前に引退している人が多いんですが、不名誉な死を遂げていたり病気になっていたりしてます。そのヒーロー間にはさらにいさかいやレイプ未遂(!)まであったりして、そのわだかまりをそれぞれが抱えつつ、真相の究明に当たるというとっても暗い話でした。もちろんある程度の相互理解もあったりしますが、最終局面は決してハッピーエンドではない展開を見せるだけに、観終わるとえらく凹んでしまいました。

演出面では、彩度を抑えた絵と独特のストップモーションを使ったカメラワークが、まさに映画300(スリーハンドレッド)で、こういうのがツボな自分にはすごく良かったです。ただ300もそうでしたが結構血が出て痛そうな表現が多いので、そういうのが苦手な人にはきついと思います。
あと気になったのは尺の長さです。さすがに全編2時間40分ってのは辛いです。前半は結構テンポが良かったんですが、Drマンハッタンからシルク・スペクター二世の心が離れていく下りでちょっと中だるみした気がしました。ま、最終局面にお話が進み始めるとまたグイグイと引き込まれていくんで、後味は悪くなかったですけどね。

そんなわけでダークヒーローものに分類される映画ではありますが、子供に観て欲しい感じの内容ではありませんでした。もう取り返しのつかないドロドロした過去を抱えながら、それに折り合いをつけながら現実的な選択をしなければならない大人が観るべき映画でしたね。そういう所が琴線に触れる人なら絶対面白いと思いますよ。