☆ 買い物を手伝ってくれたおじさんたちの話 ☆


☆ 一番!!のお料理は通りすがりの人に聞けっ!? ☆(2004年 8月29日 著)

 あれは、たしか、今から4年ぐらい前のこと。まだ実家に居て、4人分のご飯を作らなければならなかった頃のことです。 誰もやってくれないから、しょーがないので、あたしが買い物にも行くのであります。
 4人分の食材を買い、家に帰って食事を作るというのは、当時、どんどん、視力と視野が悪くなってきて、 商品の表示を見るのも困難になってきていた、あたしにとっては、不便になってきた目のストレスと、 思い荷物が、精神的にも肉体的にも重労働でした。(ホント今は一人分で、 なあーんて楽なのかしらんっ♪)
 「今日も何つくるかなー?」と、思案しながら、向かったダイエーの前、声をかけてくれた男の人がいました。 聞くと、ガイドヘルプとかのボランティアをしているとのこと。あたしは、あんまり、ボランティアさんに接したことは ないのですが、偶然にも共通の知り合いが居るとの話を聞いて、手伝ってもらうことにしました。
 「何にしようか思いつかないので、買うもの決め手ないんですよー」と、あたしが言うと、「あ、この豚ロースでね、 できるお料理、教えてあげますよ。」と、おじさん。「まず、豚ロースの筋を包丁で取って、塩コショウをふっておくんです。 そして、玉ねぎをみじん切りしておきます。フライパンでたまねぎをバターで炒め、そこに、 すりおろしたりんごを入れ、少しやきめのついたロースを入れ、水をヒタヒタぐらい入れて、ブイヨン2個、 入れて、30分ぐらい煮たら、できあがり。簡単でしょ?」
 細かい作り方は今では、うろ覚えなのですが、当時、何度も作ったそのお料理は、家族に評判もよく、 盲導犬つれた友達(アメリカ行く前に)の家に泊めてもらった時に披露したら、喜んでた一品でした。
 ここ何年かは、作っていなくて、すっかり忘れていたけれど、今日、ご飯作ってて、思い出しました。 そんな出来事もあったなあー、って。あのおじさんには、あのあと、偶然に、も一度だけ会ったっけ。 「どうでした?あの料理、作りましたか?」と聞いてくれたおじさんに、とっても感謝なあたしでしたっ。
 久々に作ってみようかなあ、あの料理。料理の名前は、わかんないのですが、料理の本とか見ながら、 作るのが面倒くさいあたしにとっては、きっと、今でも「一番の、上等そうな料理」なんですっ♪

☆ 初対面の人と、お買い物っ♪(2004年 8月30日 著)

 今では、「初対面の人と・・・」ってのが、得意になっている森島ですが、白杖持ち始めた頃は、 それほど、大胆ではなかったんですよ。いろんな親切な感じの良い人との出会いを繰り返し、現在のような、 あたしに育ってしまったわけで・・(笑)
 さて、今から、7年ぐらい前だったでしょうか?まだ、白杖を持ち始めて、まもない頃、その出来事は起こったのでありますっ。 いつものように、電車を降りて、改札愚痴に向かうと、途中で声を掛けてくれたおじさんが居ました。 「改札口まで一緒に行きましょうか?」と声を掛けてくれたおじさんに、まだ不慣れなあたしは、 「ありがとうございます。」と、おじさんの腕をもたせてもらいました。
 改札口を出た所で「どっちに行くん?」と言うおじさんに、「ダイエーの方へ。」と、答えるあたし。 「じゃあ、前まで行ったるわ。」と、おじさん。「え、でも、同じ方向なんですか?」と、あたしが尋ねると、 「あと、家に帰るだけやから、いいよー」と、おじさんが明るく答える。じゃあ、お言葉に甘えて、と、目的地へ。
 ダイエーの前に着くと、おじさんは、また尋ねる。「で、何買うの?」「えと、晩御飯の買い物を4人分・・。」と、 あたしが反射的に答える。「あ、じゃあ、買い物、付き合ったげるわ。」と、おじさん。 「え、でも、ご迷惑じゃ・・・」と、あたしが、少しとまどうと、「ええねん、ええねん。おじさん、こう見えても、 家では、ご飯作ってんねん。奥さん、死んで、娘おるんやけど、全然、やらへんからなあ。」と、明るく言う。 あたしは、少し遠慮がち。その様子を感じてか、おじさんは言う。「それにな、こうやって、 買い物、一緒にするの、楽しいやんか?」と、少しも苦にならない様子。むしろ、楽しいことが始まるような わくわく感が伝わってくる。んじゃ、買い物、手伝ってもらおうっ♪
 かごを持ってくれているおじさんと一緒に、食材売り場を歩く。「あ、あのな、この豆、こんにゃくとか、 人参とかと炊くと美味しいでっ。おじさん、作る時は、なべいっぱいに作るんや。」と教えてくれる。 おじさんってば、ほんとに、家事をしてるんだね?初対面の人なのに、何だか買い物が楽しくて、ついつい買いすぎてしまったっ♪
 少し重くなりすぎた買い物袋を持ち、「どっちの方向に帰るん?」と、聞いてくれるおじさんに、あたしが 家の方向を指差すと、「あ、おじさんと一緒や。じゃあ、途中まで荷物持ったるわ。」って言ってくれた。
 おじさんの家は、あたしん家よりも、も少し遠かったらしく、ホント、家の前近くまで、荷物を持って くれた。そして、別れ際に、「あのな、これ、おじさんの名刺や。もし、困ったことが、あったら、 すぐに電話し!おじさん、すぐ飛んで来るからなっ。」って、名刺をくれた。
 あれから、7年ぐらいが過ぎたけど、「困ったこと」は、起きていないので、 残念ながら、おじさんに電話する機会は、なかったのです。今のあたしなら、電話して、「一緒にお茶飲みましょうっ。」って言いそうなんだけどねっ。 あのおじさん、元気にしてるかなー?
 そんなこんなで、あたしは、現在に至ってます。今では、初対面の通りすがりの人に買い物を手伝って もらうなんて、朝飯前っ。どうせなら、楽しく一緒に買い物しちゃおうねっ♪そんな精神は、もしかして、 あのおじさんに教えてもらったのかもしれないねっ。これから、出会う人とも、楽しくできるようにっ☆

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