2001年5月某日★19歳のメル友☆


 ここ何年かで随分、出会う人の年齢層が広がってきました。 それは、白杖が呼んでくれる出逢いなのでしょうか?すぐに住所交換をしたがるのは、子供の頃からのクセでしたが、 友達には「ナンパ師サッちゃん」とか「1000人斬りを目指してくださいっ」とか言われてしまってます。

さて、今回のお話する出逢いはこんな感じでした。
市役所に行く途中に出会ったのが彼女でした。 (余談ですが、先週は市役所で出会った初対面の人の車に乗っちゃったんでしたっ!?親切な女の人が駅まで送ってくれたのです、その時はね。)
 声をかけてくれたその子は「見たトコ、コギャルなんですが、これでも福祉なんです」とか 言ったので、初めは市役所の人かと思っていたら、保母の試験申込書を取りに行く途中の19歳の女の子でした。 「今日は授業サボって書類取りに来たんだ」って。 「やっぱり、夢にむかわなきゃいけないんですけど、何かだるくなってきちゃうので 早くしなきゃ、って授業サボって取りにきたの。ほんとは電話でおくってもらえば簡単なんだけどね」 そんな話をしながら、あたしの用件にまで付いて行ってくれました。 そして、駅までの帰り道、初対面なのに恋の悩み相談まで聞きましたぁ。 何だか面白そうな子なので、「もし時間あったら一緒にお茶飲もうか?」とせっかく出会ったので、 喫茶店でお茶を飲みました。
「今まで白杖の人に何度か声かけたんやけどな、いつも断られるねん。あんたが初めてや、アリガトウって 言ってくれたん」と平然と言うその子をすごいと、あたしは思いました。 普通、何度か断られたら、声をかけてはいけないのかと思ったり、臆病になって2度と声をかけなくなりそうなのに、 その子は果敢にも何度も声をかけてきたんだ、って。そして、その声に初めて答えたのがあたしだったんだ。 「うちもな、もう年やから、そろそろボランティアしな、あかんなぁー、とか思うんやけどネ」と言う彼女の言葉に あたしは吹き出しそうになりました。「同じ学校の子がボランティアしてるんやけど、その子いつも 気にするねん。(ボランティアしてあげてるねん)とか(あの人は自分の事をどう思ってるんやろ?)とかって。それって違うんちゃうかなぁー?」 うんうん、なかなか鋭いなぁー、とあたしはお茶を飲みながら彼女の話を聞いていました。 「学校の先生はな、(障害持ってる人に対して普通にしなさい)とか言うんやけどさ、それは初めての時は無理やと思うねん。 慣れてないもん。でもね・・例えば、私が声をかけたアンタが、もし性格悪かったとしたら、私はあんたを置いていってしまうと 思うんや。だけど、(自分の事どう思ってるんやろ?)とか思ってボランティアしてる子は、どんなにむかついても我慢して最後まで 付き合うんやろなぁー。それって『普通』に付き合ってるんやろか?」
・・・この子って、結構しっかりしたこの子なりの考えを持ってるなぁー、とか思いました。 言葉は多少、乱暴だけど、その子なりにいろいろ考えているんだなぁー、そんな風に思えました。 「最近の若い子は」とか言われるけど、案外、大人よりも鋭くて、しっかり考えている子も居るのかもしれないな、そんなことを考えさせられました。
 別れ際に「うちな、茶髪でアニマルプリントのタンクトップ来てて透け透けの半そでのブラウス着てて あげぞこのサンダルはいてんねんで」と教えてくれたその子は、やっぱりいまどきの子って感じの格好でした。 「今日は会えて良かったよぉ。授業さぼってし役所に来て良かった」と言われてしまいました。
 それからメールのやりとりを何件かして・・・でも、少しでも返事が遅れると、もう返事が返ってこない。 ああ、携帯メールって、すぐさま反応がないと飽きてしまうようです。 しばらく経ってから「ごめーん!ずいぶんほっときっぱなしにして。」とメールが来たのは一週間後でした。 出会って一週間ぐらいなのに、彼女にとっては音信不通にしてしまった、随分長い会いだのご無沙汰らしい・・・何だか 携帯メール世代の何かを垣間見た気がしました。
 彼女とは今でもお友達ですよ。以前ほど頻繁にメールはしなくなったとは言え、時々、電話をくれます。 そう、あたしには19歳の・・・あ、もう20歳になってるのですが、メル友が居るのですっ☆


(2002年 2月22日著)
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