一覧へ戻る ちよだ No.1 昭和54年10月1日(1979)発行
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会報(ちよだ)の発行を祝して 多摩川クラブ代表 阿部 登
千代田走友会が此度会報(ちよだ)を発刊されるに当たり、編集部の池畑氏より、不肖小生にも挨拶とのこと、誠に光栄に存じます。松の緑に囲まれた健康マラソンのメッカ皇居周辺をホームコースとする千代田走友会と、ガス橋周辺の多摩川堤を健康マラソンの場とする多摩川クラブとは、幾多の走友同好会の中でも、もっとも親睦を深めているクラブです。多摩川クラブ主催の元日マラソンには会長桜井氏を陣頭に大先輩の柏木良之助氏、和田茂氏、中原誠策氏等、その他多数の千代田走友会の皆様例年ご支援を頂き、常日頃感謝申し上げています。20年に余る千代田走友会と多摩川クラブとの友好関係、その過ぎし跡を回顧するとき、数多くの楽しいことや、苦労したことが、走馬灯のように浮かんできます。千代田走友会が健康マラソンの同好会として、都内は無論、全国でもトップ的存在として活躍しておられることは、会長を初めとして、会員一同の並々ならぬご努力、ご精進の賜と深く感謝を敬意を表します。
 千代田走友会の益々のご活躍、ご発展あらんことを祈り、祝詞と致します。
昭和54年7月27日

(ちよだ)創刊に寄せて ランナーズ編集長 下条 由紀子
 (ちよだ)の創刊おめでとうございます。走友会の老舗であり、全国走友会の憧れの的である皇居一周をホームコースにしている千代田走友会に会報がなかったのはちょっと寂しい気もしていたところでした。ランニングのように細く長く続けてゆかれることを祈ります。
 私事になりますが、私もかつては千代田走友会に所属していました。入会は6年ぐらい前になりましょうか。真面目な会員の皆さんは素朴で暖かさ、やさしさに溢れて、とても雰囲気のよい、そして居心地のよい、いつ行っても楽しいクラブでした。
 またランナーズ誌創刊から今日に至るまで、会の皆様から様々な形でアドバイスやご支援を受けています。心からお礼を申し上げます。今後とも、今の雰囲気を失わない、誰にも親しめる千代田走友会として、末長く発展されることをお祈りいたします。

一つのお願い 北川 実雄
 肥満の為走り初めてから早10年、苦しいながらも楽しい日々でした。最初の頃は10名程でしたが、最近は100名近い人々が日曜、祭日毎に参加し、非常に結構な事だと思います。これからは走ることを通して皆様方と益々親善をはかり、楽しく長く続けて行きたいと思います。つきましては皆様に一つのお願いがあります。それは私たちや、私たちの家族が病気や怪我をのため、輸血を緊急に必要とするとき、会員同士の助け合いの精神から、血液を提供し合おうではありませんか。その為には会員各自の血液型を会に登録しておけば機を逃せず、急に応じられるでしょう。
 会員の皆様、どうぞ私の願いにご賛同の上、血液型を登録してください。終わりに皆様方が今後益々走ることによっての御健康を祈り、終わらせて頂きます。

地名の由来と略史(1) 池畑 泉
1.千代田区。昭和7年従来の東京府が東京都と改められ、都市部の15区に周辺の新都市部に20区を新設して35区になっていたが、同22年区の統合によって区の数は23区に縮小された。そのとき麹町区と神田区が一つになって千代田区は生まれた。
 他の区名、例えば港、中央、新宿など、普通名詞としてそれぞれ意味を持っているが、千代田という普通名詞はどんなに委しい国語辞典を探しても見あたらない。しかし、固有名詞として古く、今の国電神田駅附近に中世の頃千代田という村があったという伝説に基づき、明治2年から昭和10年まで、千代田を町名とした町があった。天正18年徳川氏が江戸に本拠を置き、石垣一つなかった城の大改増築を行い、大江戸城とするに及んで、別名を千代田城と称した。伝説の村の名に千代にかけて揺るぎない城という意味をからませたのではないだろうか。(天正18年は1590年)
2.平川門、平川濠 徳川家康の江戸入府当時、江戸の中心地を北西から南東に流れ、当時は海であったといい、下流は急に川幅が広くなり、間もなく三つに分かれて海に注いでおり、川辺に平川という村もあった。分流した川の二つは平川濠、白鳥濠、天神濠、大手濠、桔梗濠、馬場先濠などに作り変えられた。
 平川門は旧二の丸の北方大手濠に架けられた平川橋の内側にあって、平川御門、内郭門(うちぐるわもん)、平川口、また城中の死人や罪人を外に出す門であったので不浄門、奥女中出入りの門でお局門とも呼んでいた。三代将軍家光の乳母春日の局が、門限におくれて帰城し、己の権威を以て即刻の開門をせまることなく、正規の手続きをふんで門があくまで、夜の寒風に身をさらしていたという美談を生んだ門である。
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