富士五湖100キロ完走記
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2006/4/23
富士五湖100キロ完走記  千代田走友会 山岸一昭

第16回チャレンジ富士五湖100kmの部
平成18年4月23日(日)午前5時スタート

*レース前日(4月22日)
午前9時清麻呂集合、見送りに板倉、森岡、飯塚、宮川、小林、森さんたち来てくれる。
大谷さんの車で応援の粕谷愛ちゃんと選手の榊、山岸計4名で出発。
山中湖の「風坊」で昼食、片山夫妻が合流、宿舎の「ラフォーレ山中湖」に行く途中で石津君発見、チェックイン後、富士急ハイランドのコニファーフォレストで受付しゼッケン受け取る、いよいよ明日は100km走るという実感がわいてきました。
 
 サブテンランナーの江畠さん、77kmに出場する飯塚直美さんとも会えました。
 夜久さんは「ラブリーロード」のサイン会と営業に精を出していました。
 山中湖のイタリアンで夕食、パスタローディング&ワインパーティー、片山さんの「キャンティーよりスキャンティーがいい」というギャグが何故か女性陣にうけていました。
宿に帰ってカラオケ大会、私は「バイブレーション」「青春アミーゴ」「私鉄沿線」「心の旅」
 愛ちゃんが一青蓉の「ハナミズキ」渡辺美里、中島美嘉?など、榊さんが「あなた」「あの素晴らしい愛をもう一度」・・・、範子さんが「花」・・・、片山さんが「乾杯」他
大谷さんが山口百恵の「さようならの向こう側」他、石津君はミスチルやら・・・
終わって9時半、お風呂に入ってレースの準備をして、男部屋は11時就寝、女性部屋は12時過ぎまで起きていたようです。
 

*レース当日(4月23日)
午前3時起床、片山さんの車で7人(選手2名、応援5名)が出発。
会場には4時15分くらいに着きました。
100kmの出場者が約500名、77km、117kmと合わせると1100名以上の選手が参加するわけです。
  予報は雨でしたが、まだ降り出す様子はありませんでした。
寒さと雨対策は、大谷さんからポケットレインコートや手袋カバーをもらって万全です。
昼間は暑いかなと思いましたが、下はタイツ、上は長袖TシャツにTシャツを重ね着してその上からヤッケをはおってスタートしました。ヤッケは途中から腰に巻いて、着たり脱いだりで調節しました。

・スタート〜10km ラップおよび通算タイム1時間1分16秒
 ゆっくりとスタート、下りが続きこれが帰りは上りか思うと憂鬱。荒川でひざを痛めていたため下りがこわくて、下りが得意の榊さんの後ろからなるべく抑えていく作戦。
忍野八海あたりからキロ6分ペースになり、榊さんとは少しずつ離れはじめた。
 

・10km〜20km ラップ1時間1分40秒、通算2時間2分57秒
 早朝の山中湖畔を快調に走る。12km付近でトイレ休憩。

・20km〜30km ラップ59分25秒、通算3時間2分22秒
 25kmを過ぎ山中湖に別れを告げ、再び忍野の樹海を走る。ファナックの黄色い建物が良く目立つ。このレース中ラップタイムが一番よかった。

・30km〜40km ラップ1時間10分11秒、通算4時間12分33秒
 30kmエイドで胃薬服用、探すのに手間取り7〜8分タイムロス。スタート前にすぐ飲めるように準備しておくべきでした、反省。忍野で20代の頃何度かきた、テニス民宿の「忍荘(しのぶそう)」の前を通る。ずいぶん立派な建物に変わっていました。
・40km〜50km ラップ1時間4分45秒、通算5時間17分19秒
 河口湖大橋の手前で千代田応援団と合流。森岡、梅澤の両お姉さまと5kmくらい
併走する。(緊張!)元気なところをみせようとちょっと頑張りすぎたかも。
3年前に大雪のため中止となったレースの最終地点、47kmは問題なく通過。5時間ちょうどくらいでした。
 

・50km〜60km ラップ1時間30分38秒、通算6時間47分57秒
 50kmはほぼ予定通り(30kmまで6分ペース、60kmまで7分ペース、90kmまで8分ペース、最後の10kmは10分ペース、プラス休憩30分でトータル12時間40分で走れればいいと思いましたが、予定通りは50kmまででした。)
まず50km過ぎの急坂でペースが狂い出し、おなかがすいてめまいがしてきました。
西湖のほとりで片山夫妻の応援があり、何とか声援には答えたものの顔はこわばってきました。野鳥の森公園のうどんまで何とかがんばろうと必死でしたが、あと1kmの坂で初めて歩いてしまいました。
 

・60km〜70km ラップ1時間18分33秒、通算8時間6分30秒
 うどんを2杯は食べたかったのですが行列で5分待ちのため、1杯であとはバナナで我慢しました。精進湖へは下りで勢いがついて、空腹も満たされたせいか、快調な走りとなり精進湖周回はゴボウぬき状態でしたが、好事魔多しで、本栖湖折り返しの手前で心配だった右ひざに衝撃が走りました。何とか本栖湖の折り返しエイド(69km地点)にたどり着き、後藤さんが「みつ豆がおいしい」と言っていたので係りの人に聞いてみましたが、今年からなくなったようで代わりは冷凍のかまぼこでした。
 

・70km〜80km ラップ1時間31分56秒、通算9時間38分26秒
 石津君がひざの状態を心配してくれましたが、ここまで来てやめるわけにもいかず、あとは行けるところまで行こうとびっこをひきながら走り出しました。70km手前で快調に走ってくる榊さんとすれちがいました。石津情報では「榊さんはかなりペースが落ちて夜久さんと併走している」ということだったのでびっくりし、夜久さんはその後ろ1kmくらい後方だったので、夜久さんをちぎってきたのかとまたびっくりしました。差が2kmもないということは15分くらいしか違わない、自分はキロ9分から10分のペースに落ちているので、80kmから85kmあたりで追いつかれてしまうと計算しました。 そして抜かれる時にはどういう顔して話せばいいのかとそんなことばかり考えながら、延々と続く精進湖から西湖への上りを歯を食いしばってトロトロと上がっていきました。
野鳥の森での2度目のうどんで少し元気を取り戻した気がします。

・80km〜90km ラップ1時間36分52秒、通算11時間15分19秒
 80kmエイドでマッサージをしてもらい、暖かいスープを飲み、また歩いているのか走っているのかわからないスピードで走り出しましたが、とうとう歩いている選手にも抜かれました。83km付近に行くと、温泉でリフレッシュした千代田応援隊が待っていて
「もう時間内完走は大丈夫」と太鼓判を押してくれましたが、内心は「リタイアしなければね」と皮肉を言いたいところでした。85kmを過ぎても、榊さんが追いついてこないので逆に心配になりました。その後石津情報で「疲れが出て大分ペースダウンしているが、時間内完走は大丈夫そう」と聞き安心しましたが、がんばれば先にゴールできるかもしれないと姑息なことを考え始めました。  
・90km〜100km ラップ1時間38分38秒、通算12時間53分58秒
 残り10kmで残り時間が2時間45分、計算上はまったく問題のない距離と時間ですが、エイドで座り込んで休むことが多くなり、キロ何分という計算はまったく成り立たなくなってきました。スタート前は全部歩いてもキロ12分で歩けば2時間、なんて考えていましたが、エイドで動かなければ時間は容赦なく過ぎていきます。
河口湖の町中に入り、最後の上り坂が始まりました。でも箱根合宿の成果で「こんな坂は箱根に比べればたいしたことない。」と思うと少し力がわいてきました。最後はどんなに遅くなっても走り続けてゴールしたいという気持ちで登り続けました。
ラスト5kmでまた応援団が来てくれました。私には石津君と愛ちゃん、榊さんには大谷さんと板倉さんがつくことに決まったようです。石津君は先回りしながら路面の情報や走りやすいルートを教えてくれ、愛ちゃんはゴールまでずっと併走してくれました。こんなことでもなければ、愛ちゃんと5kmもレースで、しかも二人だけで併走するなんてあり得ないでしょう。愛ちゃんフリークの皆さんごめんなさい。  
  ゴールの競技場に入ると、やっとこれで終わるという開放感と100km走りきれたという達成感で涙腺が少し緩みました。ゴールごとに1人1人名前が呼ばれるという演出もうれしかったです。

・走り終えて
 あんまり出たいとは思わないけど、みんなウルトラ完走しているし、3年前の47kmでは認めてもらえないので、しぶしぶと言うか、いやいやと言うかとにかく前向きでなかったことは間違いないです。フルマラソンでいいタイムを出したいという自分にはプラスになることはないと決め付けていました。
フルでさえ途中で歩くことがあるのだから100kmではどのくらい歩くことになるのだろうか?と最初は歩いてもゴールするためには最低何キロ走ればいいのか、という計算ばかりしていました。私の走力では20キロ〜30キロも歩いていたら到底、制限時間には間に合いません。
せいぜい10kmくらいしか歩けないとわかると休みながらにせよ90kmも走れるのだろうかと、だんだん不安になってきました。でも実際は2〜3kmしか歩くことはなかったし、本当に遅かったけど95km以上も走れたことはすごい自信になりました。
 
・共に戦った仲間たちへ
江畠さん、「すごい」の一言です。サブテンのすごさがすでに30kmで実感できましたが、100km終わって信じられないという驚きに変わりました。先日来た結果では60歳代の堂々1位でした。おめでとうございます。
飯塚直美さん、100kmなら多分あっさりと負かされていたと思います。77kmにエントリーしてくれてありがとう。来年は今年のように100kmを楽しんで走ってくださいね。
夜久さん、ひょっとしたら勝てるかも、なんて期待させてくれたのは94kmまででした。
「みんな名前を知っているから、ちんたら走れないんですよ。」とシャイな言葉を残して最後の上りをすいすいと行ってしまいました。やはりウルトラの神様でしたね。
榊洋子さん、本来は去年の富士五湖、奥武蔵、秋田での大谷さんの役を自分がしなくてはいけないのか、と驕った考えも少しはあったのです。でもスタートしてみると全くそんな余裕はなく、ただ負けたらリベンジのウルトラにまた出なくてはならない、それだけは避けたいと思いつつ、70km以降はいつ抜かれるのかという恐怖感と戦いながらのレースでした。もし次があるとすれば、楽に勝てると自信がついたときでしょう。昨年のリベンジを見事に果たしておめでとうございました。

・千代田応援隊の皆様へ
大谷さん、最初泊りがけで応援に来ると聞いたときは冗談かと思いましたが、往復とも車で運んでもらい本当に助かりました。雨具や胃薬までもらって安心してレースに臨むことができました。お世話になりっ放しで感謝の言葉もないくらいです。ありがとうございました。
片山さん、範子さん、レース当日は仕事もあったようでしたが、ぎりぎりまで応援していただきありがとうございました。大谷さんたちとは別働隊として、西湖でふらふらになっていた時、心強い声援をおくってもらいました。予約してくれたラフォーレ山中湖もきれいなホテルで快適でしたし、前日のカラオケも楽しかったです。
森岡さん、梅沢さん、レース当日板倉さんと伴にバスで応援にかけつけてくれました。河口湖大橋から45kmエイドまで5kmほど併走してもらいました。楽しくてレースのことを忘れそうでした、ありがとうございました。
板倉さん、当日バスで来て最後まで応援してもらいました。ありがとうございました。特に榊さんは心強かったと思います。何か顔をみるとホッとさせてくれる人です。
粕谷愛ちゃん、前日から泊まりこみで最後までご苦労様でした。特にゴール前5kmの併走はつらかったけど楽しかったです。また、ゴール後完走証や荷物を取りにいってくれたり、かいがいしくお世話していただき本当にありがとうございました。愛ちゃんのウルトラデビューの際はぜひお世話させてもらいます。
石津君、エンジェルという愛称はだてではなかった。行く先々でひょっこり顔を出すんですね、こっちが疲れてきて口をきくのも億劫になり、「ぼくはいいから、榊さんの方へ行って!」などと冷たい対応を何度かしてしまいましたが、本意ではないのでお許し下さい。
他のみんなが温泉に行っている間も、常に先回りしていろいろな情報を伝えてくれました。
心から感謝しています、ありがとうございました。

 応援が少ない富士五湖ではスタッフ以外から声をかけられることはほとんどありません。そんな中で8名もの仲間が応援してくれた走友会はまずないと思います。清麻呂で見送ってくれたり、心配していろいろアドバイスをいただいた皆さんも含め、実に多くの人たちの応援があって初めてウルトラの完走ができたのだと言う事を、肝に銘じておきたいと思います。
                             
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