磐梯高原ウルトラマラソン奮戦記
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2011/9/3
  若林 昌二 2011.9.6
磐梯高原ウルトラマラソン奮戦記

1000年に一度の大地震、その後の余震、更に原発の放射線漏れ、風評被害に苦しむ東北。
後から後から襲ってくる天災・人災。
そんな中、福島で頑張る佐藤綾子さんから
“福島に走りに来て下さったらどれだけ心強いか・・・”云々の書き込みを見たのは梅雨時だったように記憶しています。
震災直後ボランティアで気仙沼や陸前高田に行った時の思いが蘇りました。
あんな苦境の中でも心倒さず黙々と、そして諦めない東北人気質。純朴で我慢強い。
少しでも応援出来るならまた来ようと。

今回は大会参加という形で実現することが出来ました。
会津に知り合いが、いわきには大学の友人がいます。
かたや米作りを、かたや老人介護の仕事に携わり地元を離れず粘り強く今日も頑張っています。応援したい、そんな思いでこの大会に参加しました。

大会前はお天気が気になります。特に今回は台風の動向が。
直撃か!何とか逸れて欲しい。出来ればどこにも被害なく、どこかに吹き飛んで行ってくれ!
冷たい大粒の雨が
ぎりぎりまで開催の可否はわからず前日に現地入りしましたが雨が降ったり止んだり
晴れたかと思うと再び大粒の雨が、風も突風が吹きます・・・

それでも当日何とかスタートが切れました。台風は西日本を直撃、その影響で福島も目まぐるしく変 わる天候となりました。 スタートしてすぐ冷たい大粒の雨が・・・あぁ今日は一日雨中のランか!
覚悟はしていましたが、猪苗代湖畔までの5kmは田圃のあぜ道が続きます。
綺麗に洗濯したシューズが泥で汚れ、足底から泥水が沁みてきます。ちょっと憂鬱に。

ふと気がつくと眼前を鮮やかなピンクのTシャツを着た女性ランナーが走っています。背中に“がんばれ東松島・石巻”とプリントされていました。
自ら付けたゼッケンにも“がんばろう会津”と書かれています。
そうだ!これ位で落ち込んでどうする。
気持ちを切り替える事が出来ました。 やがて湖畔の野口英世記念館に、ここで8.5km位。まだまだ先は長く雨も降り続きます。
この辺りは湖の北岸。風が吹き付け湖畔は波打っています。
えっ!ここは海?
そうまるで海のように広い(聞けば日本で4番目の広さとか)ここを1周します。
今日は湖畔の白鳥船も寒そうです。15km辺りから湖畔と山中を交互に走ります。
更に20km過ぎからは登ったり下ったりの林道が続きます。
上りは体力温存で自己流競歩や大股で歩き、下りは小幅でテンポ良く走ります。
台風の影響で落石や折れた枝があちこちに散乱していました。こわっ!
足下、頭上は要注意です。自分の身は自分で守ろうと決意しました。
こんなコース状況でよく走れたなぁと妙に感心したものです。

途中渡部さんや片山さんご夫妻、上村さん、小林さん、もりもり等と合いましたが
皆この辺りはきつそうでした。勿論、自分もですが。

エイドはかなり充実しており、果物だけでも
すいか、オレンジ、レモン、メロン、バナナ等全て食べ放題
主食はしそが混ざったおにぎり、お稲荷さんにそうめんもありました。
喉が渇けば、水以外にもスポーツドリンクやコーラ
塩分補給の梅干しは紀州の南高梅か?と思うような大粒のものでした。
何よりも会津のおばちゃん達は皆、気さくで元気で明るく、疲れ切ったランナーの心を
癒し励ましてくれます。感謝。
極めつけは、かき氷!これは最高でした。

42kmを過ぎると100kmのトップ集団やフルマラソンの人達とすれ違います。
ゼッケンの色で種目がわかります。100kmランナーは結構元気です。
お互い健闘を称え、励まし合いながら声を交わせるこのコース設定は元気を貰い、一番きつい区間の割には快調に走ることが出来ました。
フルマラソンの岩松さん佐藤さん金綱さんとすれ違い、暫くして100km出場の池田さんとすれ違う頃はもう55kmの最終エイド(志田浜)近くです。
その時、スタート直後、後姿に励まされた例のピンクTシャツの女性ランナーに遭遇しました。正面に付けたゼッケンの色で彼女が100kmランナーと初めて知りました。
頑張ってるな!振り向き彼女の後ろ姿を拝み、また元気を貰いました。
本当に東北女性は根性あるなと感心・感服しました。 100kmの人はこの最終エイドから猪苗代湖畔を逆戻りして35km分余計に走らなくてはなりません。
65kmエントリーで良かったと心底から思いました。(池田さんゴメン!)
最終エイド(55km付近)を過ぎれば残り皇居2周分です。国道に磐梯山の案内を見つけました。雨雲がかかり稜線は見られません。それでも“よく戻ってきたなぁ!”と山が囁いてくれている気がします。
再び田圃のあぜ道を走ります。相変わらずぬかるんでいましたがもうゴールは目前です、もう足下は全く気になりません。
ゴールとなるホテルが眼前に見えてきました。残りの2kmは上りです。ここが最後の踏ん張りどころ、残りの100mはダッシュしてゴールゲートをくぐりました。先にゴールした植木さんが待ち受けて下さいました。
富士五湖は途中棄権、今回は何としてでも完走をと心に誓って臨みました。何とも言えない充実感。まさにウルトラならではですね。

来月再び四万十川ウルトラ(100km)に挑戦します。千代田から一人のエントリーだと思います。東京から応援して頂けると力になります。
今回の経験をもとに次回も完走目指して一歩一歩前進したいと思います。

追伸
前日の昼は高速のSAで特性うどんラーメンを夕食は会津のわっぱ飯にザルそば、翌日(レース当日)の夜は会津若松まで足をのばし有名店の会津ラーメンと餃子を最終日のお昼は佐野ラーメン。帰宅した日の夕食はお土産で買ってきた喜多方ラーメンといった具合にメンズづくしの3日間となりました。

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