佐渡ロングライド210参加記録
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2012/5/20
  徳山 一
佐渡ロングライド210に行ってきました

 佐渡島中央部の佐和田をスタートして時計回りに一周するロングライド(遠乗り)。
 レースではないので公式タイムと順位は無い。
 同行は去年と同様岡田悦男さんです。岡田さんは去年と同じAタイプ210キロ。僕は去年がBタイプ130キロで今年初めてAタイプ210キロに参加です。
 自転車は天気の影響が大きいのですが、僕の今年の天気運は1勝3敗(雨)1引分(強風)。
 予報では良い天気なのでこれは岡田さんのお陰でしょうか。
 今回の目標は3つ。
 ・平均時速25キロ以上で走る。
 ・15時までにゴールする。{制限時間18時}(ゆっくり風呂に入り帰り支度をする為。)
 ・登り坂は足を着かないで登り切る。(範子さんに根性なしと言われない為。)

5月18日(金曜日)

列車のC、D席はこんな感じ
列車のC、D席はこんな感じ
 仕事先から帰宅後、自転車を解体収納した輪行袋とリュックを担ぎいそいそと上野駅に向かう。今回のツアーは3泊4日(車中2泊)の弾丸ツアーだ。
10時半に岡田さんと待ち合わせの13番線ホームに着く。さて11時発のツアー専用列車で出発のところ列車が来ない。車両故障で遅れているとのこと。
大丈夫か、JR東日本。しっかりしてね。
仕方ないので寝酒を飲み始める。他の人達もホームに座り込んで宴会を始めている。岡田さんは上野駅に着く前から酔っ払っている。
結局、寝酒が無くなる12時過ぎに列車到着、出発となる。今回のツアーは大丈夫か?不安がよぎる。列車は一列4席でA、B席は乗客。C、D席は輪行袋置場になっている。外から知らない人が見れば奇妙な光景だろう。

19日昼 岡ちゃん!何しに来たの…
19日昼 岡ちゃん!何しに来たの…
ホテルの前庭から。「聖女たちのララバイ」が聞こえてきそうな…
5月19日(土曜日)
 午前4時40分頃、予定より15分遅れで新潟駅到着。まだまだ眠い。車中泊のせいか熟睡できない。
 路線バスで新潟港へ行き6時発のフェリーに乗る。天気快晴、風もない。明日もこの天気ならいいね。
 8時30分佐渡は両津港に入港。大佐渡の山々には残雪がまだ残っている。 
 下船し食事をして、早速自転車を組み立て大会会場の佐和田へ約20キロの自走で向かう。
 途中自転車のメーターの調子が悪くなるトラブルがあるが電池切れと判明。良かったね。
佐和田到着後海岸公園で昼食。ビールが美味い。受付を終わらせ自転車を体育館に預託して、路線バスでホテルへ向かう。
 4時頃にホテル着。早速明日のレースの準備をする。
 このホテルが凄い。ホテルの庭の先に少し古いが「火曜サスペンス劇場」開始から1時間42分程過ぎた時の告白・謎解きシーンに出てくる様な断崖・絶壁が続く。

 おお!エンディングロールに流れる「聖女たちのララバイ」が聞こえてきそうだ。(岩崎宏美さん・今でも大ファンです。高比良さんとライブ行きました。?)
 食堂、客室からは日本海に沈む夕日がまともに見える。これで交通費(もちろんフェリー代込)2食付21,000円は安い。偉いぞ!JR東日本。来年もお世話になります。

 風呂に入って6時から夕食。食事をしながら岡田さんとレースの作戦を練る。又、これも楽しいが明日は早い。8時に就寝する。

5月20日(日曜日)

出走1時間前 徳山
出走1時間前 徳山
出走3分前 心臓バクバク!
出走3分前 心臓バクバク!
 午前2時30分に起床。たっぷり6時間半眠ったので疲れも無い。
 風も無い様子だし、撃沈した時の言い訳が無くなって行く……。困ったよ。池田さん。
 ホテル支給のおにぎり弁当を食べて支度をする。ホテルの前から3時30分発のシャトルバスに乗り会場佐和田の集合場所に向かう。外はまだ真っ暗。
 預託した自転車を受け取り、トイレを済ましスタートの整列に並ぶ。
 岡田さんのA1タイプは5時30分からスタート。岡田さんは40分位かな。A2の僕は5時45分頃スタートの予定。
 そのうちスタート地点まで歩いて移動。そして12人が10秒ごとにスタート。
 おお!久しぶりに未知の距離だ。心臓がバクバクする。スタート3分前、ライトとリフレクターの点灯を確認。
 5時48分いよいよスタート、快調にペダルを回す。
 さっそく小さい坂が続き頻繁にギアチェンジする。平地は時速32キロ位で巡航。快晴・無風と絶好のコンデションだ。
 23分程で20キロ地点の最初の相川ASに着くが調子が良いのでパスする。
 大佐渡北岸を走る。ここは荒々しい岩が続き風光明媚なところだが景気を見ている余裕は無い。とにかく前方とペダルに集中する。ケイデンスは85から95。いい調子だ。
 道路はほとんど2車線で割合と広く走り易いが、所々にある狭くて暗い見通しの悪いトンネルが怖い。サングラスを掛けているので特に暗く感じる。
 もうすぐ40キロの入崎ASだがこれもパスして最初の難関Z坂の手前の公衆トイレまで休まずに行くことにする。
 この辺りは周りにライダーも多く時々同じようなスピードの列の最後に付き、風除けとさせてもらうが下り坂ではいつも振り切られる。
 中川さんの故郷の五十浦を通過して最初の関門のZ坂手前のトイレに入り一休み。
Z坂 Z字のコースが判りますか?
Z坂 Z字のコースが判りますか?
徳山一
(証拠写真) 格好いいぞ!誰だ?
おおっ!徳山だ! 大野亀付近
岡ちゃん頑張れ!
(証拠写真) 岡ちゃん頑張れ!
大野亀付近
 うーん、有名なZ坂。高低差130m、斜度最大11%だが実際に登るとたいした事は無い。まだまだ足は元気だ。去年より楽に登る。
 この坂途中から振り返ると絶景のはずだが見る余裕はない。みんなフラフラ登っているので間合いを保つのが精一杯だ。
 坂の途中のトンネルに入ると何やら演歌が聞こえる。応援の為ラジカセから流している様だが知らない曲でイマイチ合わない。演歌ならやっぱりここは石川さゆり・「天城越え」でしょ。来年に期待します。そのうちに天辺に到着。
 実はこの坂は下りの方が怖い。1車線の狭く曲がりくねった下りが続く。(ここで車が登って来たら怖いな。)と思っていたら何と路線バスが登ってきた!
 (怖……い>。)バスは親切にも止まってくれたので脇をすり抜ける。
 ブレーキを掛けながらソロソロと下る。ふと振り返ると後ろに列ができている。道が狭く、曲がりくねっているために抜くに抜けないのだろう。この際、人の事は考えないで自分のペースで下る。
 大野亀の岩が見えると高低差100mの坂が始まるが、これも去年より楽にクリアして佐渡島の北東端を廻る。
 とうとう2車線の道路に出る。若干の下りをアウター・ローギアでペダルをブンブン廻す。
 その時、(おお!あのアンカーは!)そうです。岡田さんに追いつきました。2人して72キロ地点のはじき野ASに入る。
 おにぎりとバナナを食べて水を補給して早々に出発する。
 はじき野を出て暫く下りが続いた後、海岸沿いに出る。ここから先は平坦な道が続く。ふと気が付くと…。波が全く無い。まるで鏡のようだ。風が無い訳だよ。
 とうとう9時40分100キロ地点の両津BS(弁当ステーション)に到着。今までパワーバーばかりなので弁当が楽しみです。
 スタートから3時間53分で半分来たか。予想よりかなり早い。
 一息ついていたら岡田さん到着のアナウンスがあった。この大会では両津到着とゴール時にMCが名前を呼んでくれる。
 2人で配給されたおにぎり弁当と味噌汁を戴く。但しこの弁当。量が少ない!来年は二つ貰う作戦を考えなくては。
 早々に両津を出発。岡田さんは暫く休んでいるとの事。次のエイドの多田までは40キロ。結構遠いな…。
 2,3キロ行くとBタイプ130キロとの分岐点がある。Bタイプはここから国仲平野を真野経由で佐和田のゴールへ行く。去年の僕はAタイプの選手達を指をくわえて見送りました。
 スタートから両津間までは去年のロングライドで走った。ここから小木までは2回トライアスロンで走っている。コースが分かっているので走り易い。
 相変わらず小さな登り、下りはあるが順調に海岸沿いを飛ばす。若干追い風かな。
 多田ASに到着。おにぎりとバナナを食べトイレに寄って出発する。次のエイドは22キロ先の小木だ。
 ようやく162キロ地点の小木ASに到着。さすがに疲れた。ふと見るとボランティアのマッサージのテントがある。待ち時間は無いとの事なので早速、お世話になる。
 聞いてみると新潟のスポーツトレーナーの専門学校の学生で1年生との事。入学してから2ヶ月経っていない。赤の他人をマッサージするのは初めてだって。これって僕達の方がボランティアではないか。とは決して口に出しては言わない。
 少し不安そうだったので「小木まで来る人達はガチな人達ばかりなのでヘタを打っても堪える連中はいない。どんどんやってね。」と話すと何だかホッとした様子。
 その内何か閃いた様でうつ伏せ、仰向け、手を廻せ等など色々やってくれる。どうやら今まで習った事を全てやってみる気になったみたい。
 このままでは岡田さんに抜かれる。時間も気になったが気の弱い僕には途中で止めてくれとも言えず、学生さんの納得するまで20分ほどマッサージを受ける。
 おお!おかげでかなり体が楽になった気がする。丁寧にお礼を言って小木を出発する。
 トライアスロンバイクコースでは小木半島の根元でショートカットするので、ここから小木半島を巡る30キロは未知のコースだ。大きな坂が四つある。
 しばらく海岸沿いの平坦な2車線の道を行く。そのうち沢崎灯台が見えた。灯台を見ると何か地の果てまで来た様な気がする。
 そして佐渡島の南西端を廻ると道は狭く1車線と変わる。この辺りみんなバラけた様で僕の前で視界に入るのは2,3人しかいない。
 ここで最初の坂。「これは難なくクリア。」と思ったら次の坂が始まる。
 某サイクル雑誌に佐渡ロングライドで一番キツイ坂と書いてあるという15%坂だ。高低差は60mと少ないが最大斜度15%は180キロ近く走ってきた脚にはこたえる。
 上ハンドルを握って黙々とペダルを廻す。メーターを読む余裕もないがスピードは6,7キロ位か。
 周りでは自転車から降りて押して歩いている人もいるが、ここで足を着けたら範子さんに「根性なし!」と言われる。博子姉さんに湖に沈められる。(俺の根性なしは去年の富士五湖で返上したはずだけど…。)
 そもそもこの斜度では再スタートできないので頂上まで歩くしかない。汗が目に入りしみて目が痛いけれどハンドルを両手とも握っているため汗を拭う事もできない。
 その内コース途中で「そこを曲がれば先が見える」と叫んでいる人がいる。そこを曲がると本当に20m程で頂上があった。おお!頂上通過。本当のヤマを越えた!
 後は下り。スピードさえ気を付けていれば下りは楽だ。登りあれば下りあり。苦あれば楽あり。上手く出来ています。
 そして最後180キロの素坂ASに入る。いつもと同じようにおにぎりとバナナを食べ、水を補給し、トイレに行って出発。そうです、大きい坂は後二つだけ。
 エイドを出るといきなり高低差140m、最大斜度7%の坂が始まる。高低差はあるが斜度が少ないためそれほどきつくない。ここに来てやっと坂は高低差ではなく斜度が問題なのだと気が付く。
 何とかこの坂もクリア。さて急な曲がりくねった下りが始まる。少し行くと又、海岸線に出る。残る激坂は後一つだ。
 ここはトライアスロンのコースに戻ったか、最後の高低差90m最大斜度7%の坂が始まるが見覚えのある風景だ。
 すぐ前にフーフー、と言いながら坂を上っているライダーがいる。
 「最後の坂です!頑張ってください。」と声を掛け、「はいっ!」と返事をもらって快調に抜いていくが、下り坂であっさり抜き返される。
 大体、僕の場合声を掛けて抜いた場合、男女を問わず後で抜き返される事が多い。
 結構情け無いがほら、これを読んでいるあなた。僕を抜き返した心当たりがあるでしょう。
 ここら辺りの下り坂は2車線で道幅も広いのでかなり飛ばせるはずなのだが2時を過ぎたくらい から向かい風が吹き、又今日はこの辺り自動車が多くスピードが出せない。
 海岸線の平地に入っても向かい風がつらいが最後と思いペダルをひたすら廻す。
 ふと気が付くと今まで前に2,3人しかいなかったライダーの数が増えている。そうです。真野を通過して130キロのBタイプと合流したのに気が付かなかった。
 ここは210キロの貫禄と見栄で前の130キロライダーを抜いていく。抜くのに夢中になっているとその内佐和田に入る。
 「東京都の徳山さん。お帰り!」と言うMCの声に迎えられ14時58分に.ようやくゴールする。

ゴールして
完走票
完走票
 完走証を貰いに行くと岡田さんを発見。僕の先に14時50分にゴールしたとの事。やはり小木のマッサージの間に抜かれちゃったみたい。
 早速2人して荷物を取り、自転車に乗り風呂に入りに行く。本当はもう自転車にはしばらく乗りたくないのだけれど…。
 時間はたっぷりある。風呂から上がり、ゴールが見えるベンチからまだまだゴールするライダーたちを見ながら岡田さんとビールで乾杯する。これが一番美味しい!

感想
・実走205キロでロードマップでは信号は11箇所。その内、気が付いたのは7箇所くらい。自転車乗りには走りやすいコースでした。急カーブなどかなりあるのですが要所には注意のプラカードがあり判りやすかったです。
 ・コースは2車線が多く危険はあまり感じませんでした。ただ下りでスピードが出るコースで舗装が悪い所があり若干危険を感じました。注意が必要です。
・去年130キロを完走した時は別に「もう終わっちゃった。」と感じただけだったがやはり210キロは感慨深かった。とにかく3つの目標を達成できて良かったです。
・思えば4年前右足の骨膜炎で半年走れなかった時に医者から水泳か自転車を勧められたのがきっかけだった。同じ頃に自転車を始めた岡田さんに引っ張られ、佐渡まで輪行して210キロを走る事になるとは思わなかった。加藤君に誘われて千代田走友会に入会したが皆さんの刺激を受け以前には考えられない事もできるようになりました。これも千代田パワーの一つなのかもね…。
・途中パンク修理や調整をしている人が10人近くいた。普段よりかなり頻繁にギアチェンジをしたけれどパンクや故障が無く本当に良かったです。応援してくれた方、声を掛けてくれた方にはとても感謝しています。淳子ちゃん。来年は岡田さんと三人で来ようね。

 さて、これから帰らなければならない。
 荷物を整理し帰り支度をして、自転車を分解し輪行袋に入れて18時20分発シャトルバスに乗り、両津港からフェリーに乗り、新潟港に着いたら路線バスで新潟駅に行き、夜行列車で翌朝上野駅へ。家に帰ったら着替えてすぐ出社。新宿の会社に朝8時10分に入る。
 これが一番キツかったです。

実走距離 205.6キロ
時間   9時間11分
実走時間 7時間59分
平均時速 25.7キロ
最大時速 50.0キロ

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