2013夏の陣は坂との戦い
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2013年7月〜9月
  岩崎 修 2013.10.21

1.東和ロードレース(7月福島)
2.赤城大沼マラソン(8月群馬)
3.越後湯沢秋桜ハーフ(9月新潟)
と山あいの坂のあるレース3連戦に挑んだサム。まとめて3倍返しのご報告
読まれる方には苦痛が伴いますのでご注意ください。

【第一話】

7月初旬とはいえ東京は熱帯夜。夜中に何度か目が覚め結局5時10分に家を出た。予想では最高気温35度の予報が出ていた。暑くなるぞ〜
JR上野駅6時10分発のつばさ55号を待つ。突然中川さんがひょっこり登場。握手をすると、いきなりホームの空の車両をさして「あの新幹線は何を運ぶかわかるか?わかめや昆布を運ぶよ」・・・・何を言っているのか意味不明。指をさすので見ると、回送の赤い文字。海藻→回送 早朝からのギャグに眠気も吹っ飛んだ。それなら我々は→快走ですねと切り返す。
大宮で尾崎さんが乗り込んだ。周りはランナーと山ガールが半々。宇都宮乗り換え二本松駅8時到着。出迎えのマイクロバスで二本松市内を抜け20分で会場に到着。町谷さんにばったり出会う。3人で千代田走友会の旗を持ち写真撮影。温泉に1泊も良いが日帰りも可能なレースなのだ。
綾ちゃんから5km地点で応援すると連絡があった。スタートしマイペースで上る。問題は2km付近からの地獄坂。この坂は勾配と距離の長さもある。皇居の上りがいつまでも続く感じ。黙々と走り5km地点もそろそろと目線を上げたその時、冷えたスポーツ飲料を持った綾ちゃんを発見「サムさん顎!あがってるよ」と注意されるも元気が出る。それにしても折り返しがやけに遠い、ペースダウンしはじめたらしい。
ようやく折り返すと一気に下り坂。スピードが上がった。尾崎君とすれ違い元気をいただく。遅れを取り戻そうと全力で飛ばした。残りもあと3km、抜かれたランナーをだいぶ抜き返した。あと少しだと思った矢先、ふくらはぎがピクピク悲鳴をあげた。去年は大丈夫だったのに・・残念だがこうなるとスピードを抑えるしかない。ごまかし、ごまかし、様子を見ながら何とかゴールした。猛暑もきつく原因は脱水だろうか。いや坂の練習不足が原因だろう。苦手を克服しないとやはりここではタイムは出ないと反省。
レース後は3人を綾ちゃんに温泉まで案内いただき、入浴後はさらに二本松駅まで送っていただいた。ありがとう!3人で記念写真を撮った。帰りは何と鈍行の旅をして東京までチンタラ帰ったので真っ暗になってしまった。
来年3度目の挑戦をすることになるだろう。まだこのコースを走りきっていない。
アウィーであるが、やっぱり綾ちゃんの復活と直接対決もやってみたい。

【第二話】
8月末は単独参加で赤城大沼マラソンに行った。車で関越自動車道を走り抜け前橋インター経由東京から約2時間30分。途中ヒルクライムのメッカらしく自転車に乗る選手が目立つ。標高800m以上の駐車場に着くと送迎バスが待機していた。スタート地点までコースを走るのでレースの参考にした。1周5kmの大沼湖を4周する20kmと2周の10km、があるが5kmにしたのは、これだけがエントリー可であった為。あとで1周にして良かったと気が付いた。
スタートして1kmも行くと上りだった。結構勾配のきつい。どうやらミニ山中湖のイメージで前のランナーについて行った。このレース、年代別60歳以上最初のレースだった。5分前にスタートした10kmのランナーが混ざりはじめ先頭ランナーはまるで分らない。ランナーのゼッケンを並んだ時にチラッと見るが、さっき抜かれてしまった前を走るランナーはどうやらゼッケンの数字からすると60歳代だ。
たった5km、初参加の場合距離表示がたよりだが残り1kmで勝負に出ようと決めた。しばらく走ると送迎バスに乗った地点に来た。そうかここからはやや平坦で下りもあった事を思い出した。残り2.5km丁度半分だ。思い切って行くか!しかし先ほどのライバルも前をかき分けどんどん先に行く。さっきより離されているかな。きっとあいつも残りを計算し飛ばしているんだなと思った。
差が詰まらぬままあと1kmの表示。タイムトライアルと一緒で必死に相手を追う。ここまで来ると苦しくてもペースは落とせない。前半の上りが効いてきた、4周20kmにしないで良かったと思った。ずっと10mの間隔が詰まらない。ゴールが近づき人だかりが多くなった。残念!今回ついに前の目標をとらえられなかった。もっと早めに追走していれば・・・
結果は60歳代の部5位で表彰式に初参加。初めて壇上の椅子にすわった。隣にはあのランナーがいた。どうせなら3位以内でないとかっこ悪いと思った。帰りの温泉施設で女子20km6位入賞の萩原さん(埼玉県)とテーブルが一緒になり、彼女もつくばマラソンに参加するとわかった。お会いするのが楽しみである。

【第三話】
9月はリベンジ越後湯沢秋桜ハーフマラソン
起床4:45 上野6:18トキ号乗車 湯沢7:20着送迎バスは7:30から運行開始 7:45には会場到着。昨年参加した事もありスタートも9:30で気持ちに余裕があった。
今年からハーフは第1ウエーブ・第2ウエーブに分割されたと案内があった。
参加者が増えたことを考慮し大会本部が決めたのだろう。
8:30上武大花田監督指導のストレッチ体操開始 まじめにやったら汗が滲んだ。準備運動は良い勉強になった。体が目覚めた気がした。時間もあり飲食ブースが充実していたのでレース後食べたいものを物色して回った。牛肉のステーキは是非食べようと決めた。見事なまでの快晴。9:30ピンクのゼッケン第1ウエーブ組スタート。

前半編 
昨年の経験で問題の6.5km高低差約200mの上りがあり、その後頂上から5.5kmの下りで12km行く。ここまでを前半と考えた。
昨年1時間37分台で50代25位、今年は1時間35分を切り60代上位を狙った。
最近は一人の練習で1km4:30ペースランがきつく感じ10qまでしかもたない。
そんな不安のまま7月の東和マラソン、8月の赤城大沼と高低差のあるレースを走った。上りはピッチを狭く顎を引き何とか6kmを遅くとも30分以内で通過しようと思った。結果は28分02秒と予想より早かった。
その後最後の上りを前のランナーに離されぬよう懸命に粘る。係員の左に曲がれと合図が出るといよいよ下り急坂4kmが始まる。リラックスし体重が後ろに残らぬ様注意した。足の爪がやられぬ様、特に靴ひもを足の甲できつく締めておいた。箱根の6区を走っているようなきついカーブもある。アウトサイドインで駆け下りる。この4kmを16分32秒で通過。涼しい山間の下りが終わると可憐な秋桜が揺れる田園地帯に入った。さすがに緩やかな下りになり一番走りやすい。
結局前半12kmを1km4分30秒ペースで通過した。

後半編 
後半の高低差は25mぐらいだろうか。スタート地点の競技場付近に戻ると応援が俄然多くなった。個人参加はこういう時に一抹の寂しさを感じる。千代田の皆は今頃ジョギングを終えてバーベキューかな〜・・・・高台の競技場から高速道をくぐり抜け湯沢市内まで下る。その後は上り下りが何度か繰り返され後半徐々にボディブローのように効いてくる。
昨年先頭のランナーとすれ違った地点が近づいて来る。おやっ去年より今年は速いかも?上武大の箱根駅伝候補が来るはずだが。その時反対車線を走る10kmのランナーの後方から桁違いのスピードランナーが現れた。いつも思う、先頭ランナーは全く苦しそうでない!しばらく後続は来なかった。さすがだ。
10〜15kmの5kmは21分51秒と粘った。しかしハーフはここからが勝負どころ。抜かれるランナーが少しずつ増え始めた。あと6km、とに角前に目標を定め落ちてくるランナーを拾え!抜かれたら別の人を抜く・・・2km行けば折り返し地点で残り約4kmとなる。すれ違うランナーは皆疲れていると思った。折り返し点が近い。すれ違うランナーの中に明らかに60代の風貌をしたランナーを見つけた。実に鈴木豊さんに良く似ていた。いつもの皇居を思い出した。サムさんの流儀「苦しい時は、若い女性ランナーを見つけ勝手に目標にする」しかし今日は違った。残り4kmで千代田の鈴木豊さん似のランナーを見つけた。年齢が当たっていれば年代別のライバル。その差は50mアドレナリン放出全開。
折り返し後に前を見たがその姿は全く見えない。とにかく追いつく・なんとか追いつく、と念じながら走った。1km走るとJRの陸橋がありワープしていた。そこで姿が見えれば距離がわかるかもしれない。あっ!いた〜まだ少し距離があるが、やるぞ。
残り3kmとなり下りは出来るだけ飛ばした。給水地点も無視した。まだ見えない。残り2km通過。その時見え隠れする目標発見。どうやら3人ぐらいで併走しているようだ。若いランナーに食いついている感じだった。まだ余力がありそうにも思えた。
残り1km。このままでゴールすると悔いが残る。だがペースが上がっていないのだろうか?差がつまらない。やや離されたかも?いや近づいている!もう少しだ。相手は私には気づいていない。何しろ勝手にマークし追いかけているのだから。あと10mに接近もう少しだ。最後の上り坂を一気に駆け上がり後ろについた。ゴールの陸上競技場が左手に見え始めた。トラック競技の時リラックスした走りがスピードを生むと学んだ。20km地点のボードが見え残り100mダッシュ!ゴールまでとにかく出し切れ。油断するなとゴールへ突っ込んだ・・・・勝った。今日はすべてを出し切るレースだった。
5km22:48, 10km21:43 15km21:53 20km23:30 ネット1時間34分49秒。千代田においてハーフ1時間30分を切らないと自慢にもならないが記録より記憶に残るレースをしたことに満足した。その後、サービス券の使える温泉に立ち寄り東京に帰った。翌日結果を知って驚いた。
後日、男子60歳〜64歳の部第1位のメダルと賞品の日本酒、お米が届いた。千代田走友会に所属して走っていたからいただけたご褒美だと思う。だがやっぱり坂は苦手だ。

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