第1回 津軽みちのくジャーニーラン200K
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2016年7月17-18日
  大竹 祐人
第1回 津軽みちのくジャーニーラン200Kに参戦してきました。

今年のウルトラレース第3戦目
参戦のきっかけは、第1回大会だったことと小学校修学旅行の思い出の地

「じゃわめぐ」とは、津軽の方言で血が騒ぐという意味をもつ。本州北端の地・津軽の冬は厳しく長い。
それでも、やがて春が訪れ、夏がめぐる。津軽の夏の夜空を焦がす「ねぷた(ねぶた)祭」。
長い冬の間、寡黙であった津 軽の民の多くが、自らも熱く燃え上がる夏祭を前にじゃわめぐ。
そして、津軽平野の稲もりんごも夏の光を浴びてじゃわめぐ。

そんな時季の津軽は躍動感にあふれ、実に素敵だ。これが参戦のきっかけである。
しかし、5月の川の道フットレースのケガは完治したものの仕事が激務でロングの練習がほとんど出来なかった。不安が募る。

不安を抱えたままのレースでしたが、川の道を完走した自信が心を支えた。


○レース前日
当日15時から受付兼説明会。東京から弘前まで4時間半の長旅。
現場の下調べのために始発で弘前に向かった。

事前の天気予報では晴れ、その合間に市街と弘前城をゆっくり散策した。
5月の桜は、日本でトップクラスの景観になるそうだ。また、桜が咲くころに訪れたい。

事前説明会会場に1番乗りで到着した。スタッフはおなじみのスポーツエイドジャパ
ンメンバーに川の道 女性1位の経歴をもつ藤原定子さんもいた。今年の川の道はスタッフだった
が津軽みちのくは参戦するとのこと。川の道の話で盛り上がる。

そして、説明会が始まった。実はこの説明会が非常に重要。これに参加できないと失格になる。

夜通し走るレースに危険は付き物。その注意点を確認しなければならない。代表の説明を真剣に聞き入る。
説明を聞いていると、さすが第1回大会!運営側もコース上の商店・コンビニ等の営業時間までは未知数。
自分の足で確かめるしかない。川の道と違う不安な点の一つが、エネルギー補給だ。
不安が払拭できないまま、多めの食料をリュックに詰め込む。
早めの就寝で翌日に備えた。


○レース当日

予報では曇りだったが、かなり暗い。もしやと思って窓を開けると雨が!!
ウルトラの雨は、足のダメージが3倍!レインコートを着て体力を奪われる。
しかし、初めから雨でよかった。事前の準備が万端に出来た。

スタート地点に着くとすでに大勢のランナーがいた。いつものように全体で写真を撮りスタートを切った。

道案内として、10キロくらいの道のりを現地のランニングサークル「弘前公園RC」のメンバーが同行してくれた。みなさん朝5時からすっごい元気!津軽弁の軽快なガイドに心が明るくなった。走りながら「桜の季節が一番ええ」「絶対に来てね」とお酒飲んでますか?と思えるテンションで終始ガイドをしてくれる。ありがたい。前半だけかと思ったらゴール地点にもたくさんのメンバーが!
総出の応援に心から感謝した。

スタートしてすぐに弘前城、ここは普段は310円の入場料がかかるが、特別に通行が許可。
公園内を蛇行しながら、緑豊かな公園を疾走!岩木神社を目指す。

岩木神社に到着すると重厚な鳥居と神聖なオーラ全開。しっとりした雨が歴史の深さを語ってた。
参拝を済ませると神社わきの参道から「百沢スキー場」CP1までプチトレイルコース。その後、嶽温泉街を通り抜け「くろもり館に到着」CP2。雨だったがさすが観光地大勢の観光客がいる。ここから遊三道に入り2キロのトレイル。
幻想的な木々と丸太のコース。野鳥の声が響き渡り、心が躍った。楽しい。2キロで終わるのが名残惜しく感じた。
雨で靴が泥だけになったがすでにびしょ濡れの靴だけに気にならない。下山後、水で洗い流した。

ここから日本海を目指してひたすら北上。しばらく行くと雨が止んできた。日本海が見えたのと同時に「海の駅わんど」CP3に到着。
道の駅は聞いたことがあるが、海の駅もあるんだと驚く。美味そうな定食を我慢し、エイドのパンとバナナを食べた。
今大会のエイドは食べ物が充実している。元気になり再び走り始めた。

この先長い長い県道12号を北上する。コンビニが無い区間だ。コンビニは無いが、日陰もないコースが延々と続く。ふと雨を恨んだが今は曇り空。
この場所を晴天で気温が高いことを考えると恐ろしくなった。今回の雨は恵みの雨だと感謝した瞬間だった。

しばらく行くと「亀ヶ岡遺跡」CP4に到着、あの教科書にも載っている土偶の場所だ!記念の像があったので写真を納める。土偶より驚いたのがこの後あの「ぶさかわいい」で有名な犬「わさお」に遭遇した。県道に人だかり!不思議に思って近づくとテレビで見たあのわさお!青森だったんだ!

何匹かいて一生懸命写真を撮っていると、わさおは右側で寝てる犬だよと教えてくれた。さすが地元の人。みんな優しい。元気をいただいた。

十三湖に着くころには、暗くなってきた。ここは日本有数のシジミの産地。明るいうちに見てみたいという思いが足を軽快にさせた。
何とか日が落ちる前に到着出来たが、ここから漆黒の闇が訪れ雨が降り始めた。暗い!本当に暗い!なぜなら街灯が皆無だからだ!
そして曇り空が星明りも遮断した。ライトの電池が切れたらやばい!そう感じた。一人の不安を払拭するために同じペースのランナーと並走した。
4人いると4人のライトが合わさって明るい。雨で地図もスマホも出せないが、みんなといると道に迷わなかった。ありがたい。

夜10時を回って「鰊御殿」CP5−1に到着した。ここでは、食事と入浴と仮眠と着替えが出来るポイントだ。しかし、5キロ先の「小泊 津軽の像」CP6に寄ってからでないと制限時間に間に合わない!疲れた身体を奮起して、太宰治の歌碑があるポイントを目指した。その帰り道に雨が豪雨に変わる!

この時点で117`10キロ進むのに2時間かかる。やっとの思いでCP5−2に帰還。渋滞のお風呂だったらしいがタイミングが良くすんなり入れた。
その後、名物「誠ちゃんカレー」「シジミ汁」をいただき仮眠を取る。30分寝てスタートしようと思ったが、窓から聞こえる雨音がすさまじい。
雨雲レーダーの様子を見てもう一時間仮眠を取った。起きたころには霧雨だったが、次の関門が間に合わないので万全の装備で出発する。

1人で出たがやはり暗い、眠い、地図を頭に叩き込んだが不安で怖くなり、前方のランナーを見つけて後ろから追いかけた。そして長い夜が明けてきた。
雨が止んだ頃に「金木町観光物産館」CP7に到着。太宰治の家がある場所だ。ここでスタッフと話すと制限時間がギリギリらしい。寝すぎたか?
焦りでスピードを速めたが、足が重くなかなか目に進まない。一時間に1本もないバスが通り過ぎるたびにランナーらしき人が乗っている。
私の後は間に合わなくてリタイアを決断したのだろう。痛すぎる足に眠さと疲労・・・バス停が見えるたびにリタイアがよぎった。
しかし、諦めない。ここで諦めたらすべてが終わりだ。気合を入れなおしゴールを目指す。

しばらくすると一面田んぼ畑、気温が上がり晴れ間も見えてきた。暑い!暑い!最悪なことに水も切れた。周りには民家もない(コース外れた遠いところには見えるが)残り5キロを我慢して走り続けやっと「みちのく銀行松島支店」CP8に到着した。
「ここから長いストレートだよ!」とスタッフが言う!「でもこっからはコンビニがあるからね。」
嬉しかった。コンビニのありがたさを改めて感じた。

この直線(国道339号線)が後半の山場だ!眠気がピークを超えて、ふらふら歩きに車に轢かれそうになる。このままじゃ危ない!コンビニ脇で仮眠を取った。
仮眠の私を何度も通りすがりのおじいちゃんが起こしてくる((笑)) 大丈夫かい?どうしたんだい?寝たいだけの私に優しさを与えてくれた。 本音は寝かしてほしい・・
起き上がると足が固まり歩きながらスピードを上げていったが、アキレス腱が痛い!あしも限界に近付いていた。炎天下を進み、痛い足を引きづり、制限時間だけが気になった。この大会は制限時間が少し厳しいのかもしれない。あの三遊亭楽松師匠が制限時間に捕まってた。そして「黒石津軽こみち駅」CP9に到着。昔ながらの風景に歴史の重さを感じた。ここで黒石名物の「つゆやきそば」を初めていただく。焼きそばにめんつゆ!

意外においしい!新しい味に元気をいただき次のCPを目指した。ここからは気力勝負だ!

残り10キロ!歩くスピードと変わらないが、頑張って走り「田舎館役場前」CP10に到着した。盛大なスタッフのお迎えが最後の励みに!元気があって制限時間にゆとりがあればここの田んぼアートを見たかった。しかし、ゴールに間に合わなければ水の泡だ!諦めてゴールを目指す。

残り5キロ!19時を回って日が暮れてきた。通りすがりの車からもたくさんの応援をいただく。200キロは川の道を完走したから楽勝という感じはなかった。
制限時間が厳しい分、雨が半分降っていた分、知らない道の分過酷だった。そんな思いを振り返り。ついについに念願のゴールが見えてきた。

弘前公園RCのメンバーもいた。スポーツエイドジャパンのスタッフもたくさんいる。
感動のゴールテープ!その先に館山代表!涙がこぼれた!

37時間22分45秒 88位/200位  完走者113名 完走が6割も無い過酷なレースでしたが、私には最高の思い出の一つとなりました。また走りたい!そう感じました!

私がウルトラが出来るのは、たくさんの支えがあっての事です。
いつも本当にありがとう!

千代田走友会 大竹 祐人

アルバムに27枚写真があります(要パスワード) 雨降り写真少ない

コース

弘前市・JR弘前駅前〜弘前公園〜岩木山麓〜白神の森〜鯵ヶ沢町市街地〜亀ヶ岡遺跡〜十三湖〜脇元海辺ふれあいゾー ン「鰊御殿」〜小泊「小説津軽の像記念館」〜太宰治記念館「斜陽館」〜五所川原市街地〜国道399号線(鶴田町〜板柳町〜 藤崎町)〜黒石市街地〜田舎館村(田んぼアート)〜弘前市〜「さくら野百貨店/ホテルリコルソ弘前」

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