皇居周回路の1187、1188
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 カンツバキ(寒椿)       ツバキ科

 ツバキ科には、ヤブツバキ、サザンカ、チャ、ナツツバキ、モッコク、サカキ、 ヒサカキなどが含まれます。
 ご紹介するカンツバキは、ヤブツバキとサザンカとの交雑種で、関西では、 シシガシラと呼ばれています。 ツバキの栽培品種の古典的名品にもシシガシラが あるので、話がややこしくなりますが、皇居周辺の話題ですから、カンツバキと 言っておきます。 なお、皇居周辺でなくても、例えば高速道路の中央分離帯 などに植えられていて、ご存じの方も多いと思います。 首都圏の樹名板は、私の 知る限り、どこでもカンツバキとなっています。

カンツバキ
 皇居周回路では、竹橋の先から北桔橋門(きたはねばしもん)までの約200m と、半蔵門の先、三宅坂の始点から約120mの間、いずれも周回路のお濠側に、 生け垣状に寄せ植されている他、三宅坂の中央部に、様々な植え込みの一つとして 2、3箇所にカンツバキが使われており、いずれもよく手入れされています。
 10月には、花芽が着き、やがて紅い花片が、チロチロと花芽から覗くように なると、秋も深まったなと感じさせてくれる花木です。 早ければ、11月上旬に 咲き始め、次第に数を増す紅い八重咲きの花が、花の少ないこの季節に、ジョガー の眼を楽しませてくれます。 1月、2月に花盛りを迎え、3月中頃まで咲き続け ます。
 交雑種ですから、サザンカ、ヤブツバキ双方の特徴を引き継いでいますが、花弁 や雄しべが、バラバラに散る点で、サザンカの仲間に入れたくなります。 厳密 には、雌しべの子房に密毛があることを基準にして、カンツバキを、サザンカの 方に分類するのだと聞いています。
               ’82年4月入会   佐々 幸夫(68)
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