自己鍛造弾頭って



[1] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/05(金) 09:29
ある雑誌で自己鍛造弾頭(SFF)というトップアタック攻撃時の
弾頭のことがかかれていたのですが、どなたか詳細お教え願います。



[2] 投稿者:名無しさん 投稿日:1999/11/05(金) 10:52
SADARM弾(対走行探知破壊爆弾)から飛び出す子弾の一つ。
飛び出した子弾が、それぞれ適当な目標を探知し、これに向かって
事故鍛造弾を発射し、目標にトップアタックをかける。

目標を探知した自己鍛造弾は、レンズ形の金属編板の裏に貼り
付けた爆薬が爆発、その圧力で円盤が装甲貫徹体の形に変形。
高初速で目標に突進する。
爆発成形形貫徹体(EFP)とも呼ぶ。

グランプリ出版・戦車メカニズム図鑑(ISBN4-87687-179-5)、220Pから。



[3] 投稿者:2・訂正 投稿日:1999/11/05(金) 10:53
事故鍛造弾→自己鍛造弾
金属編板→金属円盤



[4] 投稿者: 投稿日:1999/11/09(火) 08:22
>1さん
どのレベルの話まで知りたいですか?(笑)
それによってもかなり情報量に変化が生じます(^_^;)

>2さん
うーん、ちょっとその本の記述に過ちがありますね。特にこの辺です。

>レンズ形の金属編板の裏に貼り
>付けた爆薬が爆発、その圧力で円盤が装甲貫徹体の形に変形。
>高初速で目標に突進する。

爆薬の圧力ではなく、爆薬レンズもしくはそれに準じた機構を用いた
平面衝撃波によってコニカルコーンが変形されます。ですから大きさ
さえ気にしなければもっと機械的な方法(平板を衝突させる等)でも同
じ現象の実現が可能です。

爆薬を用いるのは、爆薬レンズ等を用いることで、より大面積の平面
衝撃波が発生させやすいという理由からです。ただし、爆薬を用いる
ことで実現できる衝撃波は機械的な発生方法よりも平面度の点で劣り
ます。ちなみに、HEATも同様の理由で爆薬が用いられています。

EFPはExplosively(?) Formed Projectileだから飛翔体で充分だと思う。
SFFはSelf Forging Fragmentですね。



[5] 投稿者:2 投稿日:1999/11/09(火) 10:26
>4さん

フォローありがとうございます。
僕もシロウトに毛が生えたようなモンなので助かります。
でも1さんのお返事ありませんね(^^;;



[6] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/09(火) 18:12
レスありがとうございました。
返事遅れて大変スイマセン m(..)m
特に「名無しさん」すばやいレスありがとうございました。

私の読んだ本(出先からなので、今は?)では、平板を超高速で
打ち出し、大気との摩擦により円錐形に変形&鍛造させる
と書いてあったので、大気との摩擦だけなら、本当の
雨粒のように、中央が凹になるんではと思って質問した次第です。
(挿絵にも、円板が大気との摩擦だけで円錐形に
変形するように出てんだもん)

MLRSが機甲部隊に対してばら撒くときに主に使っていると
考えていいのでしょうか。
(素人の質問でスイマセン)



[7] 投稿者: 投稿日:1999/11/09(火) 20:24
>6さん

うーん。完全な記述ミスですね。それは。
まず、平板ではそのような状態にはなりません。SFF弾頭を開発させうる最低限の工業技術を鑑みても…です。

SFF弾頭の要は主に三つです。一つ目は平面衝撃波発生機構。二つ目は3次元シミュレーションコードを用いた金属コーンの設計。そし
て最後に高精度な数値研削機械です。この一つでも欠けるとSFF弾頭を開発・製造することが不可能です。

SFF弾は爆薬によって発生させた衝撃波を微妙なカーブ(多次の放物線型方程式が主流のようです)をもつ曲面コーンに透過させることに
より、コーン内部に独特の速度分布を作ってやることで、最終的にバドミントンのシャトル状の鍛造破片(このタイプはフレア型と言いま
す)に変形させ、HEATではありえない長大なスタンドオフ(HEATは弾径の2〜3倍に対しSFFは1000〜2000)攻撃能力を実現させるものです。

速度的には3.5〜5.5km/s程度と言われています。
この速度は衝撃工学的には極めて面白い領域なのですが、ここでは割愛します(^_^;)。

>MLRSが機甲部隊に対してばら撒くときに主に使っていると
>考えていいのでしょうか。

SADARMに関して言えば、航空機からディスペンサを介してばら撒くタイプ、御指摘のMLRSからばら撒くタイプ、そして榴弾砲からばら撒く
タイプの3種類があるはずです。日本ではちょっとわかりません。



[8] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/09(火) 23:19
? 様
早速のレスありがとうございます。
なんとなくですが、長年(4年ほど前の雑誌でした)の疑問が
解決しました。

「高速発射による高熱と圧力で...」としか記述されてなかったので、
一部自分の誤解もあったようです。

ご丁寧にありがとうございました.



[9] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/09(火) 23:23
? 様
早速のレスありがとうございます。
なんとなくですが、長年(4年ほど前の雑誌でした)の疑問が
解決しました。

「高速発射による高熱と圧力で...」との記述と隕石が大気圏に
突入したときのような、コーンの頂点が摩擦で燃えているような
挿絵しかなかったので、誤解してました。

ご丁寧にありがとうございました.



[10] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/09(火) 23:28
? 様
早速のレスありがとうございます。
なんとなくですが、長年(4年ほど前の雑誌でした)の疑問が
解決しました。

「高速発射による高熱と圧力で...」との記述と隕石が大気圏に
突入したときのような、コーンの頂点が摩擦で燃えているような
挿絵しかなかったので、誤解してました。

ご丁寧にありがとうございました。



[11] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/09(火) 23:29
7 様
早速のレスありがとうございます。
なんとなくですが、長年(4年ほど前の雑誌でした)の疑問が
解決しました。

「高速発射による高熱と圧力で...」との記述と隕石が大気圏に
突入したときのような、コーンの頂点が摩擦で燃えているような
挿絵しかなかったので、誤解してました。

ご丁寧にありがとうございました。



[12] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/10(水) 09:15
10@` 11は、書き込みミスです。

スイマセン。



[13] 投稿者:ゴルゴ13が 投稿日:1999/11/10(水) 12:14
使ってませんでしたっけ?



[14] 投稿者: 投稿日:1999/11/10(水) 16:49
>おしえてさん

平板云々にちょっと記憶的に引っかかるところがあったので、色々
と調べてみました。

結論から言えば、あの情報は全くの嘘というわけでは無かったです。

SFF弾の直接的な先祖である(根っこはHEATですが)、底板貫通型
対戦車地雷の初期のモノに平板を用いているものがあったようです。

ただし、SFF弾の様なフレア型でかつ弾長の長いものではなく、
短く、飛翔体径が極めて大きい(=L/Dが小さい)飛翔体を作りま
すので、空気力学的にきわめて不安定でかつ、侵徹威力もSFF弾
に比して低いものでした。

まぁ、地面から戦車底板までの距離はどんなに遠くても50cm以上に
はなりそうにない(一般的な走行状態では)し、底板は上面や正面に
比して軽い装甲構造が用いられているはずので、あながち間違いで
はないデザインだったと思いますけどね。

ただし、最近のデザインでは侵徹威力を向上しかつ、貫通後に爆薬
の燃焼ガスを車内に吹き込むことで乗員の殺傷力を向上している形
状に変化しているようです。

一応参考までに。



[15] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/11(木) 11:34
レス、度々ありがとうございます。

ちなみに ? さんは、どういうところで調べたのでしょうか。

ちょっと大きいぐらいの本屋では、この手の本が見つからなくて..
やはりどこぞのHPですか?



[16] 投稿者: 投稿日:1999/11/11(木) 12:57
おしえてさん:

>ちなみに ? さんは、どういうところで調べたのでしょうか。

うーん。とりあえずはMilitary TechnologyやInternationa Defense
Review、Soldat und Teknik、Armorのような雑誌系で総論を、各論
に関してはBallistic Symposiumとか、SAVIAC (=Shock And Vibration
Information Center)主催のShock And Vibration Symposiumの前刷
り集を10年位前から片っ端から斜め読みしてみました。

あとはSRI International が政府との契約で研究した報告書も参考
になりましたね。SRI International から公開されているSFFに
関する研究結果には、将来出現するであろう高L/D飛翔体の弾頭
デザインがどのようなものか、逆にいえば現在のSFF弾頭の弱点
は何かのか?についてもわかります。

今挙げた情報源は、全て公開情報なので自分でも手に入れられます。

例えばNTIS(=National Technical Information Services)とかでコ
ピーサービスをしています。日本にも代理店があるはずです。

後はHEATの基本的な理論を調べるために、Jonas. A. Zukas編集の
"Fundamental of Shaped Charge" という本も役に立ちますね。
(ただこの本はそろそろ無くなるかもしれません。)

別に洋モノ好きではないのですが、情報の正確さという観点で言え
ば、日本の雑誌や解説書はまり当てにならないと正直思います。

基礎的な物理もしくは工学知識の不足から、分からない部分を想像
で補間している感があり、どうも眉唾で読んでしまいます(自分に苦笑)



[17] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/11(木) 18:07
? さん

参考にさせていただきます。



[18] 投稿者: 投稿日:1999/11/11(木) 18:08
あ。上の記事に関するフォロー。

?の場合は、基本的に多方面からの情報やAuthorに関してクロスチェ
ックすることでネタ自体の整合性を検証するクセがあるから、あの
ような事態になっているだけですので、おおまかな情報だけでした
らMiltech とかJane's International Defense Review を継続して
読んでいれば大体事足りると思います。

以下のリンクはSFF型対戦車地雷に関するIDRの記事の一つ
=>http://www.janes.com/defence/editors/idr9603/dr963051.html



[19] 投稿者:?さんは 投稿日:1999/11/11(木) 18:40
超マニアかプロの研究家のどっちかですか?
それとも一般にいう“マニア”っていうのはその辺までの情報をチェック
しているんでしょうか?私なぞ日本語しか読めないし。



[20] 投稿者: 投稿日:1999/11/11(木) 23:04
>19さん

さぁドッチでしょう?少なくとも衝撃工学やらの基礎工学分野に関す
る最低限の素養があることは確かではありますが。

少なくとも、衝撃工学では爆薬や火薬はお友達です。っていうか、そ
れを用いないとまともな研究もできないです。

?の場合は、「HEATは高温な爆薬の燃焼ガスがバターナイフでバター
を切るかのように…」という記述に(江畑さんですらそう思ってる)も
の凄い違和感を覚えてから、いろいろな論文などを調べているウチに
ああ、和文の解説書ってかなり嘘が多いなぁと思った次第ですね。



[21] 投稿者:19>?さん 投稿日:1999/11/12(金) 08:50
なるほど、そうですか。エキスパートへの道は遠いですね。
辞書片手にでも英文書読むようにしたいものです。
それでは。



[22] 投稿者:おしえて 投稿日:1999/11/12(金) 10:51
janeは、HPあったんですね。
大学の図書館で見た以来、その存在も忘れてました。
大いに参考にします。
(私の語学力では、はるかな世界のようですが^^;)



[23] 投稿者:ここに登録されてます 投稿日:2000/04/18(火) 00:04
http://www.jbbs.net/2ch/test/read.cgi?bbs=entrance&key=950714804



[24] 投稿者:20さんに質問 投稿日:2000/04/18(火) 00:52
「バターナイフでバターを切るかのように」は、比喩としても間違いですか?
いや、うまいこと言ってんな、とか思っていたもので。どこがどうおかしいのでしょう?
素人の疑問。



[25] 投稿者:?氏じゃないけど 投稿日:2000/04/18(火) 08:08
質問する前に過去スレッド読みませふ。それだけでいかにアホな比喩であるかがわかるでせふ。
?氏は既におりませぬ(中国の90式だっけか?確か、それでも読んどくれ)それでもバターナイフ
というんだったらそれで終了。俺にはそう思えないけどな。水で穴あけてようなもんなのに。