「こんごう」級のステルス性



[1] 投稿者:追加@海 投稿日:1999/12/13(月) 23:26
以前、こんごう級のステルス性能に関し疑念を持たれていたので小話を。

浦賀水道を出入りする艦船は陸上サイトに位置・速度を報告する義務があるのだが
こんごう級の場合サイト側から頻繁に位置再確認の要請が入るそうである。
反射波が小さく、漁船や波の信号に紛れてロストされるとのこと。

ステルスは上部構造物の形状だけが問題になるのではない。
被覆ゴム、塗料の性能も非常に大きい。



[2] 投稿者:それも大問題のような 投稿日:1999/12/14(火) 11:41
民間のレーダーでも把握できるくらいのRCSはあるってことだから…

アクティブステルスのようなものがあるならともかく、一回おおよその位置を
把握されたら振り角を絞ってしまえば簡単に位置がわかるのではなかろうか?



[3] 投稿者:あのマスト… 投稿日:1999/12/14(火) 12:18
死ぬほど電波を反射しそうな気がして、心配でなりません。



[4] 投稿者:そもそも 投稿日:1999/12/14(火) 12:42
ブラックボックス含めイージスの全能力が日本製イージスで実現されているかどうかすら怪しいと思うこのごろ。



[5] 投稿者:のり 投稿日:1999/12/14(火) 13:13
ステルス塗料は、だいぶ前になんかの本で瀬戸大橋用に開発した塗料
が世界で一番優れているって、書いてあったでー。
その本にはさらに、世界各国の諜報部員が橋が完成したら塗料を削りに
来るかもしれないって書いてた。
たしか、けっこう真面目な雑誌の記事だったんで笑ったけど。



[6] 投稿者:JN 投稿日:1999/12/14(火) 13:21
ステルスって発信源には電波を反射しない形のことを言うのでは。

メートル波には補足されやすいと聞いたことあります。



[7] 投稿者:せんちゃん 投稿日:1999/12/14(火) 14:13
 ステルス性と一言で言いますが、要はあいてのレーダーや赤外線探知
等の捜索手段に引っかからない仕組みです。
 従って、塗料関係だけでなく形状や配置なんかも関係してくる、総合
的な技術の集積ですね。
 そういう目から見ると残念ながら金剛級は中途半端と言わざるを
えません。艦壁面の傾斜も中途半端だし、マストにいたっては・・・・。
 実は、これでも自衛隊側が出した要求仕様は満たしてるという話を
聞いたことがありますので、それが事実とすれば、『仕様が古すぎる。』
ってことですね。



[8] 投稿者:>7 投稿日:1999/12/14(火) 19:25
批判ばっかはあまりにもバランスに欠けるのであえて擁護(?)すると、最初からデザイン上
変更の余地が無かったのでは?なんて思うんだよね。ホンキで国内で作るのだったらもっと違っ
たデザインになっているのでは?とも思う。

海自側ではあえて割高になるJ−AEGISにする必要は無かったんだろう。
少なくとも新規設計を行うことによるリスクを避けるためにはベターな戦術であったと思う。

欲を言えば、必要以上にステルス性の付与は行わなかったのだから、船足をもっと早くしたり、対空火
器のオリジナル以上の充実やバッヂとのリアルタイムリンクといったようなものは欲しかったか。

ステルスを追求すると船体構造から速度は出ない、エンジン出力に制限があるのでなおさら、船体の金属使用は
最低限、航行性がわるい(SES以下?)といった点が一気にでそうだし。



[9] 投稿者:追加@海 投稿日:1999/12/15(水) 00:02
完全に反射波を偏向する事が望ましいのは事実。しかしどんな艦でも
完全に消すことは不可能。これはラファイエットクラスのblipでも同様。
波やchaffの方が目立つレベルであれば十分ではないか?というのが当時の思想。

原型(設計)が完成したのがステルスの初期だったということもある。
当時はラファイエットクラスのような船形が現実化されると
認識されていなかったのも事実である。
おそらく次世代には大幅に変わるはずである。

マストについては言われているほど反射強度は強くはない。



[10] 投稿者:しるくわーむ 投稿日:1999/12/15(水) 04:43
おおすみのステルスタイプのマストって無駄じゃない?
側面が垂直じゃあ意味が無い気が・・。



[11] 投稿者:>10 投稿日:1999/12/15(水) 09:15
アレってファイバー製じゃ。。。



[12] 投稿者:>9 投稿日:1999/12/15(水) 10:23
なぜバッヂ端末としての機能を付与しなかったんでしょうか?イージスはTMD 構想ではコアの位置に
いたと思うんですが。少なくともそのような機能があると公表してないのでそのように思ってるだけ
なんですけど。せっかく世界に誇れる全自動の防空システムを作り上げたのだから、イージスにも端
末機能を組み込むのが普通だと思うんだけど。やはり海と空では仲が悪くてハードウェア的に接続不
能(それだってプロトコル変換すれば大丈夫でしょ)ってことでもあったんでしょうかね。



[13] 投稿者:追加@海>12 投稿日:1999/12/15(水) 23:35
・積極的な公表を行わないのは外交的配慮(他国を刺激を考慮)
・異なるシステム/Venderのライセンスの関係もあり。
・FMS/SEC上の配慮
・プロトコルの変換は単純な事ではない。
・そのあたりはTMDの構想に組み入れ済。
・空自/海自の関係は無関係。Reasonableであれば結ぶのが当然。
・後は守秘。



[14] 投稿者:ぺぺ 投稿日:1999/12/15(水) 23:56
イージス艦のあの形はまずSPY-1Dのレーダー視界を確保するため。
ただタイプシップのアーレイ・バーク級程ではないけどステルスも
考慮されている。
艦船のステルスを追求するなら潜水艦に投資するのが筋、水上艦の
ステルス艦は現状では異端児。
水上艦のステルス要求は対艦ミサイルのシーカーのホーミング・レンジ
を縮める位の要求、それによりECMの出力を抑えられる、
チャフの量が減る、デコイの有効性が高められる。

ラファイエットは元々海外植民地の警備用、味方の支援が受け難い
場所で単艦で行動するためあのような形になった。

ただFROM THE SEAにより陸地に近い場所で行動するようになると、
ステルスの要求が高まると思う、米海軍のDD21構想にそれが良く
現れている。
恐らく海自の次期DD(さめ級の後継艦)にも反映される筈。



[15] 投稿者:追加@海>14 投稿日:1999/12/16(木) 00:20
大筋で同意。
ラファイエットクラスは内部的・機能的・保全的にかなり犠牲になっているところがあり。


浅海面での探知も重要になりつつありますな。
先日来日された某氏の講演はお聞きに?



[16] 投稿者:>13@`14@`15 投稿日:1999/12/16(木) 08:42
大筋では認めます。ただね。イージスの場合その能力の高さが逆に問題とならんでしょう
か?常に20隻くらい運用できる状態にあるならともかくですが、普通はカバーできる最
低限の量しか造れないわけですよね。

そのような状態で運用して、もしも、、があった場合、一隻での能力の高さが逆に災いし
て、他の鑑に多大なストレスを与えるのではないか?結果、一気に戦力比の低下を招くの
ではないか?と危惧します。特に戦略上コアを形成するものであるからこその危惧です。

同じ戦力比であっても、10:20と3:20 では一つが欠けた場合に生ずる戦力比の低下はすさ
まじいものではないか?ということです。最悪の場合、全鑑運用時の3割4割引の能力の
低下が避けられないのではと思います(計算してませんが)

それが本能的にわかっているからこそのステルス性に関する疑問が生じているのでは?と
素人ながら推察しています。

ちょっと判らないのは13のこれです。

>・積極的な公表を行わないのは外交的配慮(他国を刺激を考慮)

バッヂは防空システムなのだから、もし端末機能がある、、と公開しても問題がなさそう
だと思うんですが。プロトコル変換に関しては実現は可能だけど、実用化が難しいって認
識でよろしいですか?(通信速度の低下とか)



[17] 投稿者:16の補足 投稿日:1999/12/16(木) 11:36
>最悪の場合、全鑑運用時の3割4割引の能力の
>低下が避けられないのではと思います(計算してませんが)

この場合は単艦の能力に限っての話。減った艦数に比する絶対的な数字は
物理的なものなのでどうしようもない。



[18] 投稿者:追加@海>16 投稿日:1999/12/16(木) 23:33
>16
>>バッヂは防空システムなのだから、もし端末機能がある、
>>と公開しても問題がなさそうだと思うんですが。
TMDとからめていくと某国を刺激する恐れがある。
これは純粋に政治的(政治屋側)の配慮。

>>常に20隻くらい運用できる状態にあるならともかくですが、
>>普通はカバーできる最低限の量しか造れないわけですよね。
装備の均一化を図る為、AEGISより廉価なシステムに統一すること?
AEGIS化により全体のレベルが下がるわけでもない。隻数が減らされるわけでもない。
逆に、隻数の上限は事実上決まっている。質を向上させることは問題とならないのでは?
貴殿の言いたい事と違っていたら失礼。



[19] 投稿者:>18 投稿日:1999/12/17(金) 09:54
誤解させて申し訳無いです。

もっと単純に言ってしまうと、数をそろえられない高価で高性能なAEGIS(いやみじゃなく)、しかも
今度TMDや防空システムの要となるものが簡単に沈められちゃたまらないってことです。なまじ高性
能だからこそ、欠けたときの実質的な戦力比の激減が気になります。

空で言えば、F-15の空戦能力はセントーリあってのことで、それが無くなった場合、どのような状態
になるのだろう?とか。例えが良くないですが。

少なくとも日本のAEGISに関しては、米国とは事情が異なるのだから、形状が変えられないとしても、
せめて対空防御能力や近接防御能力といった防御兵器(船足を早めるのもある意味そうですね)を米国
のもの以上のマイナーアップデートする必要があるのではないか?とまぁそんなとこです。

少なくとも日本のAEGISは単鑑行動が多いのではないか?という考えが前提にあります。



[20] 投稿者:追加@海>19 投稿日:1999/12/17(金) 22:06
>>少なくとも日本のAEGISに関してはせめて対空防御能力や近接防御能力といった防御兵器(船足を早めるのもある意味そうですね)を米国
>>のもの以上のマイナーアップデートする必要があるのではないか?
このあたりは費用対効果の問題といったところか。
必要以上の物を装備しても勿体ないだけである。

基本的に彼らの装備が「こなれて」きたところで導入するので
彼らの初期ロットにありがちなトラブルはあまりない。
ただし、彼らの最新modelに劣るのは致仕方ないことである。



[21] 投稿者:名無しさん 投稿日:1999/12/18(土) 13:19
 何が一番不味いって、本来イ−ジスは艦隊防衛の要であって、空母などの最重要要防衛要素を守る為の存在の筈なんだけど、自衛隊ではイ−ジス艦自身が最重要防衛要素になってしまってる点ではなかろうか。



[22] 投稿者:追加@海>21 投稿日:1999/12/18(土) 13:59
最重要要素は作戦によっても異なる。
例えば、揚陸作戦であれば揚陸艦であろう。(脅威にはならないが)

米軍にしてもAEGISを専ら艦隊防空支援のために使用しているわけではない。
単艦行動も良く行われている。



[23] 投稿者:ぺぺ 投稿日:1999/12/18(土) 23:44
>少なくとも日本のAEGISは単鑑行動が多いのではないか?
こんごう級はLSD(Large Scale Dsiplay)を4面持ち、群指揮艦としての
の能力もあるし、対潜ヘリも積んでない(支援能力は有り)ため、むしろ単独
で行動することは少ないのではないか?

>対空防御能力や近接防御能力といった防御兵器(船足を早めるのもある意味そうですね)を米国
>のもの以上のマイナーアップデートする必要があるのではないか?
それをやり始めたら、船価や大きさがただでは済まなくなる
ただ、こんごう級は船体上構造物が全て鋼製なこと、暴露部へのクロモリ鋼採用や
CICを船体内に置き、両側に広い通路を配するなどスプリンター防御については
かなり配慮している。
将来的には近接防御用としてESSMや射出型ECM、対魚雷防御システムなどが
装備されるだろう。

>浅海面での探知も重要になりつつありますな。
CZを使って原潜を追いかけていた時代が懐かしく感じるようになるかも。
5研にがんばってもらいましょう。ただソナーって日本人が得意そうな分野
のような気がするんですが。

>先日来日された某氏の講演はお聞きに?
すいません私は分野外の人間です。好きなんですけど。




[24] 投稿者:>23 投稿日:1999/12/20(月) 16:21
そうでもないような。
DARPAの資金を洗えば、とんでもねーモノを作ろうとしていることがわかる。

例えば2次元のマイクロフォンアレイ。200×200のようなマイクロフォンア
レイとその信号をRT解析するチップとを複合させた積層チップを研究させて
いる。現在のような4センサによる信号検知ではなく、パッシブ及びアクティ
ブ型の音響画像を用いて追尾をさせようって代物。TIが一次委託先。

後は似たような話で、General Researchの人からレーザーを用いた海面音響
探知も聞いたことがあったか。これも最終的には3次元の音響画像を得るら
しい。



[25] 投稿者:追加@海>24 投稿日:1999/12/20(月) 22:27
ロッキードマーチンIR imaging systemsのsonorcamもあり。
先進型高解像度音響イメージング・システムといったところか。
浅海面、特に15m以浅は意外と盲点である。
今は国防先進研究計画局(DARPA)から海軍水上戦センタに
資金が移っているはず。
良くご存じで。>24



[26] 投稿者:ぺぺ 投稿日:1999/12/20(月) 23:55
専門外の人間が口を出すもんではありませんな。

ただ防衛技術ジャーナルで米国のチタバリ製造は壊滅状態という記事
を見た記憶があるので。
やはりソナーもハードより解析技術ですよね。

追加@海さん、今日は忙しかったのでは。
私の上司は六本木に張り付いてました。



[27] 投稿者:追加@海>26 投稿日:1999/12/21(火) 01:37
肯定。
BLOCK1Bの年となるか?それは大蔵次第である。



[28] 投稿者:名無しさん 投稿日:1999/12/21(火) 05:16
いい超磁歪材がありますか



[29] 投稿者:>26 投稿日:1999/12/21(火) 12:17
え?今はチタン酸バリウムは音波発生材料程度しか用いられていないのでは?
今は高分子材料が主流じゃないの?例えば分極処理したPVF2とかPVCとか。

そっちのほうが音響インピーダンス的に焼き物より良い出力が得られるって
きいたことが。確か分極処理した圧電材料は今でも輸出規制されてますよね?



[30] 投稿者:>25 投稿日:1999/12/21(火) 16:47
24補足。あのマイクロフォンアレイチップが本当に出現したら、今までのデコイシステム
が全て崩壊するだろう。しかも、信号解析もオンチップで賄うのだからなおさら。最終的
には潜水艦用の目と魚雷用の目に用いるとかってのは3年ぐらい前の話。

>良くご存じで。>24
昔、DARPAが賞金首技術を紹介していたのは記憶に新しいです。例えば30G
サンプル毎秒@8bit以上のADコンバータ等ですな。この例ではどうやらス
マートスキンやアクティブステルス(前者も一緒か)用に用いるような話。
今は昔ほど情報を公開しなくなったのがさびしいですね。



[31] 投稿者:追加@海>30 投稿日:1999/12/21(火) 22:05
あれは元々ARMY(陸)が資金を出し研究させていたものである。
それがDARPA@`今は海軍。その課程になかなか興味があり。

>>昔ほど情報を公開しなくなったのがさびしいですね。
一つにはSecurityの問題、もう一つは軍事費削減による
開発陣容の縮小である。
一種optimisticであったレーガン政権の時代から年月が流れたが、
NAVSEA@`Raytheon@`LMGE@`Rockheed、どこも厳しいようである。



[32] 投稿者:ぺぺ 投稿日:1999/12/22(水) 00:20
>26さん
>え?今はチタン酸バリウムは音波発生材料程度しか用いられていないのでは?
見た記事は以前に退官された方が著したもので、ちょっと古かったのかもしれません。
ガサツな発言ですいません。

追加@海さん
>BLOCK1Bの年となるか?それは大蔵次第である。
それってこれのことですか?遂に導入ですか。
http://www.raytheon.com/rsc/dss/dpr/dpr_msys/dpr_phlx_1b.htm

なんか各幕で○億づつ削るとか、F-2の開発遅延で技本の開発予算を
各計画でちょっとづつ削るとかそんな話ばっかりですな。
今年は調本の契約も遅々としてるし。

追加@海さんはじめ檜町の皆様のご健闘をお祈りします。



[33] 投稿者:>31 投稿日:1999/12/22(水) 18:09
陸がらみが良く分からなかったんです。一時期すわ米国で昔懐かしい聴音器の復活か?とい
う話は聞いた事があるのですが、いかんせんその後の情報が出てこず。強いて言えば潜水艦
のソナー技術をアルゴリズムに一部採用した市街銃発射位置特定システムというものはひっ
かかりましたが、Armyでの運用は聞いた事が無い。



[34] 投稿者:追加@海 投稿日:1999/12/23(木) 02:04
>32
>>それってこれのことですか?
職務の都合上黙秘。北対策ではある。(苦笑)

>>陸がらみが良く分からなかったんです。
海岸線防備、特に浅海面の警戒用途だったと思う。



[35] 投稿者:>32 投稿日:1999/12/24(金) 09:07
PVF2やPVCについては自信なしです。確か分極化処理したPVF2フィルムはK化学(別に怪しい会社じゃない)
が作ってるらしいですが。聞いた話では現在日本でも使用されているはずです。

>BLOCK1Bの年となるか?それは大蔵次第である。

そういやレイセオンでは対戦車ミサイル防御用にミニファランクスとでも言えばいいようなシステムを設
計中との話がありますな。赤外線とレーザーセンサ(これも赤外線だが)併用のやつ。ロシアのアレアシス
テムよりはよほど使えるという話。