flow into space

このアルバムを聴くきっかけになったのは、毎日のようにFMから流れていた「The Days I Spent With You」・・・この曲のメロディーが、とても印象に残って、早速CDを借りに走った。「今井美樹」というsingerに、興味を持つことになったきっかけの曲である。そして、数年後、美樹さんのファンになってから、改めてこのアルバムをじっくりと聴いてみて、「あぁ〜何故にあの時から、ファンにならなかったの?!」なんて後悔してしまった。美樹さんが、お茶の間のアイドルから、アーティストへと変わって行った、そんな風に思える1枚である・・・・・

01.Blue Moon Blue  まるで、これから一篇の映画が始まるような感じに思えるオーケストラの優雅なイントロ・・・・・ 美樹さんのヴォーカルを最大限にアピールした1曲と言えよう。シングルカット曲でもある。

02.amour au chocolat  アコースティックギターとピアノが 心地よいハーモニーを奏でている。こういうタイプの曲は、今まででは初めてではないだろうか。今井美樹作詞、布袋寅泰作曲。二人が出会った、思い出の曲・・・・・

03.素敵なうわさ  前曲とはがらりと雰囲気がかわって、コンピューターサウンド。この曲を聴くと、「意外とシングルガール」や「あしたがあるから」の美樹さんを思い出してしまう。オフィス街を歩く美樹さんが目に浮かぶようである。

04.The Days I Spent With You  ドラムのビート感、バッキングギター、ポップなピアノのサウンドが心地よい。明るいメロディーとはうらはらに、切ない歌詞・・・このアンバランスさが、たまらなくいい。間奏の布袋のギターが、カッコイイ。 

05.かげろう  題名のように、まるでかげろうのような美樹さんの声。アンニュイな感じが切なさを引き立てている。 

06.永遠が終るとき  美樹さんには珍しい三拍子の曲。過去を捨て去り、新しい道を進もうとする前向きさを、荘厳なサウンドが盛上げている。

07.雪の週末  ゆったりとしたテンポにピアノ重視のサウンド、これぞ「柿原ワールド」。スイング調のドラムも、うまくマッチしている。

08.flow into space  アルバムタイトル曲。シンセサイザーの重厚な響きが、宇宙感を彷彿とさせる。神秘的な歌詞に魅せられる・・・・・・・

09.遠い街から  ピアノの伴奏が素晴らしい。切ないメロディーが、再会を待ち焦がれる期待感をうまく表現している・・・・・

このアルバムを聴いて感じたのは、「今井美樹」が、「歌手」から「アーティスト」へ変わったな、という事。加えて、今までは、「今井美樹プラスバックバンド」という感じだったのが、「今井美樹」というグループの中の、ヴォーカル「今井美樹」というバンドサウンドになったのでは・・・・?と個人的には思っている。久石 譲のアレンジが、各作曲家をうまくまとめている1枚である。