sumi-Cノート <excerpt> … もしかすると、使える兵器をそのままにして逃走したのではなく、使える兵器をそのままにして緊急避難したのではないかと思った
… 続き
(59)今週の出来事 2022年 9月~12月
[スコッチ こんどは嗜好の意味で2] '22.10.26
[スコッチ こんどは嗜好の意味で1] '22.10.25
[ウクライナ侵攻 一時期を少し切り取ってみる] '22.10.14
[ブレザーのボタンを付け替る2] '22.9.24
[ブレザーのボタンを付け替る1] '22.9.17
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[スコッチ こんどは嗜好の意味で2] '22.10.26
続きを書こうと思ったのが深夜だった。BGMの代わりにとテレビをつけると、NHKで国際報道という番組をやっていた。すぐにその番組は時間が来て終わってしまった。そのあと始まった番組が、偶然にもうれしいものだった。ワイルドライフ 『英国スコットランド テンとリス不思議な関係』だった。番組の出だしがグラスゴーの少し北側にあるローモンド湖畔からだった。ローモンド湖、初めて知った。… 太古の森と呼ばれるカレドニアン・フォレストの生態系の話だった。これも初めて知った。そこに登場する若い男性の森の研究者は、つよい英国なまりの英語を話していた。まるでドイツ語のようにも聞こえた。… 「Cノート」を書きながらだったので、番組の内容は頭に入らなかったが、ちょっとした奇跡だった。
グレイトブリテン島とアイルランド島
スコットランド
では、スコッチウイスキーの感想である。これまでは、山崎12年は別にして、ザ・マッカラン12年、ボウモア12年、ハイランドパーク12年と飲んでみて、スコッチウイスキーを知る試みを終了とした。… 以降は嗜好品として飲んでみたのだ。
グレンフィディック12年
この酒は 12年ものの割には、若々しい味がした。もちろん、ノンエイジの安い酒とは別物だが、ぼくにはすっきりし過ぎていた感じだった。ちなみに、ぼくは常温でストレートからトワイスアップまでを楽しむかたちである。 蒸留所はスペイサイドにある。
ザ・グレンリベット12年
このウイスキーは透明な液体です、
というわけではない。透明なのは
飲み干してしまって、ビンが空なだけだ。
… 見ればわかるか。
最初、(あれ、もう、好みのスコッチを見つけてしまったか、)と思ったぐらい好感触の酒だった。日本のウイスキーに似ていると思った。スモーキーさはなく、甘い酒だった。山崎12年に似ているか?とも思ったが、のちに、若干違和感のある成分を舌に感じてきた。体調のせいだったかもしれないが、 こちらもスペイサイド。
ラフロイグ10年
これはうまい酒だった。スモーキーさをダイレクトに感じる。塩味もある。塩味からは磯のかおりがしてくる。よく言われる薬品臭(ヨード臭)のような成分もある。そしてなにより、甘い。 ボウモアもそうだが、蒸留所はアイラ島にある。アイラモルト。… ちなみに、アイラ島だが Islay(イスレイ) と書いてアイラと発音するようである。
タリスカー10年
これもうまい酒だった。… シングルモルトというと、ひとつの貯蔵樽からくみ取った酒をビン詰めにして出荷する、そのようなイメージがあるが、実は、いろんな樽から酒を持ってきてブレンドしているのである。ただし、同じ蒸留所内のシングルモルトの樽で、おおよそ熟成年代も表示を裏切らない樽からである。もちろん古い年代の樽もブレンドのために使うだろう。
タリスカー10年、このブレンドのバランスが最高だった。ブレンドの神様がいそうである。スモーキーさ、塩味、磯の香、ヨード臭、適度な甘さ、どれも突出していない。また、よい意味での臭みがあって、味を深くたのしめるのである。 この酒の蒸留所は、アイラ島より北のほう、スカイ島という島にある。
アードベッグ10年
ラフロイグ、タリスカーと飲んでしまうと、すでに個性を感じる酒ではなくなっていた。スコッチの普通のうまい酒になっていた。ラフロイグ、タリスカーより先に飲んでいたら、『これがスコッチか!』と感動したに違いない。 こちらもアイラ島出身。
[スコッチ こんどは嗜好の意味で1] '22.10.25
エリザベス女王が8日、96歳で亡くなった。息を引き取ったのはスコットランドのバルモラル城である。この城は、エステート・ハウスと呼ばれていて、周囲を森や荘園に囲まれた王室所有の土地にある。そこでお亡くなりになられた。
女王の亡骸(なきがら)を入れた棺(ひつぎ)は、その後、複数の宮殿や寺院へ運ばれて行った。市民に多くの弔問の機会が与えられたことになる。エディンバラのホリールードハウス宮殿。セント・ジャイルズ大聖堂。それからロンドンへ運ばれて、バッキンガム宮殿。ウェストミンスター宮殿。宮殿内大広間、ウェストミンスター・ホール。最後はウィンザー城。ここで葬儀が執り行われた。そしてこの城には納棺堂があって埋葬される。
北アイルランドもそうだが、スコットランドも自立心が強い。イギリス連邦からの独立を考える人が多くいる。ブレグジットは反対だった。… エリザベス女王が亡くなったわけだが、息を引き取ったところがスコットランドだった。そのことは、一時的であるかもしれないが、女王は、スコットランド市民をUK国民としての同一性に関して、その方向へ引き戻した、ということができるかもしれない。
女王の棺を乗せたガラス張りの霊柩車がエジンバラの街並みをゆっくり走るのを見ていると、スコットランド全体のイメージがさっと浮かんできた。エジンバラ、グラスゴーの市街地、ローランド地方、ハイランド地方、アイランズ、オークニー諸島等々。
ここで、スコットランドに思いを馳せてみたくなった。ぼくの場合はスコッチウイスキーを中心にしてのことになる。以前、スコッチウイスキーを知る試みをしたことがあるのだが、そのあと、こんどは嗜好の意味でスコッチウイスキーを飲んでみたのである。もちろん、前回と同様、シングルモルトウイスキーに限ってのことだ。
2020年6月にハイランドパークという銘柄を飲んで、それでスコッチウイスキーを知る試みを終了とした。そのあと、引き続いて、一年半程度かけて関心のある銘柄を飲んでみたのである。五つの銘柄だ。つまり3~4ケ月の間隔をあけて一本づづ購入して飲んだのだ。何しろ高額なのである。その割に、開封すると10日程度で空ビンになってしまう。
… 嗜好品として飲んでみた五つの銘柄のスコッチウイスキーの感想を、ここで簡単に書いておこうと思う。
[ロシアによるウクライナ侵攻 一時期を少し切り取ってみる] '22.10.14
9月12日のこと。テレビでウクライナ軍の反攻のニュースが流れた。ウクライナ軍がハルキウ州のほぼ全域を奪還したというのである。ゼレンスキー大統領が会見し、イジュームやバラクレヤなどをロシア軍から奪還したと宣言した。
ロシア軍は、まだ使える兵器をそのままにして逃走したという。スカッとするニュースだった。スカッとしたが、ぼくはそのあとすぐにヒヤッとしたのだった。… 超軍事大国のロシア軍である。そう何度も戦車や装甲車、弾薬などを破壊もせずに撤退することなどあり得ない。… もしかすると、使える兵器をそのままにして逃走したのではなく、使える兵器をそのままにして緊急避難したのではないかと思ったのだ。… 残した兵器はすぐに高熱で焼いてしまうから、と。ぼくは、ここで、もしや核兵器の使用があるのではないか?と思ったのだった。
しかし、軍事の素人のぼくでも、ここで使うのは、核をここで使うのは、軍事的にも政治的にも最大級の効果を発揮する、そのような場ではないだろうと直感できたのだった。… これを書いているのは、一か月後だが、実際、そうなった。
9月12日以前のことを書いておく。9月8日にブリンケン国務長官が事前の予告なしにキーウを訪問していた。ウクライナや欧州の周辺国に軍事支援をするという方針を伝えた、ということだが、… 僕は思った。ブリンケン氏は、ウクライナ政府の中枢に入って活動している米国の軍事的な作戦チームを激励しに行ったのだろうと、… ウクライナの反攻は9月6日に始まったという。
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9月21日、プーチン大統領は「“予備役”部分的動員」を発表した。発表したこの日から動員措置は開始された。
… ロシア国民にとって、この戦争がはじめて人ごとではなくなった。
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9月23日からの4日間、ロシアへの編入の賛否を問う住民投票が、ウクライナ東・南部の4州で行われた。
結果はというと、東部ルハンスク州=賛成票98.42% 東部ドネツク州=賛成票99.23% 南東部ザポリージャ州=賛成票93.11% 南部ヘルソン州=賛成票87.05%だった。
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10月5日 プーチン大統領、ザポリージャ原発を国有化する大統領令に署名する。
同 5日、ロシアはウクライナの4州を一方的に併合した。
さて、ロシアの歴史家は、50年後、100年後、今回の他国を侵略していることを、自らの国の歴史にどのように書くのだろうか? やはり、ゼレンスキーのネオナチ政権から親ロシア市民を解放するために、特別軍事作戦を実施した、と書くのだろうか?
… 客観性に欠けることを歴史書に書く。真実に基づかないことを歴史書に書く。そのような国家って大丈夫なのだろうか? 中世ヨーロッパの、支配者が王様だったころならわかるが、現代では、…
真実をゆがめる国家では、これから先、国家を担っていく優秀な人材は輩出されないのではないだろうか? 国民として、アイデンティティを求めて国家の歴史を探ろうとすると、すぐにタブーにぶつかってしまう。これだと祖国を愛せない。
… 結局、専制主義は、あるいは権威主義などは、ほんのわずかな期間だけ効率の良い国家運営ができるが、そのあと、恐ろしいしっぺ返しがくる。為政者だけでなく国民にも、…
だと思う。 きっと、そのような国家は没落する。
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10月8日(現地時間午前6時ごろ)、クリミア橋で爆発があった。道路の橋げたは崩落し、鉄道のほうも燃料タンクを積んだ列車があって火災を起こし、橋梁も熱で溶けた。
日本でも午後には映像で見ることができた。多くの日本人が『やった!』と歓喜しただろう。ウクライナでは、ほとんど日を置かずに、クリミア橋から炎が上がっている切手が発売されると、そんな宣伝がされていた。みんな喜んでいた。
同 8日、ロシアではスロビキンという軍人が総司令官に任命された。新しいポストなのか? これまでの総司令官の名前は明らかになっていないという。ショイグ国防相への批判の、新しい吸収材として設定されたポジションと言われる。
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10月10日、ロシアによる大規模攻撃があった。キーウ、リビウ、ドニプロなど16の都市。84発のミサイル。発電所などインフラ設備等が攻撃される。… 翌日も攻撃されている。2日間で、ウクライナ全土で死者23人、負傷者100人以上と現時点で発表される。
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「泥濘期」などという気象用語が出てきたが、ウクライナの国土奪還作戦はこれから先、長く続くかもしれない。
以上、一時期を切り取ってメモしてみた。
[ブレザーのボタンを付け替る2] '22.9.24
22日の朝は冷えた。日本列島を通過していった台風14号が寒気を呼び込んだのだ。ぼくの住んでいるところは都会なのだが16°台に冷え込んだ。突然の冷え込みだったので、ぼくの家の庭に住んでいるアオダイショウ、ヒキガエル、ヤモリ、カナヘビ、カガミッチョたちは突然の冷え込みで焦ったに違いない。
22日は数軒でのことだが親戚どうしで集まる計画があった。午前中に親戚の家に集まることになっている。
ボタンを付け替えたブレザーを羽織っていこうと考えていたのだが、このブレザーは夏服だった。このブレザーを手に取って、広げて太陽を隠すようにすると、ブレザーの背中から太陽がけっこはっきり見える。つまり夏服なのである。
… せっかく準備したブレザーだったが、秋を感じる日にこの服を着ていくわけにはいかなかった。おそらく午前中は温度が上がっても20°程度だろう。… 残念だが、このブレザーを諦めて、もう一着持っている冬用のブレザーを着て行くことにした。
[ブレザーのボタンを付け替る1] '22.9.17
気がつくとブレザーのボタンのふちが複数個かけていた。… 年に一回クリーニングに出すのだが、クリーニング店では、仕上げのときに高温のスチームを使い形を整える。おそらく、その熱でボタンがダメージを受けてしまう。… 経年劣化には違いないが、
そのブレザーをお彼岸に着る必要が出てきてしまった。気温が高ければ着ることは無いのだが、… このボタンのふちの欠け、… さて、よわった。
先輩の奥さんが「仕立て」の仕事をしていた。自宅に作業場があって、いつも忙しく仕事をしていたのである。これまでは、彼女にかなり無神経に気楽に、衣服の補修を頼んでいたのだが、… ところが、先輩の奥さんは急死してしまった。作業場で亡くなったという。
… そこで、ネットを使って「仕立て直しの店」を探したのである。複数あったが、どの店が適当なのかわからなかった。… とりあえずチェーン店でない店を探した。チェーン店では受付の人が裁縫の技術を持っていない人の可能性があるからである。… 仕立て直しを依頼するとき、ちゃんと縫い針やミシンを使える人と、相談がてら話を付けたかったのだ。
少し離れているが大きな街(まち)にある、小さな仕立て直しの店に行ってみることにした。もちろんブレザーを持って行く。
店に行き、ボタンの付け替えを頼んだのだ。… 女性の店員さんが出てきて応対してくれたが、… 衣服に付いていた古いボタンは店にたくさんあるのだが、そろった形でのボタンはないです、と言われてしまった。つまり新しく付け替えるボタンを持参してきてくれ、と言うのである。
この店の近所には、和洋服の生地などを扱っている大きな店がある。行ってみることにした。店内の手書きの中吊り広告が目に入った。そこには「閉店セール」と書かれていた。… 老舗の店だったのに、… 持ちこたえられなかったか、
店員さんにジャケットのボタンを探していることを話すと、ボタンが置いてあるコーナーに案内してくれて、探してくれた。だが、適当なのがなかった。閉店するためか問屋に注文もできないという。… ボタンなど簡単に見つかるものとばかり思っていたのだが、同じものを見つけることは、簡単でないことを学習した。
次に、百貨店の中に入っている「ユザワヤ」に行ってみることにした。
ユザワヤでも、やはり同じように店員さんに探してもらった。同じものは無いと、すでに学習しているので、ごく似かよったもの、あるいは、オリジナルにこだわらず、このブレザーに合うものを探すことにした。
前身(まえみ)のボタン2つ、両袖口のボタンが8つが必要である。
このジャケットに合うボタンが2種類みつかった。店員さんには離れてもらって、一人で時間をかけてどちらがよいか検討した。… このブレザーはカジュアルに着るものだが、一応、自然光や照明光があたったときどのように見えるかなど、生地とのマッチングを検討した。
そしてボタンを購入した。税抜きで1,320円也。ブレザーと店の小さいポリ袋に入れてもらったボタンを持って仕立て直しの店に引き返した。
仕立て直しの店の店員さんに探してきたボタンを見せた。 女性の店員さんは、少し考えるようにしてメジャーを手に取ってボタンを測りだした。
『ジャケットの袖口のボタンは直径14ミリですね。お客様が探してきたボタンは15ミリです。』
このように言われてしまったのだった。… ユザワヤの店員さんにもメジャーで測ってもらったのだが、… そのときは15ミリだと言われたのだ。
袖口のボタンは4つのボタンが重なり合って付けられていた。サイズが大きいと、… それに探してきたボタンはオリジナルよりも少し厚みがあった。… うまくいくかわからない、と言われてしまったのである。
仕方ないので、… 14ミリのボタンはユザワヤに無いのは確認していた。… だから返品して、13ミリのボタンと交換したもらうことにしたのである。この仕立て直しの店からユザワヤまでは150メートルはあるだろうか?
再び歩いて向かったのだった。
ユザワヤに着くと、時間短縮のために再び店員さんに来てもらった。そして事情を説明した。すると、『このボタンには13ミリはありませんね。』と言われてしまったのだ。商品に設定が無いのである。
… 廉価なボタンには13ミリはあった。しかしその品はいわゆるヒャッキンに置いてあるような質のものだった。店員さんも、『ちょっとチープな感じになりますね。』とアドバイスしてくれた。… そこで決断したのだった。15ミリのボタンを無理やり付けてもらおうと。
ちなみにこのブレザーはイタリア製である。ずいぶん前のことだが、ちょうど円高のときだったので、安く手に入ったのである。舶来製なのでボタンのサイズの基準も違うのかも知れなかった。
仕立て直しの店にもどり、15ミリでやってもらうように頼んだのである。… よかった、承諾してくれた。
ボタン代はこちらで出したので、糸代と技術料、税抜きで1,680円也。… 野球のユニホームのボタンだったら、自分で付け替えられるのだが、ブレザーのボタンはブレザーとボタンとの間に絶妙な隙間が取られている。この隙間をつくるための糸の使い方は、さすがに専門すぎて、ぼくにはわからなかった。… とにかく、注文できてよかったのである。
彼岸の入りぎりぎりになってしまったが、注文したブレザーを仕立て直しの店に取りに行った。一番先に袖口のボタンの処理を見た。… 店員さんは『うまくできました』と言った。その通りだった。文句のない仕上がりになっていた。
選んだボタンは水牛調ボタンというやつだろうか?
黒の中に白っぽい筋(すじ)が入っていて、
汚れた感じになっている。
ブレザー = ジャケットのボタンの付け替えを仕立て直しの店に頼んだ件。たかがこれだけのことだが、書いてみると上記のように長文になってしまった。… どんな些細なことでも初めての試みには、未知の問題が多く出現するのである。