O157について        


   O157は病原性大腸菌の一つです。
   この菌が出す「ペロ毒素」が人体に大きな影響を及ぼすと
   言われています。
   なま肉(主に牛肉)に付いている場合もありますが
   75度で1分間加熱すれば死滅すると言われています。

  ※経過

    感染          ・無症状
     ↓        
    潜伏期(3〜9日)   ・無症状
     ↓
    1日目         ・下痢
                 ・腹痛
                 ・発熱(個人差あり)

    3日目         ・下痢(頻回の水様便)
                 ・血便     
                 ・激しい腹痛     
                出血性大腸炎
 
   
    7日目         ・下痢
                 ・血小板減少
                 ・腎機能障害
                 ・溶血性貧血
                 ・神経症状      
                溶血性尿毒症症候群(HUS)
                     

   ・出血性大腸炎について

    
O157が放出するベロ毒素によって、大腸の粘膜が痛められて
    ただれや出血がおこっている状態。

    
そのため、激しい下痢と血便が出るようになります

   ・溶血性尿毒症症候群(HUS)について

    出血性大腸炎の時に腸の中に放出されたベロ毒素が吸収されて
    血液中に入り血管の内側を傷つけます。

   ・血小板減少
   
    血小板は止血作用がありますが、減少する事によって
    出血しやすくなり、血が止まりにくくなります。
    5万以下になりますと、採血した後でもなかなか血が止まらなくなります。
  
   ・腎機能障害

    腎臓は細い血管がたくさん集まってできた臓器なので
    他の臓器よりもベロ毒素の障害を受けやすく、機能が急激におちて
    しまいます。(尿量の減少)

   ・溶血性貧血

    血液中の赤血球が傷つけられ壊れる為、貧血がおこります。
    (赤血球が壊れる事を「溶血」と言う。)
    酷くなると、輸血しても、どんどん赤血球が壊されていきます。

   ・神経症状
   
    ベロ毒素が体内をまわり、脳の血管を侵すようになると非常に危険です。

   急性の下痢の場合。医療機関も、症状に応じて、食中毒も念頭において
   治療が行われている筈です。
   重篤な状態になる前に、適切な診断を受ける事が大切かと思います。
   特に、子供や老人、抵抗力が落ちている人は注意が必要です。

   ☆ポイント  

   ・夏場は調理の際、十分加熱する

    基本的な食中毒予防の3原則は食中毒菌を
   「付けない(清潔)、増やさない(迅速)、殺す(加熱)」です。

   ・手洗いの励行

   ・早期発見&適切な処置を
   

   早期に適切な処置をすれば怖くありません。

      ※止痢剤(下痢止め)は、腸管内容物の停滞時間を延長し、
       毒素の吸収を助長する可能性があるので使用しないこと。

 

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