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富士浅間山(月形山)ふじせんげん(899m) 

群馬県 2010.01.14 単独  マイカー 地図 荒船山 三等三角点
下底瀬公会所(12.00)---富士浅間山(13.00-13.05)---下底瀬公会所(13.55)
富士浅間山山頂


日本有数の名山二つを重ねたような、何とも欲張った名前をつけてもらった山であることか。その割にはぱっとしない山であるのはまさに名前負けの最たるもの、気の毒にもなる。

すぐ隣の黒滝山へ登ったあと、この富士浅間山へ移動。アプローチは国道93号線を南牧川に沿って西進、六車で“黒滝山・四ツ又山・鹿岳”の道標を見て右折、1300メートル先のマルゲン酒店のある分岐で右の道を選ぶと、800メートル先に下底瀬集落の公会所がある。
公会所手前の道の広くなったところへ車を止める。公会所に九十九谷登山口の表示がある。その表示に導かれて沢沿いの道を富士浅間山へと向かう。
最初は工事でもやっているかのような幅広の道で、そのとおり完成したばかりの砂防ダムがあらわれる。ダムから先は山道となり、沢を2回ほど渡り返したあと、右手斜面に赤テープのあるのを見て沢を離れた。沢筋を詰めていけば、国地院の地図にも載っている焼山峠へ出たのだと思う。

ときどき踏跡が見分けられないような斜面を注意しながら登って行く。杉の薄暗い人工林であまり楽しくない登りだ。ひとしきり登ったあと踏跡は水平道に変わった。水平道を踏跡どおりにたどって行くと落葉樹の尾根へ出た。この尾根を下っていくと多分焼山峠になるのではないかと思われる。

広い尾根を上へ上へと登って行く。これが登山道というはっきりしたものはないが、急になってきた勾配を小さな岩場を抜けたりして尾根を忠実に登って行くと、最後に南北に長い頂稜の中間あたりに登りつく。左手に進むと三等三角点と2基の石祠のある山頂である。木立に囲まれて展望はないが、落葉した樹間からこの辺りでは最も特徴ある2峰を有する鹿岳が間近に望めた。
山頂にある山名表示はに『富士浅間山(月形山)』と書かれていて、この山は名前の立派さに加えて、名前も二つ有しているようだ。2分ほどで行けるもう一方のピークへ行ってみたが同じく展望はなかった。

下る道はほかにもありそうだったが、同じ道を戻ることにする。広い尾根を下って行くと登ってきたばかりの黒滝山の岩峰が目の前だった。

下山後、下底瀬の集落で絵の題材になりそうな風景を探して写真を撮って歩いた。昔ながらの造りを残す農家のたたずまい、屋敷も畑もすべて急斜面に石を組んで土地を使っている風景は独特な風情と、消え行く山村の懐かしさとが漂っていた。