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  戸隠山
 
(八方睨=はっぽうにらみ(1900m)・戸隠山(1904m)・九頭龍山(1883m) 

長野県 2010.08.20 単独  マイカー 地図 高妻山 九頭龍山 三等三角点

戸隠奥社駐車場(4.45)---奥社(5.15-5.25)---急登がいったん緩む(5.40)---50間長屋(6.05)---鎖場(6.15)---八方睨(6.55-7.05)---戸隠山(7.15)---九頭龍山(7.50)---一不動(8.30)---戸隠牧場入口(9.35)---奥社駐車場(10.05)

八方睨から高妻山をのぞむ
八方睨のピークは何回も踏んでいるが、八方睨から一不動への縦走は何年ぶりになるだろうか。多分30数年ぶりだろう。小学生だった子供をつれて歩いた記憶だけが残っている。

戸隠奥社入口の駐車場へ車を止めて出発。
夜明け直後の巨杉の参道はまだ薄暗い。長い参道の最後は少し急な登りとなって社殿のある奥社へ着く。所要約30分。二つの社殿へ参拝したりしてから登山帳に記帳して山道へ入る。

いきなり目を覚まされるような急登にとりつく。その急登は緩むことなくつづく。ペースを抑えないとすぐに息が切れてしまう。落葉樹林の中、歩幅に合った足場を見つけながらひたすら登って行く。
20分ほどで一度急登が緩んでやれやれとほっとひと息、それもつかの間、さらにまた急登、地図を見ても奥社から八方睨まで巾狭の等高線がびっしり。500メートルの高低差を一直線に登っていく感じだ。

小さな鎖場を過ぎると岩壁が庇状に張り出した50軒長屋となり、さらに左手にコースをたどっていくと次は100間長屋、岩壁につけられた道だが恐怖を感じることはない。

小社の祀られた西窟を過ぎていよいよ戸隠山らしい険しい岩場にとりかかる。しっかりした鎖が取り付けられているので過剰な心配は必要ないが、岩を削った足場などは磨り減ったりして必ずしも良好とは言えない。慎重に足がかりを確かめ、鎖に振られないように気をつけて腕力頼りで登っていく。
夜露で鎖が濡れてフリクション(摩擦)が効きづらい。体重を預けるのに多少の不安がよぎる。加えて足場になる岩の窪みも濡れて滑りやすい。
慎重・緊張で次々と現われる鎖場を無事登り終わると戸隠名物“蟻の戸渡り”である。


戸隠山山頂
ここは何回も歩いているが、いまだ岩稜の上を歩いて渡ったことはない。その勇気がない。いつも岩稜の東側面につけられた鎖を頼っての通過、今回も同じだ。長い鎖で岩稜の数メートル下へ降りる。そこから鎖を頼りにしてへつっていく。以前はそのまま鎖を伝ってこの難所を最後まで渡り終えられたのだが、今は最後のところが崩落で鎖がない。始めて岩場に取り組む人にはかなりの恐怖感に襲われることだろう。

これまで戸隠の鎖場、蟻の戸渡りを特に怖いという思いを抱いたことはなかったが、やはり歳のせいか、これまでになく緊張したのが自分でもよくわかる。

無事八方睨のピークへ立った。あいにく雲量が多くて展望はだめだ。指呼の西岳方面も霧に見え隠れの状態。妙高、飯縄など間近の山さえのぞめない。わずかに高妻山が見えるだけだった。

下山は一不動経由で戸隠牧場へと下る。
八方睨から少し下って登り返すと「戸隠山1904m」の道標の立つ小ピーク。
右側は断崖絶壁、その縁に登山道はつけられている。うっかり足を外したらいったいどこまで落ち行くのか、その底はガスで見えないが深淵の様子だけは伝わってくる。地図では分からないが、小さな突起を数え切れないくら繰り返す。これが足の負担を大きくする。おまけに粘土質の滑りやすい土だ。何ヶ所か頑丈な鉄製の赤錆びた構造物が、巨大な力で捻じ曲げられたようにして放置されていた。こんな険しい岩稜上に何の目的で作られたものだろうか。工事もさぞかし大変だったことだろう。

九頭龍山の三等三角点を見逃さないようにと注意して歩いた。突起を越える度に三角点がないか気にしていたが目につかない。時間的にはもう出会ってもいいころだ。結局見過ごしたようだ。そう思ったとき、40センチか50センチ四方、厚さ10センチほどだろうか、真四角のコンクリート製品、中央に『+』の刻印。これが三角点と関係あるのかどうか。あるとすればここが九頭龍山三角点ということになる。それ以上は確認のすべもなく先へ進む。

1時間25分のアップダウンでようやく一不動へ到着。
一服して戸隠牧場への道を下っていく。途中の“氷清水”はその名前通り。手の平へ掬って3杯目を飲むときにはあまりの冷たさに手がしびれ、掬った水を思わず流してしまった。

戸隠牧場は最盛期を過ぎたとはいえ、沢山のテントとが並びファミリーたちが賑やかに過ごしていた。
戸隠牧場からは車道を30分、駐車してある奥社入口へ帰着。
(カメラの電池切れで写真を撮れず)