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紫子萩山=しねはぎ(1113m) 

長野県 2011.06.19 単独 マイカー 地図 須坂(長野) 三等三角点
コース 林道入口ゲート(5.20)−−−舗装からダートへ(5.40)−−−登路探しに10分ロス−−−林道終点広場(6.15)−−−送電鉄塔(6.25)−−−紫子萩山(6.45-6.50)−−−林道終点広場(7.10)−−−ゲート(7.45)
紫子萩山山頂

紫子萩山は長野市近郊、高山村の寂峰である。

登山道もなく、また展望にも恵まれず、年間通しても訪れるハイカーの数はごく少数の好事家のみだろう。

梅雨の晴れ間を利用して登ってみた。

“紫子萩山”と書いて“しねはぎ”と読む。字面もどこか独特の奥ゆかしさを感じるし、読みも耳に心地よい。

新田次郎は名前の美しい山として空木岳(うつぎだけ)などを挙げているが、名前だけならこの紫子萩山も負けない良さを感じます。

≪登山口へのアクセス≫

いちばん日の長いこの季節、自宅出た5時前にはもう夜はすっかり明けていた。長野市内から須坂市を横断、R54号線で高山村へ向かう。高山小学校入口を過ぎて112号線へ入る。福井原ゴルフ場の大きな看板の先を右折、すぐにY字分岐があるのでここは左へ。『消化栓の赤い』と『高山村黒部売地』の看板のあるところを左折、火の見櫓を過ぎた先のY字分岐を左へ。しばらく走ると金網フェンスのゲートに突き当たる。

ゲートは施錠されていないので鎖を外して通過することができる。ゲートから先は途中までは舗装された林道(紫子萩線)で終点まで2247mと表示されている。


林道終点付近まで車で行くと歩くところはほんのわずかになってしまう。それでは物足りないのでゲートから歩くことにする。ゲート200メートル手前に広場があるので駐車には不自由なし。

鎖を外してゲートの中へ入る。フェンスは獣から農作物を守るためのもの、きちんと閉めて出発。

手入れの行き届いた杉林の中、勾配の緩い曲がりくねった林道を上がって行く。雨上がりの山中はしっとりとした大気に包まれていてすがすがしい。

ところどころ落石がそのままになっているが、車の場合は降りて片づければ問題ない程度。

途中からダートに変わる。轍の間は草が茂っている。草の擦り傷を気にするようならダートの手前で適当な場所に止めればいいだろう。

轍の上を歩くが、茂った草露で膝から下が濡れてくる。

“長野県林業公社分収林高山村紫子萩団地”の表示杭のあるところは右折する。

送電鉄塔巡視路表示が目に入る。右手の少し引っ込んだところに送電鉄塔が垣間見える。このあたりに紫子萩山への登路がありそうな気がして、行ったり来たりして探したが不明。林道はまだ先へと延びていたので進んでみると、200メートルほど先が林道の終点になっていた。

終点は小広い草の広場で、その奥に巡視路8485の標識がある。そこから整備された巡視路があった。

(林道終点までの高低差は約250メートル)

人工林の中、整備された歩きいい道を進むとはっきりした尾根になってきた。

送電鉄塔を通過して少し先、巡視路は右へと下っていくようになる。この下り巡視路を見送って直進する尾根を進むのだが、ちょっと見には笹が覆って道がありそうに思えない。しかし笹の下には明瞭な踏跡が隠れていて問題なく歩くことができる。

笹露に濡れながら、忠実に尾根の踏跡を追っていく。テープ類も目につくがほとんど無用の長物というところ。

勾配が急になると山頂はもうすぐだった。

赤松林に囲まれた山頂は展望ゼロ。石祠が一基、それと傷みのひどい三等三角点標石があるのみ、山名表示一つないまことにつつましやかな山頂だ。ハイカーの関心も呼ばない不遇をかこっているようだ。

それに石祠があるのに、しめ縄など、神を祀った痕跡も見えなかった。まさに忘れ去られた寂峰そのものの雰囲気だった。

(林道終点から山頂までの高低差は100数十メートル)

林道終点まで車で来れば、あとは山頂まで30分程度の気軽さで登れてしまう。この先寂峰のままでいてくれるかどうか・・・・。

 
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