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八方山から 唐松岳(2629m)
長野・富山県 2011.08.14 孫娘・長男同行 ゴンドラ 八方山 三等三角点
唐松岳 二三等三角点
××× 八方山荘(6.15)−−−八方池(7.10)−−−雪渓(8.10-8.20)−−−丸山(8.45-8.50)−−−唐松山荘(9.35)−−−唐松岳(9.55-10.20)−−−唐松山荘(10.30-10.40)−−−雪渓(10分休憩)−−−八方池(12.35-12.40)−−−八方山荘(.13.15)
唐松岳山頂

盆に来遊した孫娘との北アルプス登山。

4歳で北八ツの横岳、8歳で乗鞍岳へ登ったとはいえ、孫娘にとって登山らしい登山はこの唐松岳が始めてと言える。

4日前、単独で下見登山を済ませてきた。勾配の様子、歩きやすさなども確認済み。

夏季は7時始発のゴンドラだが、8月14、15に限り5時半。これに乗ればゆっくり歩いても時間を気にしないで日帰りできる。

ゴンドラと2本のリフトを乗り継いで6時15分に八方山荘から歩きはじめる。

孫娘に『登山はもうたくさん』と言わせないためにも、“ぜったいに最高の天気にな〜れ”の願いが届いてピーカン、白馬三山から不帰ノ険、五竜岳・鹿島槍ケ岳の展望が圧倒する。孫娘にとっては初の山岳景観だ。

花も種々入れ乱れて咲き競っている。ミヤママツムシソウ、カライトソウ、キンコウカ、ハクサンシャジン、シモツケソウ・・・。

白馬三山

孫娘は夏季宿題の一つとして自然観察をテーマにしているということで、高山植物の分布や植生など、20数年にわたって蓄えてきた知識を思い浮かべながら、立ち止まってはレクチャーをしていく。 

観光スタイルを装う人は八方池を過ぎると見えなくなる。あとは登山者の世界。
次々と出現する花の名前を教えるのも大変、疲れを感じる暇もない。

草地のつづく斜面の中で1か所だけダケカンバが森林を形成しているのはなぜか、多種類の高山植物が咲いている場所と、2、3種類だけに限られた場所のあるのはなぜ、標高が高くなると草の背丈が低い高山植物ばかりになるのはなぜ・・・・チングルマ、コイワカガミ、ミヤマジイモンジソウ、シモツケソウ・・・・

雪渓の末端で休憩、冷風の心地よさに生気が戻る。なぜここだけこんなに大きな雪渓があるのかも孫娘にとっては疑問だ。

五竜岳(右)と鹿島槍ケ岳 不帰ノ険

乾燥草地と湿り気のある草地、雪田との関係、それに礫と小石だけの土地に生きられる植物の不思議など、乏しい知識を総動員して説明しながら登っていく。

やがて樹木はハイマツとミヤマハンノキなど限られた低木ばかりとなって唐松岳山荘へ到着。目の前に目標の唐松岳のピーク、一服してから最後の登りをきわめて山頂へ立った。
時間は気にしないで登ってきたが、休憩込みで所要時間は3時間40分だった。

水蒸気を含んだ暖気が上昇してきて、五竜岳の頂部には雲がからみ、立山、剣岳方面稜線には綿雲が点々とへばりついている。不帰ノ険から先の白馬三山も閉ざされてしまったのは、先ほどまでの濃紺の空からは考えられない。いかにも残念だった。
孫娘が大きくなったら一緒に北アルプス登山をとの願望が、ようやくかなえられた満足感を味わいつつ山頂をあとにした。


八方山から 唐松岳(2629m)
 
長野・富山県 2011.08.10 単独 マイカー・ゴンドラ 地図  八方山 三等三角点
唐松岳 二三等三角点
1日目 八方山荘(7.30)−−−八方ケルン(8.00)−−−八方池(8.10)−−−丸山(9.00)−−−唐松山荘(9.35)−−−唐松岳(9.50-10.10)−−−唐松小屋(10.20)−−−丸山(10.50-11.10)−−−八方池11.55-12.05)−−−八方山荘(12.40)

唐松岳

お盆に来宅する孫娘(中一)から、登山をしたいとのリクエストがあった。
時期はお盆の真っただ中、山小屋の大混雑は予想するまでもない。登山らしい登山の初体験が『もう二度と山登りはしたくない』ということなったら一大事。そこで簡単に日帰りで来て、高さもそれなりにあり、高山植物、山岳展望も楽しめる山ということで選んでのが唐松岳の日帰り。ゴンドラを使えば実質的な高低差は700メートル余、これなら余裕で歩ける。

ということで下見登山をしてきた。
唐松岳は
   『扇沢−爺ケ岳−鹿島槍ケ岳−五竜岳−唐松岳−八方尾根を下山』
   『栂池高原白馬岳不帰ノ険唐松岳八方尾根を下山』
というコースで、言ってみればついでに立ち寄ったと言ってもよい山。

今回は唐松岳を目的として登った。
7
時始発のゴンドラに乗り、スキーリフトを二つのりついで黒菱八方山荘からの登山開始が7時半。時間が早いために人影はあまりない。
遊歩道を30分歩いて八方ケルン、八方池は素通り。不帰のキレットはよく見えるが、白馬や五竜方面は湿った雲が絡んでいる。

沢筋に残る雪渓から吹いてくる冷風に一息つきながら急になってきた登りを、いつも通りのペースで足を運ぶ。
けっこう高山植物の花が見られる。シモツケソウ、カライトソウ、キンコウカ、ウツボグサ、ミヤマアケボノソウ、シナノオトギリソウ、エゾシオガマ、ミヤマアズマギク、マツムシソウ、ハクサンフウロ、チングルマ、アオノツガザクラ、コイワカガミ・・・・孫娘が自然観察をしたいと言っていたから、高山植物は良いテーマになるかもしれない。

不帰ノ険・・・丸山金より

そんなことを頭に浮かべて唐松山荘から唐松岳山頂へ。休憩なしの2時間20分だった。そういえば私を意識するように頑張っていた中年の二人と、若い単独行者はいつか私の後ろになって姿が見えなくなっていた。
数えてみるこの頂に立ったのは21年も前のことだった。
下界の猛烈な暑さとは無縁に、汗でぬれた体に寒ささえ感じる。
険しい不帰ノ険を間近に見るほかは、五竜は山頂部の雲がどうしても離れようとしない。白馬方面も次々と湧き上がる雲が途絶えない。剣、立山方面も斑に雲がからんですっきりしない。

今度孫娘と来るときにはぜひとも素晴らしい山岳展望を見せてあげたいものだ。

帰りは3枚ほどスケッチしながらの下り。続々と登ってくる。
八方池まで下りると、そこはもう観光客の世界。自分のペースでは歩くこともならず、列の後ろについてだらだらと歩かざるを得なかった。


 
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