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 からたきの峰(から滝)(1858m)

長野 2011.10.27
М氏同行 マイカー   二等三角点
××× 林道ゲート前(6.55)−−−林道(7.10)−−−登山口(7.25)−−−新池(7.55)−−−P1691m(8.10)−−−休憩(8.20-8.25)−−−展望台−−−からたきの峰(9.00-9.25)−−−新池(10.15)−−−登山口(11.05)

“からたきの峰”山頂

二等三角点の山ながら、25千図には山名がない。ちなみに三角点名は『橋戸』である。

『からたきの峰』という山名も変わっているが連想・推理ができない。どんな由来があるのか関心があった。

登山道を歩いていると道標に『から滝』と書いてあるのが目についた。水の落ちる時期が限られた滝があるのかもしれない・・・と単細胞的な連想をする。

山友Мさんとその“からたきの峰”へ登った。塩尻市西南、木曽谷の入口あたり、鉢盛山の南東に1858メートルのピークを持っている。地図に山名のないのがおかしいほどの存在感と言ってもいいだろう。


アプローチはややこしいが、塩尻市の国道19号線桔梗ケ原信号から、西方へ向かって“サラダ街道(292号線)”を行く。小曾部川にかかる橋を渡った先で、小曾部川に沿って上流(南方向)へと進む。ここからは一本道で迷うことはない。

集落を過ぎ、やがて林道小曾部線へとつながっていく。道幅はややせまいが全面舗装。公園風に整備され、トイレのあるところを過ぎてしばらく上って行くと右手に枝分かれした林道がある。入口ゲートは閉鎖、ここから歩くことになる。

ゲートのところから舗装道を左にカーブした上に数台程度駐車可能。

ゲートから林道をたどるコースと、直接山の斜面へ取りつくコースのうち、斜面の急登の方へ取りついた。入口には巡視路NO.8993の表示がある。

踏跡はしっかりしているが、のっけから息のあがりそうな急登を10数分、ゲートからの林道と出会う。正面に鉄梯子があるが、これは登山道ではない。

出会った林道を左方向へ15分、登山口の道標が待っている。

*
カラツマ林 ダケカンバ

登山道は黄葉の残るカラマツ人工林の中、林床は一面の笹だ。商品価値に乏しいカラマツ、それでも陽ざしを透してヒノキやスギより明るくて気持ちいい。

クリタケが固まっているのが目につく。帰りの楽しみに残していく。

苦になるような急登もなく30分ほど登ったところが新池。池と言っても水はなく、ぐしゅぐしゅした湿地という感じだ。池畔には年古りた鳥居が一つ。

鳥居の上部からは尾根道に変わる。頭上は真っ青な晩秋の空、木々の梢越しに遠く藍色の山並みが望見される。山頂での展望が大いに期待される。

ひとしきり尾根道を登ると1691mピーク。左方向は“からたきの峰”まで1.9キロ、右方向は“古池”を示す道標が立っている。山頂までの高低差は残り100数十メートル、気にならないほどの緩い登り、足元の土は柔らかくふかふかとして足に優しい。

カラマツの人工林からコメツガ、シラビソ、ダケカンバなどが目立つようになってきた。山の主のような太いダケカンバ、鬱蒼としたシラビソなどの黒木林、太古を彷彿させる原生林の趣がただよう。そんな中、登山道の整備はほぼ完璧だ。

ダケカンバはおおかた葉を落とし、幹の白さが青空にいっそう映える。

整然とした幾何学模様を思わせたカラマツ林、万古斧の入らない原始の森のたたずまい、ほとんど知られていない寂峰ながら、実に好ましく気持ちを豊かにしてくれる山道だ。

原生林の林を抜けだすと笹刈された展望台。東と南方面が開けている。美ケ原高原台地、浅間、八ケ岳、奥秩父、甲斐駒、仙丈、中アの経ケ岳などが、藍色のシルエットでクリアな姿を見せている。

展望台からわずか登ったところが二等三角点の山頂。山名標柱がささくれて字が半分ほどしか残っていない。熊がかじったあとかもしれない。そういえば林道入口に熊に注意という看板があった。

*
槍ケ岳 甲斐駒

小広い山頂には3基の石仏が並ぶ。その一基には“駒嶽神社”の字が読める。展望は先ほどの展望台とほぼ同様、残念ながら北部の北アルプス方面は樹林の陰だ。御嶽山を見るためだけの笹刈がなされていた。

30分近く山頂での展望を楽しんでから下山。山頂直下で、落葉樹林の隙間から槍、穂高、常念、それに蓮華岳方面と思われる山影などを望見、見えるのは冬枯れの季節だけだろう。

天候に恵まれ、紅葉・展望も楽しめた満足な半日登山だった。

 
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