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 雨乞棚山(1391m

岐阜県 2013.05.07 単独 マイカー 三等三角点
コース 駐車場所(8.15)―――赤テープから取付き点(8.55)―――尾根上(9.45)―――雨乞棚山(9.55-10.00)―――赤テープ(10.25)―――駐車場所(10.40

【岐阜百山】

岐阜県山旅の最後。

雨乞棚山山頂

早朝尾城山を登ったあと、雨乞棚山へ移動。257号線を付知峡大橋方面へ北上する。大橋手前の尾ケ平十字路を右折、すぐの突き当たりを右折して右手に257号線のコスモGSの見えるあたりで左折し、林道へと入って行く。その先分岐もあるが舗装され道を高い方へと上がっていく。林道が二又に分かれる。左はパラグライダーのテイクオフ基地、右手の林道へ入る。 

実は、この日は乙女渓谷の拝殿山へ登る予定だった。ところが道路工事中で登山口へ乗り入れできないことが判明、仕方なく雨乞棚山へ変更となった。もしもの予備に雨乞棚山を考えてはいたものの下調べはほとんどなし、手許の国地院地図とネットで拾い読みした記憶だけが頼り、パラグダイダーの案内のあるところで右林道へ入るという記憶があって、その林道へ入ったまで、その先の成算はない。 

分岐からダートに変わった。ひ弱な我が愛車(セレナミニバン)には過酷な路面状況、何しろ低床という街中用のタウン車、早速路面中央の盛り上がりに腹をこする。凹凸は何とか微妙なハンドルさばきで切り抜けていく。ガリガリ・・・路面の出っ張りに腹を引っ掻けたらしい。以前山用に使っていたオフロード車のハイラックスサーフ、その前のテラノでの20年間が懐かしく思い出される。登山口の表示見落としに注意しながら、一方路面にも神経を集中、気をもむ運転。だましだまし3キロほどは走っただろうか、ついにどう見ても乗り越えられそうもない凸凹を目にして車を断念。少しバックして路肩の広がったところに駐車を余儀なくした。 

林道を徒歩で先へと進む。やがて林道は下りに変わった。この先に登山口があるとは思えない。引き返しながら登山口を探す。ところで頼りの国地院の地図、これと照らしても現在地が特定できない。いったい自分は今どこにいるのだろうか?東西南北もわからず、めくら滅法に歩いているのと同じだ。登山は中止にしよう・・・・と思ったとき、赤テープが目に入った。土手状の斜面を這い上がって見るとその先にも赤テープが一つ見えた。よ~し、これを登るぞ。 

かつては登山道だったのか、腐った丸太が何本か階段状の痕跡を残している。高みの方向を確認して、そこを目がけ直登を敢行、急斜面、藪、足のずれ落ちる軟弱な土壌、岩、たちまち汗が滴る。
下山のとき誤らないようにとコンパスで方向を確認、真南へ向かって進む。今登っている先がほんとうに雨乞棚山だろうか。それすら定かではない。何でもいい、どこかのピークに立ててればそれでいい、少々やけっぱちな気分だ。 

道なき急斜面の直登45分、尾根へ登り着いた。黄色い境界杭がある。登山道らしい踏跡もある。右手にはブナの枯れ木だろうか、大木が目を引く。大木の方へ進んでみたがその先にピークらしいものは見えない。次は左への踏跡をたどってみる。顔にあたる藪を手でよけながら10分ほど登って行くとピークだった。果たして・・・・真新しい御影石には『雨乞棚山』と刻まれていた。そし三等三角点標石も、ヤッター!

まさか登れるとは思えなかった。気分は最高。この気分、久しぶりだなあ・・・。 ありゃ-、山頂直下に林道終点らしい広場が見えるぞ、何だこれ?

樹間から御嶽山が見える。御嶽山の方向はたぶん東、それにコンパスをとって地図と照らし合わせる。いったいどこを登ってきたのだろうか。途中で見たコンパスでは斜面を南へ向かって登って来たはずなのに、どう考えても真逆、地図と合致しない。何とも不思議だ。雨乞棚山の南側を巻く林道を来たつもりでいたが、実際には北側に林道があって、それを使ったということでないと説明がつかない。
帰宅後、今こうして記憶を紐解きながら記録を書いていても、どうしても納得がいかない。どこかで頭の中のスイッチがプラス。マスナス逆転してしまったのかもしれない。 

何はともあれ間違いなく雨乞棚山へ登頂できたことを一人喜び、登って来たルートを忠実に戻ることとした。

ところが尾根を下りだして間もなく、おや?道が消えてしまった。登って来たはずのその踏跡をたどっていたつもりが、その踏跡が消えている。感で右へ右へと探したが見つからない。藪を漕いで山頂まで戻る。再度下って行く。藪で隠された踏跡を見落とし、藪の薄い方へ誘い込まれていたのだ。ヤレヤレ。
尾根から藪斜面への降り口は枯れたブナの大木付近が目印。途中目印になるものは一切残さなかったが、コンパスを片手に、寸分たがわず取付いた赤テープの場所へ降りることができた。 

かなり緊張もしたが、その分また満足感のある登山だった。駐車場所までここから15分ほどだった。

 
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