hkk-1324 ≪山岳巡礼≫のトップへ戻る  

 奥丸山(2440m) 

岐阜県 2013.08.27 単独 マイカー 三等三角点
コース 新穂高温泉駐車場(5.40)---わさび平(6.45)---登山口(7.05)---稜線分岐(8.50-9.00)---2355mピーク(9.35-9.40)---奥丸山(10.00-10.40)---稜線分岐(11.20-11.25)---登山口(12.40-12-50)---わさび平---新穂高温泉駐車場(14.00)

目下、登山の目標は日本の山2000座登頂の達成。残りは84座。2座稼ぐつもりで新穂高温泉へ。対象の山は奥丸山と中崎山の2座。


奥丸山山頂、後方は北穂~大キレット~南岳

初日は奥丸山、新穂高温泉駐車場に車を止めて出発。猛暑が一段落して肌寒いほど、残念ながら周囲の山々は霧の中、展望は望めそうもない。駐車場から山頂までの高低差は約14000m余、老化した脚にはちょっと不安もある。 

わさび平から双六岳方面分岐までは、これまでに何回も歩いたなじみの車道(ただし一般車は入れない)。
わさび平小屋を過ぎ、双六岳方面への道を見送って橋を渡る。橋の上にはペンキの大きな字で「奥丸山」と書いてある。橋から数分進むと登山口、ここまでで標高を500メール近く稼いだ。

登山口には「奥丸山入口稜線まで1960m」の道標がある。山で「m」の距離表示があっても、実際にはほとんど役に立たないし、目途にもならない。気合を入れなおして、ここから高低差約1000mの登りに取りつく。ブナやダケカンバの樹林が気持ちいい。やや急な登りをわずかで、次は電光型な折り返し、そして平坦な巻き道がしばらくつづく。整備されていて歩きやすい。

下丸沢を渡り、さらに小さい沢を二つほど渡るといよいよ本格的な登りが始まる。
登山道は明瞭だが、苔の生えた岩、張り出した木の根の道、濡れているのでうっかり足を乗せるとすぐに滑る。
不規則な大小の段差、何カ所か張られたロープを活用して登って行く。ゴゼンタチバナやオオカメノキの赤い実、ミヤマアキノキリンソウの花などが気持ちを和らげてくれ。
久々に涼しさを感じられる今日の天候だが、それでも汗がとめどなく噴き出してくる。
コメツガなどの針葉樹が多く目につくようになり、樹相も変わってきたようだ。登山口から1時間45分の急登、ようやく稜線に登り着いた。標高約2100m、山頂まであと300m。新しい道標に左方面奥丸山、右方面中崎山となっている。自信があれば帰りに中崎山を経由し穂高温泉へのコースも考えられるが、今は脚力では自信が持てない。
 

西穂岳方面

一服して山頂へ向かう。しばらくはなだらかな稜線も、再び勾配がきつくなってきた。
樹林は相変わらず乳白色の霧に覆われたたままで、展望は期待できそうもない。コースは明瞭だが足元の歩きにくさは相変わらず。疲労感が強くなってきたころ、樹木の背丈が低くなってきて、展望のききそうな小ピークに着いた。地図上の2355mピークのようだ。何という不思議、西方のガスが切れて抜戸岳方面の山並みが目に飛びこんできた。山頂へ着くころにはもっとガスが切れるかもしれない。がぜん期待が膨らむ。

いったん小さなコルへと下る。あたりはお花畑、ミヤマアキノキリンソウ、ニッコウキスゲ、オヤマリンドウ、タカネニガナ、クモマニガナ、イブキボウフウなどの花か見える。

コルからひと頑張りすると奥丸山山頂。駐車場から所要4時間20分だった。
狭い山頂には新しい山頂標識柱、それと埋設部分が浮き出した三等三角点標石。マイナーなこんな山へ登る人もめったになかろうと思っていたのに、単独行の男性がいた。

さて展望は、しばらく西方の抜戸岳から弓折岳方面が見えていたが、間もなくガスに隠れてしまった。代わりに東方のガスが奇跡のように晴れてきた。西穂からジャンダルム。滝谷の険しい岩壁、北穂-大キレット-南岳、そして槍ケ岳の姿も現れた。

ゴセンタチバナの実


しばし写真を撮ったりして山岳展望に見とれて時を過ごした。晴れている時間は短かった。やがて四周の山々は元のようにすべてガスの中へ消えてしまい、しばらく待ったが二度と姿を見せてくれなかった。 

山頂を後にして往路を戻る。足場の悪い道は、下りも結構気を使わされて疲労を強めた。 

****************************************

●北アルプス2500m以上のピークは全部登りたいと思っていたが、いくつか残ってしまったまま、奥丸山は2500には少し足りないが、登るつもりでいた山だった。

●ついでに、翌日は中崎山へ登る予定にしていた。現地へ行けば様子がわかるだろうと思い、奥丸山を下山後観光案内センターなどで登山口情報などを尋ねたが、廃道同然で登山は無理といわれてしまい、残念ながらあきらめて帰ることにした。

 
≪山岳巡礼≫のトップへ戻る