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赤安山(582m) 五頭山(913m) 松平山(954m) 山葵山(693m)
周回コース

 
新潟
2014.06.01 単独  五頭山 三等三角点
 松平山 一等三角点
コース 赤安山登山口(5.55)---赤安山(6.50-6.55)---五頭山三角点(8.30-8.40)---松平山(9.50-10.00)---山葵山(10.45-10.55)---魚留滝登山口(11.40)---赤安山登山口(11.50)

梅雨入り前の2日間、向かったのは新潟県越後街道五泉市付近の山。

1日目は 赤安山→五頭山→松平山→山葵山の周回コース

2日目は ◆大蔵山→菅名岳→鳴沢峰の周回コース
        ◆護摩堂山    

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【第一日目 赤安山→五頭山(越後百山)→松平山(越後百山)→山葵山

五頭山三角点

梅雨前だというのに2日間とも真夏のようなカンカン照り。1000mにも満たない低山ながら歩程はけっこう長い。その暑さにはまったく参った。

未明に長野市の自宅を出発、赤安山登山口まで3時間余のドライブ。

少年自然の家の先で橋を渡ると、『至赤安山・五頭山』の明瞭な道標があった。そして『熊に注意』の看板。

登山口付近の空地へ駐車、登山者カードに記入して出発する。暑くなりそうな予感、飲料水はたいてい500ccペットボトル1本のところ、今回は2本準備。 最初のピーク赤安山までの高低差は400m、今日の行程は長い。それに暑さも考慮してやや落としたペースで登って行く。勾配はかなりきつい。汗がしたたる。ブナの若木が、雪の重さで上に伸びられずに、地面を這うようにそろって寝ている。多雪地帯であることを感じさせる。気がつくと尾根に乗っていた。登山道は手入れも良く歩きやすい。ヤマツツジが今満開、朝陽を受けて朱色がいっそう鮮やか。1時間弱、小さなコルのようなところに『赤安山』の標識が立っている。ピークと言う雰囲気ではない。すぐ先の高みの方がいくらかピークらしい感じ、そこまで登って休憩。

次のピークは越後百山の五頭山、地図を見るとかなり長い尾根歩きだ。樹間の途切れから若緑みずみずしい五頭山がうかがえる。かなり距離がある。足元にはイワカガミの花がいたるところ目につく。ウラジロヨウラクの花も今が盛りか非常に多い。

山全体がブナ林に覆われているようだ。ここはまさに豊かな自然そのもの。先だっての静岡県遠州の山はどこもかしこもスギやヒノキの単相人工林、確かに手入れはされていて一見美しいように見えるが、そこには本来の『自然』はない。五頭山へ歩を進めながら「ああ、ここには確かに自然がある」、体も心も洗われるようだ、という感を深くする。

『五頭の親子地蔵』の表示を見て脇道へ入ってみると、巨岩に彫られた親子地蔵があった。そこからひと登り、樹林を抜けて飛び出したところは、岩と砂の明朗快濶なピーク。門型の額にかかる“友情の鐘”の紐を引くと、美しい音色が山々にこだまするように鳴り響いた。ほかに石地蔵や石祠などもある。ここが五頭山山頂?しかし肝心の三角点が見当たらない。

三角点がないことに疑問を抱きながら先へ進むと、年配の登山者に出合う。先ほどのピークが五頭山山頂かを尋ねると、一峰から五峰まであって、友情の鐘のピークは五ノ峰とのこと、この先に四、三、二、一とつづき、三角点はさらにその先だと教えてもらえた。

四ノ峰には標柱と石仏、その先も標柱や石仏が鎮座していた。明るく開けたピークには大きな台座の上に『五頭??』と彫られた石碑がある。ここが一ノ峰のようだ。さらに足を進めて、中ノ沢・菱ケ岳分岐道標を過ぎようやく三角点に達した。一峰から五峰までを含めて 『越後百山』の五頭山ということだろう。五頭山の表示もなく、三等三角点の標石だけが、ぽつねんと立っているのみだった。最初のピーク五ノ峰より数十メートル低い。ここで5分間の休憩。どこから登って来たのか、見かけた初老の男性に松平山へのルート状況を尋ねてみる。自分では歩いたことはないが、歩く人もけっこう多いようだから多分大丈夫でしょう・・・という返事・。ここで全行程の3分の一、2時間35分かかっている。

松平山山頂

陽が昇ってきて暑さが増す。止めどもなく汗が流れる。松平山までは、小ピークをいくつもいくつ越えて行かなくてはならない。ボディブローのように体力消耗を促進する。ムラサキヤシオ、エンレイソウ、特に目につくのはタムジハの純白の花。ときどき松平山への道標も目につく。ルート管理はしっかりしている。

五頭山三角点から1時間15分で『越後百山』の松平山へ到着、予測したより短時間で歩くことができた。切り開かれた空間に一等三角点、傷みの進んだ標石をセメントで補修したあとがうかがえる。

地形図を見ると、次の山葵山へはもう大きな登りはなく、小さなアップダウンがいくつかあるだけ。気分的にも楽になって、途中のイワカガミやタムシバの花々、ブナ林の様子などに見入る余裕も生じてきた。溝状の窪地通過の時には残雪の上を渉ることも3回か4回あった。この標高で雪が残っているのは、いかに積雪が多いかの証だ。おっ!シラネアオイの花・・・。この花には特別な思い入れがある。それは、50を過ぎてから登山にのめりこみ、そのころ登った大朝日岳で始めて目にしたシラネアオイの気品ある姿にしばし立ち止まり見入ったのを思いだす。それ以来シラネアオイを目にすると、登山初心者だったころの自分を思い出すのが常。登山道から反れた踏跡へ入ると、すぐに本日最後の山頂“山葵山”だった。今朝から歩いて来た稜線を眺めながら、その行程の長さを改めて感じる。

山葵山を後にしてあとはひたすら下って行くのみ。高低差500m、急坂を渓流まで下り、さらに渓流沿いを下っていくと魚留滝登山口、ここからは車道を10分ほど下れば今朝がたの登山口だった。

たっぷり汗をかかされたが、充実した周回コースに満足。この夜は「道の駅阿賀の里」にて車中泊。


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