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大蔵山(864m) 菅名岳(909m) 鳴沢峰(880m)
周回コース

 
新潟
2014.06.02 単独  大蔵山 三等三角点
 菅名岳 二等三角点
 鳴沢峰 四等三角点
コース 行程 約7時間

梅雨入り前の2日間、向かったのは新潟県越後街道五泉市付近の山。

  1日目は ◆赤安山→五頭山→松平山→山葵山の周回コース。

  2日目は ◆大蔵山→菅名岳→鳴沢峰の周回コース
          ◆護摩堂山    

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【第二日目】大蔵山→菅名岳(越後百山)→鳴沢峰

昨日同様、今日も真夏並みの暑さとなる気配。 

間違えた元凶地点の道標

◆当初の予定は、小山田から林道を入った先にある菅名岳登山口駐車場へ自転車をデポ、そして登るのは“いずみの里”付近の登山口からと考え、マウンテンバイクを車に積んで行った。しかし結局どこへ下山するかを決めかねて、スタート、ゴールともいずみの里登山口からの周回にすることとしたため、マウンテンバイクは使わずじまいとなった。

◆昨夜車中泊した『道の駅阿賀の里』からは、いくらも時間はかからずにいずみの里へ到着。林道入口には、登山届を出しましょう、自然を大切に・・、山火事注意・・、松平山は健脚向きです一般登山者はご遠慮を・・・など、看板類が賑やか。簡易トイレも設置されている。林道入口には魚止滝への道標が立ち、車止めのゲートは封鎖中、こから歩くことになる。

4時20分出発。すっかり夜は明けている。登山口を見落とさないよう注意しながら林道をどんどん進む。林道歩きがけっこう長い。林道終から沢筋の細道へ入る。何回か橋を渡りかえして行くと『右どっぱら清水』、『左ツバキ平』の道標、昨日駐車場の場所確認に来た時、下山してきた登山者に、周回コースは分かりやすいかどうか尋ねると、菅名岳から “どっぱら清水”の道標を確認しながら下ればいいと教えてもらった。それを思い出して、どっばら清水からの逆コース周回もいいか・・・と思ってその方向へ進む。鳴沢峰は菅名岳から往復し、そのあと大蔵山経由で下山というルートを頭に描いた。

どっぱら清水の道標にしたがって少し登るとすぐに行き止まり・・・に見えた。これがルートならば踏跡くらいはあるだろう。観察するとそれらしい感じがなくもない。崖のような斜面に取りつく。少し攀じったが簡単なものではない。つかまる木や岩もない。精いっぱい手を伸ばして、露出した木の根につかまって体を引き上げる。これが運のつき、次の手がかりがみつからない。降りよう・・・と思ったが、目いっぱい手を伸ばして掴んだ手がかりの木の根っこ、降りるには見えない足場が確保できない。無理だ。たとえば岩場の登りでも、身体を目いっぱい伸ばして登っても、戻ることはそれ以上に難しいと聞いた記憶がよみがえる。ここは何とか安全を確保して登りきるより仕方がない。ザイルの一本もあれば下ることは出来ただろうに。落ちたら引っ掛かるものはない。絶対に止まらない、そして下は岩ときている。

ストックで根気よく土を削り足場を作る。持ちこたえられることを確認して一歩を持ち上げる。その作業で汗びっしょり。かなりの時間をかけてようやく手がかりの雑木などの生えているところまで登り着いた。しかしその先にも道はない。それほどひどい藪ではなかったのがラッキー。ブナの大木が茂る。

大蔵山山頂 菅名岳山頂

この急斜面を尾根まで登り着けば100%間違いなく大蔵山、菅名岳などの稜線となる。高い方高い方へと登って行く。歩きやすい獣道に出あうと、いっときほっとする。何とか尾根に登り着いた。立派な登山道、ここがどの地点かは不明、とりあえず高い方へ向かうと『8』という数字。つまり8合目の意味、どの山頂の8合目か。登り着いたところは大蔵山山頂だった。間違えた道標から尾根まで1時間20分、駐車場からなら2時間40分となるが、ネットの記録でも2時間はかかっているのでそれほど大きなロストはならなかった。ただし体力的負担はかなりのものだった。登山者の多いこのようなポピュラーな山での出来事にしては、何ともご粗末きわまりない。

三角点、立派な山頂表示、鐘などのある大蔵山山頂でひと息入れてから菅名岳へ向かう。山頂をわずか下った窪地に小さな避難小屋が建っていた。

この先は、下山にかかるまで不安のない尾根歩き、登山道も歩きやすく、間違えるようなところはない。大蔵山から菅名岳までは55分。『越後百山』の菅名岳山頂もゆったりとした空間、立派な山頂標識が立っている。タケノコ採りの男性に会い、道を間違えたことを話すと、あれを登ったのは凄いタフだ、と驚いていた。社交辞令も含まれていたかもしれない。このあと鳴沢峰を経由して下山するなら、小山田へ下り、そのあと林道から集落を経ていずみの里へ戻るのがいちばんだと教えてもらえた。

鳴沢峰への途中、鐘のある地点から眺めると、それほど歩いた感じはないのに菅名岳はかなり遠くなっていた。最後は急坂となって鳴沢峰四等三角点のピークに到着。これで予定の周回ピーク3つは終了、あとは下山するのみ。

『小山田』の道標がときどき出てくる。この下りを五葉尾根と言うらしい。ブナ林から針葉樹の植林帯に変わると長い下りも終盤、最後は鉄製の梯子を下って平坦地となる。ここに鳴沢峰登山口の道標があった。小沢を流れる清冽な水、手にすくって渇いた喉に何杯も飲み干した。

 
 鳴沢峰山頂  雪圧で地を這うようなブナの若木
 

そのあと林道へ出てしばらく下ると登山者用の駐車場となる。当初マウンテンバイクをデポする予定だった場所だ。あとは舗装林道を小山田へと下り、いずみの里近くの駐車場まで炎天下の歩行。国道を歩いていると一台の車が横に停車、気の毒に思って乗せてくれるのかと思って見ると、菅名岳山頂で下山ルートを教えてくれたタケノコ採りの男性だった。駐車場まで乗って行くかと誘われたが、もう少しですからとお断りして、最後までテクテクと歩いた。駐車場から1時間15分の車道歩きだった。

全行程7時間余、あのどっぱら清水のアクシデントに肝を冷やしたが、無事予定の周回ルートを終わることができた。

まだ時間が早かったので、このあと五泉市と田上町の境界にある一等三角点「護摩堂山」へ立ち寄ってから帰宅することにした。


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