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柄山(1339m)  駒休めの頭(1349m)

 
長野
2014.07.12 単独  柄山 三等三角点
コース 根上バス停付近(4.55)---落合の一軒家(5.20)---柄山峠(6.20)---柄山(6.45)---柄山峠(7.00)---駒休めの頭(7.30)---柄山峠(7.50)---落合の一軒家(8.40)---根上バス停付近(9.05)

(柄山峠の祠) (柄山三等三角点)

柄山は、位置的には白馬岳など後立山連峰の東方にあたる。その谷あいをJR大糸線、塩の道千国街道が通っている。山頂からは当然白馬三山や五竜・鹿島槍などが望見できると思っていた・・・が、そのあては外れてしまった。

旧鬼無里村から水芭蕉の群落で知られる奥裾花方面への道へ入る。しばらく走ると『根上バス停』、事前のネットリサーチでは、2kmほど奥までマイカーが可能とあった。すれ違い可能個所はところどころあるが、道幅は狭く少々不安。登山口となる一軒家まで進入したが、やはりバス停付近に駐車した方が無難、引き返す。

狭いながらも舗装された道、目のくらむような深い谷を見下ろしながら、1.8km約20分で一軒家の建つ登山口、道標が立っている。大きな家だが無人のようだ。落合沢に沿った道が延びているが地形図には登山道が記されていない。

 (落合沢の滝)

踏跡は明瞭で不安はない。昔、この道は日本海からの海産物を馬に背負わせ通った峠道、道はよく踏み込まれて歩きいい。植林か自生かわからないが、広葉樹の中に大きな杉が目につく。滝音が耳に入ってくる。近づくと、小さな沢には不似合いなほど立派な滝、名前が表示されていないかと思い、あたりを見回したがそれはなかった。

2カ所ほど目についた馬頭観音の碑石に、その昔村人が馬を引いて往来した姿が思い浮かぶ。沢の流れを粗末な丸太橋、鉄製や木製の橋、ときに飛び石を利用して何回かわたり返し、また小さな高巻を何回か繰り返す。やがて沢を離れて山腹の登りとなる。

大きくジクザグに切られた道、思いのほか緩やかに付けられている。山の作業道や登山道ではなく、交易の道として拓かれた故であろう。送電鉄塔の管理路としても使われているらしい。番号の付された黄色いプレートに頻繁に出合う。

勾配が緩んで峠に到着。小さな木の祠に「柄山峠」という表札が取り付けられている。北を指す道標は『白馬』、明瞭な山道が延びている。目指す柄山のピークは南の方向、道らしいものは見えない。その方角の斜面を適当に登ることにする。高い方へ登っていけば山頂は間違いない。高低差は100mほど、藪こぎでもたいしたことはないだろう。歩きにくいが手で押し分けるほどの深い藪ではない。歩き良いところを選び、下山用に赤テープを何カ所かつけていく。20分か25分、最高点あたりに登り着く。三角点か山名標識がないか・・・藪の中を行ったり来たり。わずか1平方メートルほど開けた空間に三角点の標石が見つかってやれやれ、ブナなどの樹林に覆われて展望は皆無。三角点標石をカメラに収めて柄山峠へ戻る。

(駒休めの頭) (馬頭観世音)

次は後立山連峰の展望だ。峠から『白馬』の道標方面の山道へ入る。すぐに送電鉄塔の下を通過。後立山方面と思しき方向を確認しながら進むが、樹林の途切れがなく展望が開けない。小さなピークを一つ越え、さらに次のピークへ。柄山峠から稜線を北へ向かって30分ほどのピーク、期待も空しくここも展望はない。持参した地図は柄山峠のすぐ北で切れている。このピークの先がどうなっているのか不明。目視では大きく下っている。ふと見回すと、このピークに古色蒼然とした道標がひっそりと立ち『馬休めの嶺○349m』と読める。荷駄の村人や馬が、ここで一服した場所と想像される。帰宅して地形図を調べると標高1335mの観測点付近ということがわかった。

水分補給をしてから、柄山峠へ戻り、来た道を足取りも軽く登山口へと下った。


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