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貝立山(937m)

 
長野
2014.10.19 単独  三等三角点
コース さかえ倶楽部スキー場駐車場(6.15)---登山口(7.35-7.40)---貝立山(8.10-8.20)---登山口(8.30)---駐車場(9.25)

絶好の登山日和、秋たけなわの陽を受けて久々の山歩きだった。

貝立山山頂

ネットを検索しても、貝立山登山記録は1件もヒットしなかった。珍しいことだ。
コンサイス山名辞典には載っていないが、国地院地形図、道路地図帳に貝立山の名前はちゃんと記載されている。好事家以外には目にもとまらない山ということだろう。

国道117号線を、新潟県境に向かって北上。県境に近い栄大橋を渡ると左手に「さかえ倶楽部スキー場」の看板がある。案内板にしたがって行けばスキー場の駐車場。
国地院地図や道路地図帳を見ると、貝立山の山頂付近をかすめる車道があるが、道路状態が何となく不安。スキーシーズンを控えて、準備の作業車などが通ったりすると、すれ違いで難儀するかもしれないし、また悪路で車体を傷だらけにはしたくない。歩けば高低差500m、距離も軽いハイキングにはほど良い感じ。駐車場から歩くことにする。

最初は狭かった道幅だかず、やがて余裕をもって走れるほどの広さになり、その上完全舗装されている。これならひ弱なマイカーでも心配することはなかった。
紅葉は色づき始めたばかりでまだ少し早い。林道はゲレンデ斜面を左右蛇行を繰り返しながら上っていく。背後に見える山は志賀高原の山々だろうか。そして千曲川の流れがまぶしく輝いている。
気まぐれに車道を離れてゲレンデの中を直登してみる。草刈が終わっているものの歩きにくい。
リフト終点を過ぎて勾配が緩くなり、右カーブに差しかかったところが、予め山頂への取り付き点と考えてきたところだ。ここまで所要時間は1時間20分。

ここからが問題、ピークまでの高低差約100mは藪漕ぎを覚悟。コンパスと赤テープを準備、足ごしらえを確認して尾根を忠実にたどることにする。すると倒れた道標が目につく。「貝立山登山口」とあり、山頂まで20分と表示されている。えっ、登山道があるの?尾根の末端にはしっかりとした登山道があった。気負っていた気持ちがいっぺんに緩む。

倒れていた登山口道標

あとは色を増してきた紅葉を眺めたり、美しいブナ林に立ち止まったりして山頂へ。歩く人はほとんどいないのか、風で折れたブナの枝などが道に散乱している。それを脇に寄せながら進む。ここ栄村は日本有数の豪雪地帯、人が生活している場所としては日本一の積雪を記録したところでもある。その記録は8メートル近く。豪雪のすごさを体験するために、真冬の栄村を訪れたことがある。

山頂の少し手前、東南に展望の開けたところがあり、標柱が立っている。文字が風化して読めない。しばし足をとめて山並みを眺める。自信はないが佐武流山、苗場山、鳥甲山、志賀の山々。遠く霞んでいるのは谷川連峰や巻機山方面だったかもしれない。

藪漕ぎ1時間以上を覚悟していたのに、山頂までわずか20分ほどで到着した。この登山道がなかったら、山頂へは無理だった。というのは、灌木類は雪圧のために下に向かって幹、枝を地面に這わせ、密生していて、それを分ながら登ることなど至難と思われる。

山頂には祠でもあったのか、台座のようなものがあり、その脇にプナの老木が一本、あたりを睥睨するように立っている。残念ながら展望は皆無。あるはずの三等三角点は、藪を分けて探したが見つからなかった。
幸運にも登山道があって山頂に立てたことに満足、駐車場へと下った。

 ブナ林  紅葉

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