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新三郎山(1682m)・天望山(1471m)

 
長野・群馬県 2015.06.10 単独行  新三郎山 三等三角点
 天望山  三等三角点
コース ●十国峠(4.25)---電波中継塔下(4.55)---1626mピーク付近(5.25)---栂峠---新三郎山(6.00―6.05)---十国峠(9.40)
●林道ゲート前(10.05)---天望山山頂付近---林道ゲート前(10.45)

佐久南ICを出てR142→R141→R299号線で、長野・群馬県境の十国峠へ。峠の標高は1351m、肌寒い。夜が明け始めたばかり、山の端が真っ赤に染まっている。
下山後、峠の展望台に上ってみると案内表示板があり、西上州の稲含山、赤久縄山、御荷鉾山、二子山、諏訪山などのほかに、赤城、妙義、榛名、武尊山などの懐かしい山々がが望見できた。

【新三郎山】
身支度を整えて出発。峠からわずか長野県側へ下ったところから林道へ入る。ゲートは施錠されているので車の進入はできない。舗装道を30分ばかり蛇行しながら上がって行く。頭上に電波中継塔が見え隠れする。車道最後の折り返し点付近で擁壁をはい上がって県境尾根の踏跡をたどっていく。すぐに小さいピークを左から巻くようになる。踏跡は薄く、草薮で道も判然としなが何とか拾って行く。

道標

四方原山方面と新三郎山方面分岐の標識が目につく。この先も栂峠、四方原山分岐標識などが2ケ所ほど立っていた。
小ピークを巻き終わった先からは、草に覆われた廃道に近い林道跡をたどる。夜露に濡れた草で、靴の中はびしょびしょ。踏跡が分かりにくいところも出てくるが、迷うことなく新三郎山へ向かって順調に進んでいく。
栂峠の標識からは踏跡を頼りに緩やかな斜面へ取り付く。花期はやや遅いが、一群れのクリンソウが咲いていた。林道痕跡の終点からは、念のため赤テープをつけながら登り切り、尾根を直角左方に進むと三角点のあるピークだった。私製山名プレートさえない寂峰という雰囲気。地図には「新三郎」と載っているが、ネットなどには「新三郎山」と『山』がつけられている。ちなみに点名は「越方」。

山頂まで1時間30分、下山は1時間強みれば十分と踏んで下りにかかった。
ところが栂峠の先から稜線を外れて巻き道をたどるあたりから何となくルートが怪しくなってきた。登りのときは、下山で分かりにくくなるという認識はまったく持てなかった。「この踏み跡らしきもので大丈夫かなあ・・・」と迷いが生じてきたとき、ふと樹木の隙間から、今いる尾根とは違う尾根に鉄塔が見える。かなり離れている。こんな間違いをするだろうか・・・。狐に鼻をつままれた感じ。何の疑いもなくそれはあの鉄塔が十国峠の電波中継鉄塔と思い込んでしまった。さあ大変、あの尾根まで移動しなくては。

新三郎山山頂

ショートカットのつもりで道の無い斜面を横断して鉄塔の見えた尾根へと移動開始。鉄塔は見えないから感を頼りにして強引に進む。藪漕ぎを終わって踏み込まれた山道に出会う。やれやれ、これを下って行けば十国峠の電波塔。疑いもなく明瞭な踏み跡を下って行く。それにしてもこんなに歩くかなあ~と不安になってきたところで鉄塔へ到着。ああよかった・・・・どころの話ではなかった。鉄塔下の林道へ降りてそれをたどる。え?こんな道があるはずがない。1キロほどで鉄塔まで戻る。

腰を下ろして地図とコンパスをにらめっこ。上を見上げ、ありゃ~一大事、十国峠にあるのは『電波塔』、今いるのは『送電鉄塔』。頭は混乱、ここはいったいどこだ・・・・。ところが持参の地図は送電線ぎりぎりのてところに半分ほど収まっているだけ、現在地は地図からはみ出しているようだ。十国峠電波塔とはかなり方向が違っていることだけは間違いない。

ここであわててはいけない、落ち着け。面倒でも戻って正しいルートを探さなくては。
かなり登り返したが、今朝がた登りに使った道という明確な記憶が重ならない。鉄塔が見えないままに、藪をトラバースしての移動で位置関係が皆目分からなくなっている。別の尾根に鉄塔を見た時、元の道と確信できるところまで戻るべきだった。

この踏跡はどうだろう・・・と感頼りに再び下った踏跡も方角的には不正解とわかり、また上り返す。
別の踏跡らしきものを目にして、これをたどってみた。藪っぽい道らしきものを進んで行くと、正真正銘の電波塔が偶然にも目に入った。わずかの木立の隙間からだった。うっかり見落とせば、さらに迷い続ける羽目に。藪を分け、脚に擦り傷をつくり、電波塔の見えた尾根へと移動。沢を一つ渡り、ようやく正しい尾根ルートに乗ることができた。電波塔と送電鉄塔をカン違いした最初の地点は正しいルートで、目指す電波塔はもうすぐのところだったのだ。下り1時間少々のはずが、実に3時間35分かけてしまった。

踏跡などがあるので、最終的に遭難などの心配は皆無だが、体力的にはけっこう大変な思いをしてしまった。

【天望山

すばらしい展望を予感させるような名前の山。しかし名は体を表さないこともある。登る前からわくわくさせる・・・が実際は藪山同然。
十国峠から群馬県側へ2キロほど下ると西に延びる林道があり、ゲートの手前が広場になっている。
ゲート右手の藪斜面から取り付く。地図を見ると高低差は130m前後、あっという間に往復できる山と思った。名前が良いのと、行きがけの駄賃に数稼ぎのつもりで立ち寄ってみた。

藪の中に薄い踏跡がかろうじて判別できる。すぐに林道を横切る。その先も踏跡のような、そうではないような・・・・とにかく上を目指して行く。もう一度林道を横切って上へ。
高低差は十分稼いでいるはずだが、三角点のあるピークらしいところが見あたらない。登る方角が違ったのかなあ。出来たばかりらしい林道が、あたりの様子を変えてしまったこともあるうる。根気強く探すほどの山ではない。まあいいか・・・・降りよう。
しばらく下ってくと靴底が変?見ると靴底のかかと部分がはがれて、歩くたびにパカパカ鳴っている。これが新三郎山の迷走中のできごとだったら大ごとになっていた。ついていたということで本日の山歩きは終了となった。


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