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2000座登頂記念登山
坊主岳=ぼうず(1961m)

長野県

2015.10.23

М氏・弟同行   二等三角点
コース

登山口駐車場(6.30)---休憩(6.55-7.05)---四等三角点(7.30-7.40)---休憩(8.20-8.30)---坊主岳(9.10-9.50)---休憩(10.35-10.45)---四等三角点(11.00)---登山口(11.35)

  50才から始めた登山。28年を経過して登った山の数が2111座となった。
「その山を1座として数えるのには異議あり」の声があるかもしれない。100座ほど上回れば一応は公言してもいいかと思い、今回の坊主岳をもって2000座登頂と公言することにした。

もちろん2回登った山も、5回登った山もカウントは1座。割り算をすると年平均70座登った勘定。人工肛門のハンディを負いながらよく登ってくることができた。
いちばん初めに登ったのは50才の時
、日本百名山の大菩薩嶺。人工肛門を気にしながら、妻が同行。まさか、これほど山へのめりこんで行くことななろうとは、思いもよらないことだった。
日本百名山、日本三百名山、信州百名山、東北百名山、一等三角点百名山、日本高峰100位の全山等・・・・積み重なって2000座を超えるにいたった。

 
坊主岳山頂 国内山岳2000座登頂記念 








2000
座登頂記念の山として選んだのは、生まれ故郷、信州辰野町の坊主岳(1961m)。今回の山行に同行してくれたのは、1年近く前から「記念幕」を作ってこの日を待っていてくれたМさんと、実弟だけ。

天気も上々という予報、木曽谷奈良井ダム湖南端付近にある登山口からの登頂。
橋の袂には、見落としようのない登山口表示がある。下り加減に少し入ると数台分の駐車スペースがある。
山頂までの高低差は約900m。陽の届かない6時30分出発。

じぐざぐの登山道をいくつか折り返すと水神と彫られた石仏や小社が並んでいる。このあと急登が待っている。
上空には雲も見えるが予報は終日の晴れ。夜明けの光に紅葉・黄葉の盛りがうかがえる。陽があたってくれば色彩も冴えてきれいな色模様が見られそうだ。

この山には登山道がなく、長いこと一般登山者の登頂は困難とされてきた。登山道が整備され、誰でも登れるようになったのはごく近年とのこと。それにしては何年も何十年も踏まれてきたようなしっかりした道だ。道は明瞭だが、足慣らしもないうちからいきなりの急登。ゆっくりしたペースで脚を運ぶ。陽が昇ってくると紅葉が少しづつ冴えてきた。紅葉をじっくりと見るのは帰りの楽しみ、今はひたすら急登を一歩一歩踏みしめながら高度を稼ぐことに専念。記念登山らしく、じっくりと味わって歩きたい。
30分ほどで一本立てる。
さらに30分近く登ると四等三角点がある。ここでまた小休止。ここまでの稼ぎは高低差の約3分の一。まだまだ先は長い。

カラマツが目立っていた林は、次第に落葉樹へと変化していく。三角点の先からは勾配もしばらくはゆったりとした感じがつづく。脚にも余裕が出る。足元では、散り積もった落ち葉の軽い音が心地よい。

樹種も次第に増えて、紅葉もバラエティに富んで来る。赤、茶、黄、橙・・・今が盛りと思わる黄葉・紅葉に目を引かれながら気持ちよく脚が進む。立ち止まってはシャッターを切る。

のんびり歩けたのはいっとき、再び勾配が増してくる。勾配はさらにきつくなっていく。紅葉にも目を奪われ、足下にも注意を怠れない。せかず急がず、ただひたすら胸突く急登を一歩一歩ゆっくりと脚を持上げ、山頂を目指す。
この青空、山頂の展望にわくわく感が広がる。急登の途中でひと息入れてから重くなってきた足を、だましだまし持ち上げ、まだかまだかにせかされて上を見ると、樹林が切れてハイマツが見えてきた。その先には広々とした笹と裸地の広場、山頂だった。

背の低い笹があるだけ、360度開けた坊主岳の山頂。頭上いっぱいに青空が広がっているのに、四周の山々・・・中央アルプス、北アルプスなどの稜線は霞に溶け込んで見ることができない。かすかに御嶽、乗鞍岳、木曽駒などがそれと確認できるのみ。近くには信州百名山の最後に登った懐かしい経ケ岳があった。

М氏が持ってきてきてくれた2000座登頂記念幕を広げて記念写真。
山頂には祠や古い石碑、真新しい碑石、山頂表示杭、ベンチ、二等三角点標石などが一塊になって立ち並んでいる。古くから木曽の人々が崇め、登っていた山ということだろうか。

2000mの標高に吹く風は遮るものもなく、さすがに寒さを感じる。これで「2000座」の区切りをつけられたという満足感に浸りながら、山頂で40分ほどの時を過ごしてから下山。

帰路、急坂は膝へのストレスが大きい。かばい、用心しながらの下り。ときおり吹くわずかな風に、カソコソと乾いた音を聞かせながら、黄葉した葉っぱが無数に舞い落ちる様が秋の深まりを感じさせる。何回も立ち止まっては最盛期と思われる紅葉に見とれ、カメラを構え、時間をかけて下山した。

高低差 約900m  休憩込みで 登り・2時間40分  下り・1時間45


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