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            黒菱山(1043m)        

 富山

 2016.06.26

 単独   黒菱山  二等三角点
 コース 林道入口(7.00)---大岩(7.10)---登山口(8.10)---展望(9.30)---黒菱山(9.40-10.00)---登山口(11.00-11.05)---林道入口(11.50)

【黒菱山・・・富山百山】

貴重な梅雨の晴れ間、無駄にしては・・・、ということで先週登った南保富士に隣接する富山県朝日町の山へ。

2時間弱、マイカーを疾駆、朝日町田中集落の登山口へ。カーナビ任せでぴったり登山口となる林道入口へ到着。「黒菱山登山口」と彫られた標石があるが、実際の登山口は林道のずっと奥にあり、ここは海抜100メートル弱、ほんとうの登山口は海抜500mのところにある。これから900mの高度を登ることになり、これなら立派な登山と言える。

黒菱山頂上―背後は毛勝山や剣岳が望める

支度を整え、さあ行くか・・・気合を入れてスタート。
駐車場所から100m奥の林道入口は、金属性の扉でシャットアウト、横の隙間をすり抜けて長い林道歩きが始まる。実用に十分たえられる舗装道だ。10分ほど進むと三角形の巨岩があり、石仏が二つ並んでいた。この岩にはきっと名前があるのだろう。

右手足下の谷川は、堰堤をいくつも繰り返しながら、次第に深い渓谷へと様相を変えていく。苦にならないほどの勾配だが、登山道取付=登山口までは高低差は緩やかで苦にならない。渓谷の濃い緑が目に染みる。堰堤から落ちる滝が、耳障りでない程度に音楽を奏でているかのよう。左手から支流が合流すると、かなり勾配のある大きなカーブをS字状に4回ほど曲がる。やがて地道に変わり、崩落した土砂が道幅いっばいに覆っているところもある。ここからは二輪車でも無理だ。

このあと、舗装になったり、ダートになったり、あるいは雑草のはびこった道になったりを繰り返して登山口へ到着。ここまで1時間10分、高低差400mの稼ぎ。この後山頂までの高低差450m、本格的な登りが待っている。

清流を渡渉して急な山道へ

赤・青のヤマアジサイが咲く小さな流れを飛び石で渡渉、「黒菱山登山口 山頂120分」の道標からいよいよ急峻な山道へと取りつく。最初は確かに厳しい急登、足元も滑りやすく、足の置き場を確かめながら登って行く。その急登も間もなく明瞭な尾根道となり、歩きやすくなった。しかし勾配はかなりきつい。

時間はたっぷりある、急ぐことはない。落葉樹と灌木の林、山頂付近まで展望はほとんどない。花などの気分転換の材料もなく、根気よく黙々と足を運ぶのみ。そのうちに雑念が消えていくような気がする。きつい、疲れたという感覚も薄れ、ただひたすらペースを変えず、休憩することもなくき、上を目ざして足を運ぶ。隠れるように一かたまりのギンリョウソウ(幽霊茸)が目につく。 こんなものでも気分転換には役に立つ。

登山口から1時間15分、少しだけ切り拓かれた場所がある。眼下に家並と日本海が望めるものの目を惹くような展望はなく、2分ほどの立ち休みで山頂へ向かう。ここからは平地を歩く感じで、10数分もかからずに黒菱山山頂に到着した。道標にあった120分のコースを80分の所要だった。80の爺には上出来。「疲れた~っ」という感じはない。

刈り払われた赤土の山頂、汗に濡れた体にそよ風が心地いい。明朗快活な山頂には二等三角点標石、山名標柱、それに自然石に黒菱山と彫られた径30cmほどの石標があるだけの落ちついた雰囲気が好もしい。展望は以前登ったことのある僧ケ岳から残雪の毛勝山など。間近には1週間前に登った南保富士・二王山、そして翌日登る予定の大鷲山なども確認できる。上空にはフワフワと浮ぶ綿雲。そして眼下には日本海と朝日の街だろうか。

思ったより楽に登れたことに満足して、20分の滞頂で下山の途についた。
この山で出会ったのは、好天の日曜日にもかかわらず、登山口付近でこれから山頂を目指すという二人組の女性だけだった。
下山が12時前、時間つぶしをどうしようか・・・そこまでは考えていなかった。持参の地図を広げると、車でわずかに移動すれば、最禅集落付近に「城山」という249mの低山がある。ついでに登るには格好な山。数分走ると最禅集落、城山公園の道標が立っていた。(城山の記録はこちらへ)


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