山岳巡礼  hkk-1538
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  寺地山(1996m)

 富山・岐阜県

 2016.09.09

単独  三等三角点 
 コース

飛越トンネル南駐車場(7.45)---送電鉄塔(8.15)---アスナロノ?の大木(9.20)---打保ルート分岐(9.40)---鏡池平(10.20)---寺地山(10.35-10.50)---打保ルート分岐(11.45)---駐車場(13.15)

『富山百山』―『岐阜120山』

未明3時半自宅を出発。上信越道から北陸道へ入ったあたりから雨。ところによってはワイパーが追い付かないほどのひどさ。天気予報にだまされたか・・・・幸い立山ICを出るころには曇り空ながら雨の降った形跡はない。

亀谷から有峰林道へ入る。薬師岳登山の折に2回走ったことのある道。林道とは言え全面舗装で幅員は一般道並み。有峰林道終点から飛越トンネルを抜けると大きな駐車場があり、北の俣岳登山口の標識がある。広い駐車場に車はたった2台。雨ではないが霧が間断なく流れている。案内板には寺地山3時間の表示。このルートには「飛越新道」の名がつけられている。

寺地山山頂

登山道の踏み込まれ具合から、ルートの心配はなさそうだ。飛越トンネルの上を越えるように、急登をひと登りすると送電鉄塔が霧の中に立っている。
登山口から山頂までの標高差は500m余、頑張れば1時間余で登れる程度。道標の3時間はサバの読み過ぎと思ったが、歩いてみると休憩込みで2時間50分を要した。いつものペースよりゆっくり歩いたこともあるが予想外だった。

大きなアップダウンはないが、いくつものコブを越えなくてはならないということに加えて、意外に歩きにくい道だったのが時間のかかった要因。昨日まで降った雨が水たまりを作り、それでなくても湿地の多い登山道、その証拠に道端にはミズバショウの葉がたくさん見える。沼状の水たまりを繰り返し右、左と避け、飛び越し、ときには脇の藪の中へ入ったり、ぬかるみに足首まで泥に沈んだりと、スピードの足を引っ張られ続けでうんざり。ズボンは膝から下は泥だらけだ。

紅葉鮮やかなツタウルシ、倒木の陰のキノコ、コゼンタチバナの真っ赤な実、一本だけ目立つダケカンバ、アスナロだろうか巨木3本が寄り添う様子、オヤマリンドウの明るい紫花・・・景色はなくても、気持ちを癒してくれるものはいくらでもある。

ときおり霧雨が舞うが大きく崩れることはなさそうだ。1時間55分歩いたところで神岡新道と合流、これは神岡町打保から登ってくるコースで「草刈はしていません」と表示されている。つまり登山道の整備はしていないということ。飛越新道が拓かれる以前に使われていた登山道ということだろうか。

鏡池

分岐からは勾配も緩くなり、高低差100mほどのコブを一つ越えれば目的の寺地山。
小広く開けた草原に出る。直径2mほどの池塘、『鏡池平』と表示されている。1cmほどの可憐な白花はイワイチョウ、穂花が紅葉したイワショウブなど湿原の植物のほか、鮮やかな紫花はオヤマリンドウ。しばしカメラに収めたり眺めたりしてから目指す寺地山への最後の行程を進む。

分岐までのぬかるみ道とちがい、それ以降は比較的歩きよくなった。鏡池以降も、小規模ながら草原の空間が2、3か所目につき、高木も少なくなって高山の雰囲気が感じられるようになってきた。分岐から1時間弱で寺地山の山頂表示のあるピークへ到着。

三等三角点があるはず、探したが不明。山頂の切り開きに、三角点標石に似た石柱があるものの、形状は頭が丸くて国地院のものとは異なるし、刻字も判読不明。周囲の藪の中を少し探したがそれらしいものは見つからなかった。

晴れていたら展望はどうだっただろうか。この尾根をさらに進めば北の俣岳、以前薬師岳から黒部五郎岳へと縦走したときに通過した山だが、今回はガスで目にすることはできなかった。しばし休憩の後、登山口へと下山。雨具を装着するほどの雨にならなかったのはラッキーだった。

このあと、有峰林道の途中に駐車して車中泊、明日の鉢伏山に備えた。


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