hkk-572 山岳巡礼≫のトップへ戻る  

鉢伏山(1576m) ・ 飯森山(1595m)

福島県 2005.10.21 単独 マイカー 飯森山 一等三角点
鉢伏山 三等三角点
コース 日中ダム駐車場(5.40)−−−見晴台(6.15)−−−薬師(6.50)−−−大倉神社(7.40)−−−地蔵・赤沢分れ(8.20)−−−鉢伏山(8.50)−−−県境分れ(9.25)−−−飯森山(9.30-10.00)−−−鉢伏山(10.40)−−−大倉神社(11.40-11.45)−−−薬師(12.20)−−−見晴台(12.40)−−-日中ダム駐車場(13.05)
≪福島県秋の山旅−15−≫
全国一等三角点標高順90位の山。この飯森山で100位までのすべてを登頂完了。
100位までの一覧表はこちらへ

飯森山一等三角点にて
会津地方の飯森山と言えば、誰しもあの白虎隊の飯森山(372m)を連想する。しかしこの飯森山は山形市との県境付近、このあたりでは飯豊連峰にひけをとらない堂々たる中級山岳である。
一等三角点標高100位までの山を全部登りたいと思い、一つ一つ消化してきたが、ようやく最後の飯森山へたどりついた。

前日郡山市近郊の額取山へ登ったあと、喜多方市「道の駅・喜多の郷」で車内泊。道の駅から夕日を浴びた飯森山がよく見えていた。(見えたのは鉢伏山かもしれない)

翌未明、R333号で米沢市方面へ向かって走り、日中ダムの道標で右折、ダム湖を目ざす。堰堤付近の駐車場に車をとめる。まだ薄暗いがすでに無人の自動車が1台止まっていた。
足元がはっきりするまでしばらく車内で待機、5時40分に出発。
車道を2,3分進むと登山口がある。「日中飯森山登山口」の道標や登山案内図が立っている。

薄暗い杉の樹林を登り始める。資料では厳しい急登となっていたがそれほどには感じない。急登より左膝の痛みが気になる。昨日の額取山の途中から痛みはじめた。長くつづいた痛みも、今年の春で何とか治った気がしていたが、10月初旬に北ア笠ケ岳を日帰りした無理がたたって、またぶり返してしまったようだ。左膝を気にしながら足を運んで行く。樹林は落葉樹へと変わる。いかにも自然豊かな森を感じさせる。

尾根の感じになってからさらに急な登りをひと踏ん張りすると、『見晴台』の道標地点に登りつく。ここまで35分、膝をかばいながらにしてはまずまずのペースに安心する。見晴台となっているが展望はない。
行程はまだ序の口、これから飯森山目ざしての長大な尾根の登りがつづく。国土地理院の地図を見ると、飯森山までの尾根筋には大小9つのピークがある。これを越えて行かなくてはならない。休まずに先へ進む。この長大な尾根ルートはブナの原生林がすばしらい。そのブナ林を目にするだけでも歩く値打ちのあるコースだ。
息を切らせるような急登はないが、ただひたすら延々とした尾根を行く。土に埋もれたような石祠に『薬師』の道標が見える。薬師を過ぎた先から右手に磐梯山が姿を見せてきた。これから先は樹木の切れ間から右手に磐梯の姿がお供をしてくれる。
今回の福島県秋の山旅のメイン山行飯森山は、期待したとおりの晴天になってくれた。山頂での展望が待ち遠しい。

スタートして2時間、大倉神社に着く。石祠なのかただの石なのかわからいな。この先大倉の頭に三等三角点があるはずだが、どうやら登山道は三角点を巻いていたらしくて確認できなかった。ここでようやく行程の半分、まだまだ先は長い。

鉢伏山付近から見た飯森山
森林限界を抜けたわけではないが、それも疎林となって展望はいっそう良くなってきた。大倉神社から30分、『地蔵・赤沢分れ』の表示がある。地図上に記されている分岐地点だろうが、その分岐コースはわからないまま通り過ぎてしまった。

『血の池』と表示のある湿地には、どんぶり一つ分ほどの水溜りがあるだけ、わざわざ表示するほどのものには見えず、その先のコルには『高倉窪キャンプ場』の表示があるが、どう見てもテントを設営するほどのスペースには見えなかった。

展望に目をやりながら、ひとしきり登って1482メートルの目立つピークに立つと、鉢伏山のきれいな三角錐が目の前にあらわれた。ここでダムに止まっていた車の主が休んでいた。暗いうちからスタートしたらしい。目的の飯森山はその真後ろにあってまだのぞむことはできない。ここも休まずに通過、いったん大きく下って登り返すと三等三角点鉢伏山のピークだった。360度の大展望が広がって飯森山も目の前にある。相変わらず雲ひとつ見当たらないような好天、休まずに飯森山への最後の行程にかかる

100メートル下って100メートル余を登り返すだけ、簡単に山頂へ達するように思えた。痛む膝をかばいながら、休憩なしで3時間10分も歩いてきたわりには軽い足取りでコルへの下りにかかる。
鉢伏山までの歩きいい道とは様変わりして、道は細まり藪がからんだりしてきた。子安神社の表示を見て下って行くと、コル付近は小さな凹凸をともなって、いくつもの湿地がつづき、ミズバショウの植生も確認できる。このあたりはかなり遅くまで雪田になっているのだろう。湿地には種蒔神社の表示もあった。登山口から見えるこのような表示はかなり年月を経た古いもので、新しく取り付けられたものはまったく見当たらなかった。
うっかりするとずぶずぶと足の埋まってしまう湿地を過ぎ、最後の登りにかかる。やや急な直登が終って山頂の一角に登り着くと『県境分れ』の表示がある。目ざす一等三角点は東に向きを変えて少し進んだ先にあった。

小さな刈払いの中に、待望の一等三角点が迎えてくれた。飯森山の山頂を示す標柱もなく、孤高を守るかのように静かにたたずむ山頂がかえって好ましい。赤く実をつけたナナカマドの陰に何かある。道も延びている。30メートルほど行ってみると、三角点の場所より少し小広い感じがするところに石祠が2基並んでいた。

三角点に戻って展望を楽しみながら始めて休憩をとった。
山頂の展望は360度さえぎるものはない。歩いてきた長い尾根を振り返ると多少の感慨を起きる。すぐ先には東北百名山『栂峰』のピーク、鉢伏山もなかなかいい姿をしている。さらに視線を延ばすと何と言っても飯豊連峰、こんなに間近に見えるのが意外な気がする。しかし雪のない飯豊はごく平凡な山巓にしか見えない。そして吾妻連峰、安達太良、磐梯などの名峰がシルエットで並んでいた。

これで一等三角点の標高100位までの山をすべて登り終わり、一つの区切りとして記念すべき山行となった。
30分の滞頂で下山にかかる。下りは登り以上に膝への負担が大きい。急坂は横歩きのようにして負担を軽くし、ゆっくりと足を運ぶため、下りだというのに時間がかかる。登りは3時間50分で予想外に早かったが、下りの3時間5分はちょっとかかり過ぎだった。

下山後、翌日予定の小野岳登山口となる大内宿へと車を走らせた。

快晴のもと、写真になる展望もあってデジカメでかなり撮ったのに、スマートメディアに異常が生じて画像をPCに転送できません。仕方なくカメラの液晶画面に映して、それを別のデジカメで撮って何とかそれらしい画像にしたのが上の写真です。
この福島県山旅の日程表はこちらです
 
≪山岳巡礼≫のトップへ戻る