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三沢山=みさわやま(1505m)

長野県 2005.11.10 単独 マイカー 三等三角点
コース 林道菅入線入口(6.25)−−−林道終点登山口(6.45)−−−稜線(7.35)−−−三沢山(7.50-8.10)−−−林道終点(8.55)−−−林道菅入線入口(9.15)
≪志賀高原の東方に隣接するマイナーな山≫
三沢山山頂の石祠


三沢山は地元ハイカーにも馴染みが薄く、2万5千図にも登山道が記されていないマイナーな山である。登山口は湯田中温泉郷穂波温泉の奥にある。

中野市から志賀高原方面へバイパス道を行く。佐野・角間の標識で左側道へ入ってすぐに右折、バイパス上の橋を渡りまた右折。あとは道なりに山ノ内南小学校の前を通り抜け、菅集落を目指す。集落が終ってなおも走るとちょっと目に付きにくいが左側に「御岳神社・不動尊」がある。ここを左折する。しばらく行くと右カーブ地点に広場がある。左に分岐する道が「菅入林道」で標識も立っている。菅入林道は一般車進入禁止となっている。

広場に車を止めて出発。ここは標高850メートル、気温は0度前後だろうか、寒い。
林道の路面状況は良好、道幅もあり車で入っても問題はなかったようだ。20分弱で林道終点となり小さな広場になっている。うまく止めれば10台ほどは駐車できそうだ。木の幹に「三沢山登山口」という小さなプレートが付けられていた。
山道へ入るとすぐに丸木橋がある。この橋を渡らずに左手にも踏跡が見えるが、三沢山へのルートは丸木橋を渡る。杉林の陰鬱な雰囲気の狭い沢沿いをたどると、10分ほどで石垣の脇を通過する。やがて流れが消えると、三角形の錆びたトタン小屋が打ち捨てられたよう登山道脇に目につく。

小屋からは次第に勾配が増していく。ひと登りすると休憩適地があり、ここからさらに本格的な登りとなる。ザレ気味の急登は足場が悪く歩きにくいが、それもひとしきりのことで、急登が終ると杉林を抜けて落葉樹林へと変わる。すでに落葉し終った林は冬木立の趣も濃い。梢の上には真っ青な空がどこまでも澄み渡っている。杉林に加えて陽の届かない北斜面の陰気さからようやく開放された。

足場の悪いトラバースをすると間もなく尾根が近づいてくる。冬枯れの樹林にシラカバの白い幹が目立つ。厚く散り積もった落ち葉は、ハイカーたちに踏みしだかられることもなく、積もったままにふかふかしている。ルートは尾根上まで行かずに、尾根のすぐ下を平行するように上へと延びている。
無風、梢のささやきもなく、小鳥の啼く声もなく、わずかに落ち葉を踏む乾いた軽い響きがあるだけ。間もなく雪がきて、山は冬の眠りに入っていく、その端境期の寂しさ、ちょっとセンチな気分を誘う冬木立の味わいも悪くない。

小さな稜線鞍部に登りつく。ここでコースは左へ折れて平坦道をほんのわずか進むと、左手の稜線へ取り付く。あとは山頂までやや急な登りがつづく。林床は笹に覆われているが登山道は刈り払いによって歩くのに何ら支障はない。2箇所ほどロープのあるところもあるが、頼る必要もない程度の道を登りきると石祠があり、樹幹に「三沢山」の小さなプレートが取りつけられている。
三角点の山頂は石祠背後の高みで、コナラ、ミズナラ、赤松の樹木がまばらに取り囲み、展望はあまり良くない。樹間から志賀の山々や四阿山、根子岳らしい山が垣間見えるだけだった。
展望は石祠のところからがいい。西側が切り開かれていて、妙高、黒姫、飯縄、白馬、五竜岳、鹿島槍などを望むことができた。

20分ほど展望を楽しんでから同じコースを戻った。
里山と呼ぶほどちゃちな山ではなく、行程標高差も650メートルある。林道終点の登山口と山頂とに、申し訳程度の標識があるだけの、わびしいほどの地味な山だった。
 
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