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京ケ倉=きょうがくら(990m)

長野県 2005.11.21 単独 マイカー 三角点なし
コース 万平集落先の登山口(11.20)−−−おおこば見晴台(11.40)−−−稜線分岐(12.10)−−−京ケ倉(12.25-12.45)−−−稜線分岐−−−剣刷山往復15分−−−稜線分岐−−−登山口(13.45)
≪小粒ながらビリッとした味わいのある山≫
京ケ倉ピークへの岩場
早朝ジョギングで汗を流したあと、これという用事もなくのんびりと時間を過ごしていたが、もったいないような青空は小春日和を絵に描いたような陽気。思い立って小さな山をインターネットで見つけて10時過ぎに家を出た。

目指すは長野市と松本市の中間あたり、生坂村の京ケ倉山。低山ながら生坂ダムの北に険しい山容を見せる山である。
長野市方面から19号線を南下、生坂トンネルの手前で右折して村内へ入ってゆく。上生坂の信号で左折、曲がりくねった細い道を少し上がったところの分岐を右へ向かう。このあと、いくつか道が交差したりしていてわかりにくいが、道なりに進むと万平集落入口でT字に付きあたる。ここを右折してさらに道なりに進むと林道のような道に変わると「こや城登り口」の標柱が目に付く。その先右手に墓地、さらに古い建物があり、大きくカーブするところに京ケ倉登山口の道標が立っていた。カーブ地点には3〜4台駐車可能なスペースがある。

取付の踏跡は薄いが、登りはじめるとすぐにはっきりしてくる。急坂をわずか登ると小さな突起で黄葉した樹林に囲まれて石祠が一基佇んでいる。
トラバース気味の平坦道から勾配が増してきて、ひと登りすると「おおこば見晴台」と表示された展望地に出る。眼下に緑色の水面を見せる生坂ダム湖と蛇行する犀川の流れ、黄葉の丘陵山地の先には白銀の北アルプスという絶景が広がっていた。
平日、無名に近いこんな山でハイカーに出会うとは思ってもいなかったが、中年の夫婦連れに出会ってお互いにびっくり、「クマかと思いました」なんて言われてしまった。

赤松、落葉樹の混生林の中、登山道脇には年代物の老松が数多く目につく。盆栽を大型にしたようなみごとな松もある。痩せた尾根を絡む道は、大きな岩も出てきて転落の恐れもあるので足元に油断できない。低山と言って侮るわけにはいかない険しさ。道標に尾根直上ルートは×印がつけられ、左のトラバースへと誘導している。
落葉した樹木の隙間から京ケ倉の槍のように突き出した姿が垣間見える。岩肌が陽に照らされていっそう険しさを感じさせる。

京ケ倉からの展望 左から爺・鹿島槍・五竜岳
立ちふさがるような大岩の基部を通過して、固定ロープなどに助けられ稜線へ登りついた。ここには「万平下り口」の表示と「左京ケ倉、右剣刷山」の道標がある。剣刷山は後まわしにして京ケ倉へ向かう。
稜線を小さく下ってからピークへの登りとなる。稜線はほとんど痩せた岩稜で、ロープや木にしがみつきながら登って行く。蟻ノ戸渡のような岩の通過もある。展望も一気に開けてきた。岩の上に立つと見とれるような大展望、景色と足元を忙しく目を行き来させながら山頂へと到達。たった990メールの標高とは信じられないような高度感と展望がある。
ここがのろし台であったこと、生坂山脈の最高峰であることなどが表示されていた。赤松が邪魔で北アルプスの一望はかなわなかったが、爺、鹿島槍、五竜岳、白馬など北部の名峰や、高妻、頸城山塊などの銀嶺の眺めがすばしらい。
山頂から少し下からは東信の四阿山、烏帽子岳など、さらに北アルプス南部から乗鞍岳まで望むことができた。
好天に誘われて、ほんの思いつきで出かけてきた山だったが、思わぬ大もうけをした気分で20分ほど展望を楽しんでから山頂をあとしにした。

稜線分岐まで戻り、数分先の剣刷山を往復することにする。
剣刷山は、地図に四等三角点が記されているがどこにあるのかわからなかった。露岩の好展望台で、ここからも生坂ダムを前景にした北アルプスの景観にしばし目を凝らしてから、来た道を登山口へと戻った。

(京ケ倉から大城を周遊するコースがあるという。次回はこれを歩いてみたい)
 
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