北志賀 竜王山=りゅうおうさん(1930メートル)
長野県 | 2006.03.07 | 単独 | マイカー | 竜王山 三等三角点 | |||||
コース | 山頂リフト終点(9.35)−−−1900m三角点(10.10-10.20)−−−山頂リフト終点(10.45)−−−竜王山最高点1940m(11.00-11.10)−−−山頂リフト終点(11.35) | ||||||||
竜王山には二つのピークがある。その両方を踏んできた。 最高点ピークは1930メートル 三角点ピークは1900メートル
スキーと雪上トレッキングをかねた欲張りプラン。天気は文句なしのピーカン、北志賀竜王スキー場は一足飛びに春が来たような穏やかさ。 まずはロープウエイ運転開始まで、リフトを使って何本かゲレンデを滑ってからロープウエイで山頂駅へ。ここからクワットリフトに乗ればそこはもう竜王山山頂の一角で『竜王山1930m』の標識が立っている。ただし最高点はここから少し登った先となる。 スキーを山頂駅付近にデポ、スキー靴にワカンを着けて先に1900メートルの三角点ピークへ向かう。 ゲレンデを外して人の入った形跡のない樹林へ踏み込む。コル方向へ緩く下って行く。ブッシュはすべて深い雪の下、シラビソとダケカンバの疎林帯は自由自在、どこへコースを取るのも気の向くまま。雪上に見えるのはウサギの足跡と雪の上に落ちる木立の影だけ。降ったままの新雪状態で、踏むのが惜しいような純白無垢の雪。 ワカンがきいて思ったほど足は沈まない。まさにルンルン気分の雪上トレッキング。 コルからは緩やかな斜面を三角点へと登って行く。どこを歩こうと足跡が残るので何の心配もない。だいいちすぐ近くにはスキーの滑走コースがあるのだ。 あまりに気分がいいので、三角点ピークへまっすぐには登らずに、目に焼きつくような素晴らしいダケカンバ、シラビソと雪の織りなす雰囲気の中を、あっちこっちと写真を撮りながら曲りくねり、楽しみながら進んで行く。たいした登りも感じないままにシラビソの点在する三角点ピークへ登りつく。立ち枯れた大きなダケカンバが純白の雪の中にひときわ目立つ。 三角点標石は深い深い雪の下で確認するすべもない。展望は南面しか開けていない。見えるのは志賀の笠ケ岳、横手山、焼額山など。誰一人入った痕跡のない無垢の雪に覆われた山頂を独り占めしている気分は、まさに値千金の贅沢、至福そのものだ。次に踏む予定の竜王山最高点のピークが間近に見えていた。 しばらく雰囲気を楽しんでから山頂をあとにした。 帰りも自分の足跡に頼らず、ウサギの足跡を眺めたり写真を撮ったりしながら逍遥気分で疎林帯を気ままに歩いて出発地点へと戻った。
丘状の大きな雪原にダケカンバやシラビソの疎林が広がっている。どごがピークとも知れないようなゆったりとした地形だ。足の向くままに丘状の頭を一つ越える。ここが最高点のようにも思えるが、まだ先にも何かありそうな気がする。下って行くと南側が急傾斜で落ち込んだ縁へと出て展望が一気に開けた。 北アルプスの白馬から穂高まで、天との境界を画すようにして銀嶺が延々と連なっている。しばらくこの景観に見入る。竹竿に赤布標識、ここは奥志賀から竜王にかけての山スキーツアーコースになっているのを思い出した。この疎林帯の中で始めて目にする人間の痕跡だった。 景色を眺めたあとさらに歩を進めて着いたピーク、ここが最高点の1930メートルだろうか。この先、ここより高いピークはもう見当たらない。谷底からざわざわと風の騒ぐ音が聞こえてくるだけ、あとは静寂そのもの、樹木もまだらで処女雪然とした純白の雪に覆われている。先ほどの三角点ピークが目の前に見える。横手山、岩菅山などのほか苗場山、鳥甲山がよく見えている。 このまま引き返すのが惜しくて、なだらかな山頂一帯をぐるっと一回りするようにして戻った。 2時間ほどのすがすがしいトレッキングだった。 写真集はこちら http://www.roy.hi-ho.ne.jp/h-nebashi/a-1.htm (2006.3月末まで) 輪かんトレッキングのあとはゲレンデスキーを楽しむ。 下まで戻るにはロープウエイにするか、それとも滑って降りるか。滑降するのは木落しという標高差700メートルの難コース。12月のときは新雪でコブが隠れていて、キックターンを繰り返したりして何とか降りられたが、今回は数段難しくなっていた。斜度は40度というすごさ、それに大きなコブがもろに顔を出し、加えて雪面はがりがりの凍結状態。私の技量では横滑りでずり下がっていくのがやっと。若者が途中で転倒、外れたスキーはそこに残り、体だけがそのまま斜面を滑って数十メートル下でようやく止まった。 最終部分の勾配が緩んでだあたりから滑降に入ってみたが、それでもアイスバーンかつ斜度もかなりある。大転倒してしまった。一般ゲレンデに出たころには大汗をかいていた。 あとは春のような陽気の中、一般ゲレンデでたっぷりと楽しむ。スキーとトレッキングを満喫した一日だった。 |