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伊那谷辰野町 近江山=オおみやま(1447メートル)

長野県 2006.03.10 単独 マイカー 近江山 三等三角点
コース 大横川林道T字交差点(7.55)−−−登山口(8.10)−−−稜線(9.25)−−−近江山(10.25-10.30)−−−大横川林道T字交差点(11.120)
穴倉山頂の石碑群

生まれ育った郷里の近江山は、昨日登った穴倉山に隣接するような位置関係にある。

153号線『横川』の信号から県道201号線へ入り、『かやぶきの館』の案内看板を目印にして車を走らせる。かやぶきの館先の角を左折、すぐに右手に10台分ほどの駐車場があるのを目にして通り過ぎると、今度は右手に入ってゆく林道がある。凍結したこの林道をわずかで『大横川林道』へ突き当たる。雪がなければここを右折して30メートル先にある作業道向山2号線へ入って登山口まで行けるが、今回は轍の跡もなく少し不安もあったので、大横川林道へ突き当たったところへ車を止めた。

作業道向山2号線へ入り、15分ほど歩くと近江山登山口の表示がある。樹林の水平道へ入るとすぐに沢状地形の登りとなる。一斗缶の空き缶が一定の間隔で木にぶら下がっている。熊脅しのものだろう。
近江山は地元の小さな小学校(川島小)の子供たちが毎年登山をしていると聞いた。そのせいもあってか人知れない山だが、雪で覆われたコースも道型は読むことができる。次第に勾配がきつくなりアイゼンを着用。雪の急登はエネルギー消費も大きく、体力の消耗も意外に早く進む。
やがて雪も深くなり道方が読みにくくなってしまった。赤布が残されているのでそれを目当てにしたが、かえって歩きにくい。適当に上を目指して自分勝手なルートを開いて行く。邪魔をする薮と足を取られる雪で、なかなか高度を稼げない。どこを歩いても足跡が残るので帰りの心配がないだけ気は
楽だ。尾根へ登りつけば道型ははっきりすることを期待して、右、左とルートを変えながらようやく尾根へ飛び出した。
地図と睨めっこするがどの地点にいるか判然としない。下る方の尾根へ間違って進みはじめたが、変だと気づいてすぐに戻る。もう一度地図を確認、どうやら1404メートル標高点と1318メートル標高点の間にいるらしい。
雪ではなく、小雨が舞うように降りだした。みぞれにならなければいいが。早いとこ山頂を踏んで下山しなくてはと気が焦る。

コンパスで方向を確認して1404メートル標高点を目指す。すぐに急勾配の登りとなる。キックステップで一歩一歩登って、平坦地形のピークに着くと、近江山への手製の道標が目について「やれやれよかった」という安心感が湧く。
ここからごく緩い下りに入り、鞍部を過ぎると登り勾配に変わる。積雪も薄く、道方もはっきりしていたが、緩い登りが次第にきつく、雪も深くなってきた。キックステップでひと踏ん張りすると山頂へ到着。
山頂には雪はなく三角点標石が見えている。乳白色の霧に包まれて、川島小学校登山記念の小さな杭がぽつんとあるだけ、侘しさだけが漂っていた。

下山は、足を取られて歩きにくかった雪の急斜面も、薮を避け、見当をつけて直線的に滑り降りるように下って行った。
往路2時間半かかった登りが、復路は50分もかからなかった。
 
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