渋田見山=しぶたみやま(1554m)

長野県 2006.03.30 山友Mさん同行 マイカー 三等三角点
コース 内ノ山林道途中駐車(9.20)−−−水道施設(9.25)−−−渋田見山(10.10-10.15)−−−林道(10.45)−−−駐車場所(10.50)
渋田見山山頂
楽しみにしていたMさんとの渋田見山、地図には登山道が載っていないが、なにしろ東信の山だったらMさんに任せておいたら心配なという精通者、大船に乗った安心感がある。
今日は降雪予報で天気の方はイマイチ、天は二物を与え給わず。天気も良し、相棒も良しとはいかないようだ。

丸子町から美ケ原公園沖線(県道62号)へ入って美ケ原方面へ向かう。『練馬区少年自然の家』の看板を見て右折、自然の家の先からは内ノ山林道となる。林道の路面は凹凸が激しくノロノロ運転、普通の乗用車ではしんどいかもしれない。標高が高くなってくると路面を雪が覆ってきた。車体の腹を雪にこすりつけながら、走行限界と思えるところで駐車、あとは歩くことにした。

ちらちらと雪が舞いはじめた。大降りの中を登るのは嬉しくない、早いところ登ってしまうことにする。8年前に登頂経験のあるMさんの記憶で林道を先へと進む。
水道施設らしい建造物のところで地形などの様子を確かめてから、何となく踏跡らしい形跡を見つけて山腹へ入った。水道施設の脇からほぼ水平に西へ進んだが、すぐに踏跡は消失、戻ってルートを探しなおすかどうか相談、「このまま稜線へ直登しよう」というとになる。二本の支尾根のうち、西側の支尾根が歩きやすそうと判断してこの尾根を選択した。天気も気になるし、無理だったら途中引き返すことにして急峻な斜面に取り付いた。踏跡らしいものが交錯しているが、これは人間のものではなく鹿道らしい。樹林の斜面は幸い下薮が薄いために薮こぎの苦労がないのがラッキーだった。

雪がひどくなって視界が利かなくなったときのことを考え、途中から下山時の目印として赤布を残すことにする。ざれ気味の斜面を直登したり、ときには鹿道を追ったりしながら攀じ登って行くのは思いのほか体力を使う。額からは汗が流れ落ちてくる。
傾斜が緩んで林床は膝丈の笹地帯に変わる。笹は茎の部分だけで葉はほとんどない。葉は鹿のご馳走になってしまったらしい。おかげで歩くには大変都合がいい。

樹間を透かして薄く見え隠れする稜線を眺めて様子をうかがうが、これを突き上げたところが渋田見山なのか、あるいは稜線の一地点なのか、はっきりとは認識できない。Mさんの登ったときの記憶とはかなり様子が違っているという。やがて勾配が緩んで丘状のなだらかな斜面となって、東側にあった尾根が合流した。その様子などから、このまま登りきったところが渋田見山山頂と確信する。
案の定、緩やかな斜面を鹿道に導かれて足を進めると広々とした平坦なピークとなる。渋田見山と確認するために三角点を探すと、平坦部の奥の方に雪から頭を出してる標石が見つかった。三角点以外に山頂を示す標識などは一切見当たらず、あまり話題にもならない寂峰らしい佇まいをみせてた。
山頂部はシラカバやナラなど芽吹き前の落葉樹林が気持ちを癒してくれるようだ。天気がよかったら1時間ほど昼寝でも楽しみたいような素敵な空間だった。晴れていれば樹間から北ア方面の展望が得られるかもしれない。

雪が本降りとなってきた。
帰りは当初Mさんが予定していたルートを下ってみることにした。山頂から北北東の尾根へ入る。かなりはっきりした踏跡があったが、駐車地点へは途中で尾根を外して南方向へと斜面を下らなくてはならない。枝にぶら下がっている空き缶がその目印と判断して尾根から南向き斜面へ方向転換、そこからは踏跡を追うことができず、あとは感を働かせて樹林の間を縫うようにして下って行く。感頼りとは言え、Mさんがいる限り特に不安はない。間もなく小さなピーク状の弛みとなる。このあたりでMさんの記憶は明瞭に復活、南西方向の窪み状の地形を下って行くと、間もなく林道へ降り立った。
雪は激しく降りつづいている。降り立った地点と駐車場所との位置関係がはっきりしない。林道を少し下ってみると、すぐに登りのときの水道施設の前だった。

帰りは武石村のフクジュソウを観賞し、岳の湯で冷えた体を温め、そのあとMさん宅にお邪魔してひと時をくつろがせてもらった。
 
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