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 追想の山 カナディアンロッキー
Bee-Hive=
ビーハイブ(2270m)       

カナダ 1998.09.02 現地邦人ガイド --- --- ---
コース レイクルイーズ(10.45)---ミラーレイク---レイクアグネス(ランチタイム)---ビッグビーハイブ---ミラーレイク---レイクルイーズ(15.30)
ビッグビーハイブ
 約束の9時、かねてインターネットで約束しておいたバンフ在住日本人ガイドの関さんがバンフスプリングホテルまで迎えに来てくれた。
 小さくてもピークへ立ちたいという希望を伝えておいたが、登るべき山はまだ決まっていなかった。取りあえずモレインレイクからSentine Pass(2611M)を目指すことにしてバンフの街を後にした。

 一昨日泊まったシヤトー・レイクルイーズ付近まで1号線を走り、そこからモレインレイクへの林間の車道へ入る。枝を張り出さずに、すらりと天へ向かって伸びる針葉樹が道の両側に並木のように連なる。車道の行き着いたところがモレインレイクと呼ばれる氷河湖。その湖を目にしたとたん、あっと言って立ち止まってしまった。その色の異様なほどの美しさに声もなかった。青いというのかグリーンというのか、いまだ目にしたことのない湖面が広がっていた。
 昨日のペイトレイク、そしてレイクルイーズともちがって、ここは透き通った透明色、まるで巨大な宝石でも見ているようだった。良く見ると湖面の色は場所によって微妙に違った色合いを見せている。
 少し小高くなった展望台まで上がってみると、湖の先には氷河に削られたままの姿で鋸歯状の山々が朝日の中に聳えている。まさにこれは「絵」そのもので、カナダ20ドル紙幣裏面の図柄にもなっている景色を何枚も写真に収め、うっとりと眺めていた。

 さてハイキングコース入口へ足を進めてみると、何と熊が出没したとかでコースがクローズされていた。ガイドの関さんと相談の結果レイクルイーズ湖からBee-Hive(2270m)へ登ることに変更する。

 一昨日泊まったシャトーレイクルイーズホテルの裏からよく整備されたコースを行く。このコースはカナデイアカンロツキーでは最もポピュラーなコースの一つらしい。乗馬で行くこともできるという。途中馬の糞が落ちていた。
 さほど急でもない登りを、関さんの話を聞きながら上ってゆく。ときどきエメラルドグリーンのレイクルイーズが樹間に見え隠れする。元気な登山者が次々とわれわれを追い越してゆく。45分ほど歩いたところで小さな氷河湖に出る。鏡のような湖面であることからミラーレイクと呼ばれる。ここで写真を撮ったりして休憩を取る。湖の上部に木造のハウスが見える。休憩のコーヒーハウスだという。目の前に赤茶け垂直の岩壁をさらす山が目的のBee-Hive、あの険しい山へどうやって登るのかという感じだ。

 ミラーレイクからコーヒーハウスまではわけなかった。ここにはおおぜいのハイカーが休んでいる。ここまでならレイクルイーズからのいい散策コースというところ。事実空身で来て、ここで引き返し行く人が圧倒的に多い。
 コーヒーハウスでランチ休憩にする。食事は関さんが用意してきてくれたサンドイッチなど。餌を目当てにリスが目の前を行ったり来たり、ちょろちょろと動き回っている。しかし餌は絶対に与えてはいけないという。
 コーヒーハウスはレイクアグネスという氷河湖のほとりに建っている。この湖も透明色で色は青に近いグリーン、氷河湖独特の素晴らしい色彩で、そよそよと吹く風に波が宝石のようにキラキラ輝いていた。

レイクアグネス
 食事の後Bee一Hiveをめざす。
 人の姿が急に少なくなる。湖畔沿を半周した後ピークへ向かっての登りとなる。氷河に削られた岩壁そのままの姿でMt.WhiteやMt.Niblockなどの2900m級の山々が手の届きそうな位置に聳え立っている。目を引く景観に思わず足を止めて見入ってしまう。いつまで眺めていても飽きることはない。
 眼下のレイクアグネスの美しさを見ながら、思ったほどの体力も要さずにBee-Hiveのピークに到達した。ピークから少し北東へ行った所がレイクルイーズの展望台で、エメラルドグリーンの湖面とシャトーレイク・ルイーズホテルが絵ハガキのような景観を見せてくれた。

 周囲のカナダカラマツは早くも黄葉を見せはじめ、それを前景にした氷河や高山の眺めがまた素晴らしい。最も近い氷河はレイクルイーズへ注ぎ込むビクトリア氷河、高い位置から見ると氷河というものがはっきりとわかる。南には連なる高山の先に真っ白なピークが見えている。これがカナデイアンロッキーを代表する高山Mt.Tmple(3543m)である。
 日本人女性3人グループがやはりガイドを伴って登って来た。
 見あきることのない景色に未練を残しながら山頂を後にする。帰途はコーヒーハウスのある側とは反対に下って、ミラーレイク経由で登ってきた道と合流。そのままレイクルイーズへと下った。下山はほぼ予定通りの3時半だった。

 バンフまで送ってもらったところで関さんと別れ、土産の買い物をしたりしてからホテルへ戻った。
 このカナダツアへ唯一の自由行動日はぜひともカナデイアンロッキーのハイキングで有音義なものにと思っていたが、絶好の登山日和に恵まれ、小さな
ハイキングながら思い出に残る楽しいものとなった。
 
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