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南真砂岳=みなみまさごだけ(2713m)

三ツ岳(2845m)---野口五郎岳(2924m)---真砂岳(2862m)
---南真砂岳(2713m)---湯俣岳(2379m)

長野県 2006.08.04
    -05
単独 マイカー 地図 槍ケ岳北西 三ツ岳 三等三角点
野口五郎 二等三角点
湯俣岳 三等三角点
コース ■高瀬ダム(6.10)---濁り沢(6.30)---三角点(8.15)---烏帽子小屋(9.15-9.35)---三ツ岳(10.30-10.35)---野口五郎小屋(12.00)
■野口五郎小屋(5.10)---野口五郎岳(5.20)---真砂岳(5.45)---南真砂岳(6.30-6.40)---湯俣岳(7.40-7.45)---日蔭の森(8.25-8.30)---展望台(9.00)---湯俣温泉(9.20)---休憩(10.15-10.25)---名無小屋(10.25)---高瀬ダム(11.35)
南真砂岳山頂と槍ケ岳

≪南真砂岳・・・日本標高89位≫

平成3年(1991年)に国土地理院から刊行された『日本の山岳標高一覧』という資料を当時手に入れた。この中に『標高2500メートル以上のすべての山のデータ表』というものがついていた。1位の富士山(3776m)からはじまって151位の大日岳(2510m)までが高度順に列挙されている。
せめて100位までを登りたいと考えて、機会をとらえては少しづづ登ってきた結果残りは3座となり、梅雨明けの快晴を見越してその中の南真砂岳を登ってきた。

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実はこの100位はかなりあいまいなところがある。
富士山は山頂外輪に剣ケ峰、白山岳、久須志岳などがあるが富士山として一つに括っているのは、これは納得性があると思われる。ところが槍ケ岳南部の大喰岳や中岳はそれぞれ10位、12位と順位に数えているのに南岳(3033m)は除外されている。奥穂高岳に隣接する涸沢岳は8位となっているが、間ノ岳西方の三峰岳(2999m)は入っていない。

南真砂岳についても標高が149メートル高い真砂岳の方は野口五郎岳の付属扱いになっている。

詳細な判断基準を知らないので何とも言えないが、率直な感想としてはこの100位というのはあまり意味がないような気がしていた。今ではこの100座を目標とすること自体に疑念を抱きつつ、結局は残り2座となって、できれば今年中にケリをつけたいと思っている。

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上空は雲ひとつないピーカン、七倉温泉からタクシー相乗りで高瀬ダムへ。ダムからブナ立尾根を烏帽子小屋までどのくらいで歩けるか。何回か歩いているが2時間40分から3時間未満が実績。歩き始めて1時間もすると、先に出発した登山者をほとんど抜き去って、この先烏帽子小屋までは先行者は一人もいなくなっていた。
やはり70歳に手の届く年令は争えず、三角点までがこれまでになく長く感じられた。ほとんど休憩なしで3時間5分かかっていた。

コマクサの砂礫斜面を三ツ岳のピークへ。この登りは高低差300mほどだが、毎度のこと足にこたえる。北に立山方面、南に槍ケ岳などを見ながらお馴染みの三ツ岳山頂は涼風が気持ちいい。
野口五郎小屋到着は12時少し前、本日最初の受付だった。夕暮れまでの時間を持て余す。野口五郎の山頂へ行って槍、水晶などのスケッチをしたり、小屋の前で岩に座っていつまでも周囲の山々を眺めて時間をつぶした。
この時期としては小屋は思いのほかゆったりとして、一人1枚の布団で寝ることができたのはラッキーだった。

翌朝、快晴の夜明け。
山小屋の朝食をすませてすぐに出発。野口五郎の山頂でしばらく展望を楽しむ。槍、鷲羽、水晶、赤牛、薬師、五色ケ原、立山、船窪、針ノ木、頸城三山、浅間、八ツ、南アなど360度の山岳展望がほしいままだった。
野口五郎から真砂岳へ向かうと、南真砂岳への稜線の先に均整のとれた槍ケ岳の姿がひときわ目を引き、思わずカメラのシャッターを立て続けに切ってしまった。

真砂岳山頂には板切れ1枚の標識もなく、疎外されたようなピーだった。ここからは水晶、鷲羽、赤牛などがさらに間近に迫り、朝の斜光線が描きだす山ひだの細部までもが手に取るようだった。
真砂岳からは竹村新道を鞍部目がけて急斜面を一気に下って行く。鞍部でのトラバース付近は崩壊などで足場が悪く、足を踏みはずしたら一大事、気が抜けない。もう一つ小さいコルを過ぎて南真砂岳への登りとなるが、この登りはたいしたことはなく、コースを左に見送って直進すると今回の登山の目標でもある南真砂岳山頂だった。
真砂岳同様、南真砂岳のピークにも標識一つ立っていない。広場のような山頂で真正面には槍ケ岳が、そして鷲羽、大天井など北アルプスの山岳美をしばし楽しむ。

水晶岳
コースまで戻って湯俣温泉への下りにかかる。
森林限界から潅木帯へそして樹林帯へと高度を下げて行く。湯俣岳への登り返しが思ったより長く感じたのは、足に疲れが出てきたためだろう。
このあとまだ行程差で1200メートルほどを下っていかなくてはならないが、時間的には余裕十分、湯俣岳の三角点で樹林の梢から見える槍ケ岳の穂先を見ながら小休止をとって足を休める。
湯俣岳から湯俣温泉まで待ち遠しくなるほど長い行程だった。『日蔭の森』という表示地点で湯俣温泉まで1時間30分となっている。時間や行程の長さばかりが気になるのは、やはり脚力が衰えてきたということだろうか。日蔭の森からは思いのほか早く50分で湯俣温泉へ降りることができた。温泉の前の引水で冷たい水をガブ飲みすると生き返った気分だった。温泉へ入りたいが、これから高瀬ダムまでまだまだ行程は長く、太陽に照りつけられながら汗をかかなくてはならない。

お腹が空いて、途中小さな流れのある木陰で休憩、パンで腹を満たしてから稜線とは様違いの暑い道をひたすら高瀬ダムまで足を運んだ。
ダムから七倉までは、いつもは歩いて下るのだが今回あまりの暑さにタクシー相乗りという軟弱をしてしまった。
 
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