赤沢山=あかざわやま(2670m)・西岳=にしだけ(2758m)

 長野県  2006.08.26
   ~27
 単独  マイカー  地図 穂高岳北西  赤沢山三等三角点
コース

■上高地(6.35)---横尾(8.35)---槍沢ロッジ(9.45-9.50)---水俣乗越への分岐(10.45)---水俣乗越(11.55-12.15)---ヒュッテ西岳(13.15)---西岳ピーク往復20分・・・泊

■ヒッュテ西岳(5.20)---赤沢山(5.55-6.00)---ヒュッテ西岳(6.25-6.30)---水俣乗越(7.15-7.20)---槍沢分岐(7.50-7.55)---槍沢ロッジ(8.30-8.35)---横尾(9.40-9.45)---上高地(11.40)

西岳とヒュッテ西岳
≪赤沢山・・・日本標高98位≫

平成3年(1991年)に国土地理院から刊行された『日本の山岳標高一覧』という資料を当時手に入れた。この中に『標高2500メートル以上のすべての山のデータ表』というものがついていた。1位の富士山(3776m)からはじまって151位の大日岳(2510m)までが高度順に列挙されている。

率直な感想としてはこの100位というのはあまり意味がないような気がしつつも、せめて100位までを全部登りたいと考え、機会をとらえては少しづづ登ってきた結果残りは2座となり、今回北アルプスの赤沢山を登ってきた。

 

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沢度に車を残してバスで上高地へ。晴れ間も見えるが雲も多い。歩きなれた平坦な道を明神、徳沢と休憩無しで横尾へ。所要2時間ちょうど、今の脚力では少し早すぎるかなという感じ。横尾から登山者はめっきり少なくなる。槍沢ロッジで始めて5分の少憩後、水俣乗越への分岐へ向かって槍沢を少しづつ高度をあげて行く。

分岐には立派な道標が立っている。休まずに水俣乗越への本格的な登りにとりつく。涸れ沢を2回か3回出たり入ったりしたあとは、脚にこたえる急登に喘登がつづく。この程度の登りでこれほど脚に負担感を感じたのは珍しい。最近は登山のたびに体力、脚力の衰えを実感するが、今日もまた同様。休まずにと思いつつ、立ちどまってひと息入れる回数も多くなる。400メートルほどの急登を1時間10分もかけてようやく水俣乗越へ登り着いた。 

乗越で腰を下ろして昼食かたがた20分の大休止、爽やかな風が吹き抜けて汗が引いていく。
本日の泊り“ヒュッテ西岳”まではコースタイムで1時間30分、重い足をなだめるようにして梯子や鎖場を登っていく。一つコルを越えたあとの登りはことさらさにきつく感じる。休憩したい気持ちを振り切って1時間、ヒュッテ西岳へ到着。小屋前のベンチにへたり込むようにして座り込んだ。

宿泊手つづきをすませ、体の隅々にまでしみとおるような冷たいビールを飲んだりしてから、目の前の西岳ピークへ登る。ピークまでは10分余。山頂で石に座ってぼんやりしているといかにも馬力のありそうな男性が登ってきた。

こんにちはと挨拶を交わしたあと、お互い静かにあたりを眺めていたが「もしかしてホームページを開いている人ではないですか」と語りかけてきた。「そうです」と答えると「根橋さんですね」と言う。まったくの驚き、どうして名前まで知っているの・・・・?そんな私の驚きと疑問に「HPで見たような顔でしたので」というのです。彼は私の山梨県の山友とも知己で、その山友とも私のことが話題になったりしたようです。彼は群馬県のAさん名乗ってくれました。何とAさんはたった今赤沢山へ登ってきたということです。めったに登る人もないようなこんな山へ、このときに偶然めぐり合うなんて、どう考えても神のめぐり合わせ以外の何ものでもない。

実は赤沢山は地図上には登山道がなく、ネット検索でも登山報告の類は見つからなかった。ル-トファインディングしながらハイマツをかき分けて登るのを覚悟、けっこう緊張して出かけてきたが、コースの詳しい情報を懇切に教えられ、登頂の可能性を確信した。何ともありがたいめぐり合わせに感謝、感謝だった。

同宿の福岡県の男性も予定外の赤沢山へ登るということだったが、翌朝5時20分、身支度のできた私が先に出発する。
ヒュッテから南へ延びた尾根を、キャンプ場を過ぎて裸地の先端まで行くと岩がいくつかある。いちばん大きな岩が右手にあるので、この岩の西側を巻くとハイマツの中にかすかな踏跡が確認できる。あとはこの足跡を失わないように追って、V字状にするどく切れ込んでコルへと下って行く。途中ガレた岩場の通過がある。足がかりが少し不安で、しかも安心して身を委ねる手がかりも乏しい。落ちないよう最新の注意を払って通過すると、あとは目についたテープなどをたどってコルとなる。

コルからは急な登り返しとなる。痩せた岩場などもあるが案じるような危険箇所はほとんどなく、赤沢山の北端へ登り着く。このあとはハイマツのなだらかな尾根を南へ向かうと、三等三角点の赤沢山山頂となる。標高100位の中で、唯一どうのように登ろうかと考えていた赤沢山が、Aさんのアドバイスでいともあっけなく登れてしまい、拍子抜けの気分さえ感じた。 

ヒュッテまで戻り、水俣乗越から槍沢、横尾と同じ道を取って上高地へと向かった。

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キャンプ場先の裸地の南端には、左に道状のものがありますが、これはすぐにハイマツ帯にぶっつかってしまいます。
裸地の先端に立つと写真のような岩が右手にあります。この岩の基部を右から巻くとハイマツの中にルートが確認できます。岩の背後は赤沢山です。写真で見るとコルから赤沢山への登りが険しそうですが、歩いてみるとそれほどでもありません。


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