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伊那谷の山
尾高山(2213m)・焼山(1976m)・御池山(1905m)・炭焼山(1554m)

長野県 2006.09.29 単独 マイカー 地図 大沢岳南西
    光岳北西
    上町北東
尾高山 三等三角点
焼山   三等三角点
御池山 二等三角点
炭焼山 三等三角点
コース しらびそ峠(6.25)---前尾高山(6.55)---尾高山(7.30-7.40)---前尾高山(8.05)---しらびそ峠(8.30)===車・3分===しらびそハイランド(8.45)---焼山(9.05)---御池山(10.00-10.05)---車道歩き---しらびそハイランド(11.10)===車・9キロ22分===駐車場所(11.40)---炭焼山---駐車場所(11.50)
樹林の中の尾高山山頂
〖尾高山〗

中央高速松川ICを出て小渋湖経由で大鹿村へ。R152号を南下、地蔵峠を越えてしらびそ峠へ向かう。登山のために以前何回か走った道で懐かしい。
しらびそ峠には立派な登山口道標やコース概念図などがある。
峠のスペースに車を止めて出発。展望台にもなっている峠からは雲の切れ間に、先だって登ったばかりの大沢岳などが垣間見えていた。 

尾高山はいつか訪れてみいと思っていた山、ようやく念願を叶えることができた。登山道の整備状況は文句なし、その上良く踏み固められていて歩きやすい。アプローチに不便なな山、その上『○○名山』のような冠も持たない山なのに、ハイカーの訪れは多いのだろう。

登山ルートはほとんど展望はきかないが、原生林の面影がよく残されていて雰囲気は上々、とりわけシラビソなどの針葉樹林は奥秩父的な幻想気分にさせてくれる。
厳しい急登もなく30分余で前尾高山へ到着。その先コルへの下降となるがたいした下りではない。表示されているビューポイントや、樹林の切れ間などから南ア南部の展望が望めるはずだが、からみつく雲が邪魔になって薄い藍色に染まる山影の断片が見え隠れするだけ。原生林の落ち着いた雰囲気を楽しみながら山頂へと足を運ぶ。とりわけ林床を覆う苔がすばらしい。岩や倒木は鮮やかな緑の苔に柔らかくくるまれて思わず手を触れてみたくなる。この苔の存在がいっそう原生林の静けさを際立たせてくれているようだ。

露岩が少し目立つようになるとその先が山頂だった。三等三角点は三つ四つの岩が囲んでいた。
座る場所もないような小さな山頂で、展望の方も皆無、三角点の先が小さな空間で、グループ登山だとここが休憩場所というこになりそうだ。
この先1、2分のところにビューポイントが2箇所ある。どちも大展望は無理だが、天気が良いと南アの赤石から聖、さらにその南部の連嶺がのぞめると思われるが、わずかに大沢岳や赤石岳らしい山影が淡く見えていただけだった。

下山時、登ってくる作業衣姿の4人に出会う。奥茶臼山までのルートを切り開いているとのことだった。あと1週間ほどで完成すると話ていた。(このコースが使えると4、5時間で奥茶臼山まで登れるらしい)


〖焼山~御池山〗

焼山山頂 御池山山頂
尾高山から下山すると休むことなくしらびそハイランドへ車で移動。移動距離600メートル、車で2、3分。

地図を見ると車道を使わずに焼山三角点から御池山まで登山道を歩くことができそうだ。
ハイランドの駐車場に車をとめさせてもらって出発する。地図に載っている登山道がわからないまましばらく車道を南へ向かう。数分歩くと右手に丸木階段があり「ハイキングコース入口」の道標が倒れているのが見えた。ここから山道へ入る。最初は林道のような幅広の道だったが、やがてダケカンバの疎林と笹原が広がる明るい高原情緒に変わる。その笹原の中の高みに『焼山』の標柱が立ち、笹に埋もれるようにして三等三角点標石があった。

天気が良いと南ア展望コースとも言えそうな笹原の道をコルへと下って行く。標高差で150メートルほど下ると舗装道に突きあたるが、車道を歩くことなくそのまま山道へ入り尾根を伝って登って行く。道は明瞭で歩きやすく、ファミリーハイキングにも好適なコースだ。

『御池山隕石クレーター展望台』の表示がある。ここに隕石クレーターが確認されたのは最近のことで、日本では始めてとのこと。御池山はこれを機に名前を知られるようになり、訪れる人も多くなるかもしれない。

展望台から車道付近まで下り、そのまま車道に寄り添った山道を少し進むと再び車道と交わったところが御池山登山口になっていた。駐車スペースも十分あるのでここまで車でくれば御池山山頂はわけない。
『御池山へ1キロ』と表示された登山口から緩やかな登り道を御池山へ向かう。コース状況は良好、中郷御池と御池山分岐の道標から山頂までは一投足、ハイランドから1時間15分の行程だった。
大きな岩のある山頂は狭いが、南ア方面の展望が開けている。あいにくの曇天が惜しまれる。二等三角点は岩の前の地面に埋設されていた。三角点が岩の上だと標高が1メートルか2メートル高くなるだろう。

帰りは御池山登山口まで山道を下り、あとは車道をたどってしらびそハイランドへ戻った。


≪註≫
ハイランドからまったく車道を使わずに歩けるようになっていることが、帰りの車道歩きからわかった。

しらびそ峠からハイランドへ上がってきて、左手のハイランド敷地に入るとすぐ右手に駐車場がある。駐車場の奥まで入ると1㎡ほどの赤い鉄板が地面に蓋をしている。ここから目の上の四阿屋へ上がる細道がある。笹に隠れているが良く見るとわかる。この道から四阿屋を経由、すぐに車道を横切ってあとは私の歩いた道へとつながる。

〖炭焼山〗

炭焼山山頂
予定の御池山を下山しても時間はまだ12時前、これで明日予定の兀山方面へ移動してしまうのは惜しい。
しらびそハイランドから車道を南下していくと炭焼山という山があるのが目についた。道路地図を見ると車道からほんのわずか離れているだけだ。道がなくてもこの程度なら何とかなるだろう、そう思って立ち寄って行くことにした。

ハイランドから車で22分、カーナビに炭焼山が映ったあたりで運よく右手に3、4台駐車できるスペースがあった。道路西側にこんもりとした凸部へ向かう薄い踏跡がある。潅木の枝に古びたテープも見える。これが炭焼山のコースに間違いないと確信してカメラだけを持ってその踏跡をたどる。かろうじて踏跡と判別可能な道を5分弱、いきなり山頂に着いてしまった。山頂は大木の切り株が3つばかり、猫の額ほどの空間だった。そして三角点の標石は三等。樹木に取り囲まれて展望はない。
ついでに伊那路の山を一座かせぎ、得した気分で山頂をあとにした。

このあと明日登る予定の兀山登山口となる飯田市郊外大平宿へ車を向かわせた。