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伊那谷 大沼山=おおぬま(1179m)

長野・愛知県 2007.01.13 単独 マイカー 地図 三河大谷南西 大沼山 二等三角点
コース 登山口(8.30)---大沼山(10.15-10.25)---登山口(11.15)
大沼山二等三角点

伊那谷の山として扱ったが、登山口は愛知県旧富山村にあるために愛知県の山とした方が適切かもしれない。

昨日登った八嶽山とは稜線つづきの山で、縦走も考えたが登山道ルートがあるという情報がつかめなかったので、大沼山のみを対象にして登ることにした。

151号線(遠州街道)を南下、新野峠から74号線へ入り、三沢小学校の先で左折、426号線を旧富山村方面へ向かう。
2万5千図を見ると、登山道は最高点にあるトンネルを抜けてつづら折れの下りとなり、大きなV字カーブを過ぎた少し先に二つ記載されている。ところがその取り付きがわからない。
行ったり来たりして探すがダメだ。この付近は何箇所も落石防止工事が行われていて、そのためにいっそう分かりにくくなっているのかもしれない。

迷ったあげくに、標高点694mと記された沢と思しきところからのルートをたどることにした。このルートはしばらく沢を遡上するようになっいる。
何の目印もない沢沿いの薄い踏跡へ入る。これは作業道らしい。沢筋は雪で踏み跡が判然としない。沢芯を避けて輻輳する雪のない踏跡を、おおよその見当をつけて登って行くが、その踏跡もなんだか怪しくなってきた。右、左と登山道を探してみるがうまくいかない。途中から沢へ降りてしまった。しかしそのまま沢を詰めるのは気が進まない。足場の悪いザレの急斜面を、尾根目がけて這い登ることにする。
今日は目印の赤布は持参していない。振り返っては帰りのコースを記憶に焼き付ける。潅木にしがみつき、足場を選びながらようやく尾根上に出るとはっきりした道型があった。これが地図上の登山道かもしれない。ここまで来るのに予想外の大汗をかいてしまった。やれやれという気分で尾根を登って行く。尾根は積雪があるので多少ルートを外しても帰りには足跡を拾えるので心強い。

現在地点も分からないままに登って行くと、笹薮に突き当たってしまった。背丈を超す笹が茂り、笹の葉には雪が固まって凍りつき、重みで倒れている。かろうじて踏跡とわかる程度の隙間を、笹を左右にかきわけながら進む。思いもしなかった重労働だ。勾配が緩んで90度左に向きを変える。さらに笹薮漕ぎがつづく。
登るのを中断して引き返そうかと思ったとき、突然開けた空間に出た。はっきりとした登山道が下から合流している。地図を広げてみると、この合流したのが私が取った沢ルートよりもう一つ西側に載っている尾根コースらしい。取り付き点はどこにあったのだろうか。

合流点からはほぼ平坦な道を赤布の目印に導かれ、10分もかからずに大沼山の三角点に達した。山頂には私製の山名表示一つなく、刈り払われた小さな空間に二等三角点の標石が一つあるだけだった。こんなん山を訪れる好事家はほとんどいないことだろう。人の手に触れることも少ない三角点標石はきれいなままだった。山頂直下にブナの大木が2本、どこか場違いの感じで立っていた。

私がこの山を選んだのには特段の理由はない。伊那谷の三角点の山を地図で探しては登っているその一環に過ぎない。地図には三角点記号があるだけで山名も記されておらず、三角点名が『大沼山』となっている山で。樹林に囲まれ目ぼしい展望もなく侘しい山頂だった。

高低差は500メートル弱、1時間もあれば登れると思ったのに、1時間45分もかかってしまった。こうした歩き方は疲労の方もかなり大きい。一服してから山頂をあとにした。
駐車場所へ降りたかったので、登ってきたコースをたどって下ったが、帰りは迷うことなく、ほぼ登ったとおりに下ることができた。