kanto-003    「山岳巡礼」のトップへ戻る  関東百山・関東百名山一覧表へ戻る

関東百山  白毛門=しらがもん(1720m
関東百名山 朝日岳=あさひだけ(1945m)
登頂年月日 1991.09.23 天候 張れ 同行者 単独行 マイカー利用 朝日岳 2等三角点
東京(2.30)===土合橋(5.55)−−−松の木沢の頭(7.20)−−−白毛門(7.55-8.05)−−−笠ケ岳(8.40)−−−朝日岳(9.25-10.15)−−−笠ケ岳(11.00)−−−白毛門(11.30)−−−土合(13.05)

笠ケ岳山頂より朝日岳をのぞむ
朝日岳と名のつく山は多い。300名山の中にも4つある。
マイカーが土合駅に着くころ、ようやく夜が明け初めた。土合山の家前に車を止めて、地図を再確認の上出発。
土合橋を渡り、湯桧曾川の右岸沿いの車道に入った。すぐに三菱銀行の寮があるはずが、10分ばかり行ってもそれらしい建物が見えない。芝倉への目印がある。地図を開いて見ると歩いているのは虹芝寮から蓬峠へ向かうコースだと分かる。白毛門へは湯桧曽川左岸に入らなければならなかった。戻って見ると、土合橋手前に白毛門登山道の表示があった。薄暗い中、小型の道標を見落としていた。25分のロス。

三菱銀行寮の裏手から樹林の平坦道を2分も行くと、立派な表示があって、ここから本格的な登山道にと りついた。鉄砲登りの急坂を木の根に足掛かりを求め、一歩一歩体を引きずり上げる直登がつづく。ブナやアスナロの中、最初の急登をワンピッチで登り切ると、ひと息つける尾根に変った。次いで松の木沢の頭への急登になる。樹林越しにときどき谷川岳から一の倉岳東面の大岩璧が垣間見える。
松の木沢の頭は見晴らしのいい突起である。高度差800メートル余を1時間25分、急登だっただけに効率も良い。眼前に聳える白毛門は頂上をガスが去来している。谷川岳も山頂から稜線にかけては雲に覆われて見ることができない。
痩せ気味の尾根を絡む道は、やがて岩っぽくなって白毛門の頂上に到着した。金属製の展望案内盤があるが、遠望がきかず照合できない。稜線通しにこれから向かう笠ケ岳と朝日岳への山頂が見える。

一服してから白毛門をあとにして笠ケ岳へ向かった。 小潅木の中を鞍部へ降り立ち、ここから再び登り返す。急登ながら朝の陽を背に受けて気持ち良い登りだ。笠ケ岳の頂上は広々とした円頂で、天気が良ければ絶好の展望台であることがわかる。
笠ケ岳から眺めると、朝日岳までの稜線上には大きな突起が三つ見える。相当歩きでがありそうだ。
地図にはないが、笠ケ岳のすぐ先にドーム型の避難小屋がある。このあたり明るい笹原が広がり、気分も伸び伸びとする所だ。稜線の潅木は、ほんのりと紅葉を始めている。あと1週間か10日もすれば鮮やかな色に染まることだろう。

最初の突起への登りが一番きつい。突起は三つに見えたが、数えてみたら10いくつ、登っては降り、登っては降りの連続で、なかなか厳しい。しかし一つ突起を越えるごとに朝日岳が近づく。
最後の突起を終わって朝日岳への山頂にかかるころ、タイミング悪く流れて来るガスに周囲は閉ざされてしまった。
広い山頂は霧の中である。山名表示の朽ちた標柱を背に記念写真を撮り、山頂の端にある岩場の上に腰を下ろし、早い昼食にする。妻が持たせてくれた梨のみずみずしさが実に美味い。ときおり霧が薄く なった隙間から、山頂付近に池塘のあるのが確認される。あたりは湿原になっているらしい。
霧が晴れないものかとしばらく時を過ごしたが、期待できそうもないので池塘の見えたあたりへ足を運んでみた。そこはたしかに湿原が広がり池塘が点在していた。
山頂を辞そうとしたとき、俄かに霧が吹き払われて青空が広がり、周囲の視界が開けた。遠望がきかないのは残念だが、山頂直下の湿原や、上越へのジャンクションピーク方面も見える。わずかの展望だったが晴れてくれたことに満足して下山の途についた。

途中擦れ違った登山者に、白毛門への登りあたりで子連れの熊が登山道を横切るのを見たから、気をつけるようにと注意される。 白毛門を過ぎ、樹林帯に入ってから呼子を吹きながら下ったが、熊の姿を見ることはなかった。
単純標高差でも1300メートル、累積標高差は2000メートル近くになるかもしれない。歩きでのあるコースだった。


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